【医療関係団体と厚労省】ポストコロナ医療体制充実宣言/新興感染症対応への参画や医療DX推進宣言

【医療関係団体と厚労省】ポストコロナ医療体制充実宣言/新興感染症対応への参画や医療DX推進宣言

【2023.11.06配信】厚生労働相と、日本医師会や日本薬剤師会など医療関係団体による「ポストコロナの医療体制充実についての意見交換会」が11月6日に開催され、「ポストコロナ医療体制充実宣言」が取りまとめられた。新興感染症対応への参画のほか、医療DX推進を宣言した。


「総合経済対策」踏まえ電子カルテ情報共有サービス構築、電子処方箋を活用・普及

 「ポストコロナ医療体制充実宣言」の文書は以下の通り。

 厳しい医療機関の経営状況が続いていた中で新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、医療従事者はこの3年間、新型コロナウイルスに対応してきた。
 この間、国民のご理解・ご協力も大きく、我が国における死亡者数は相対的に低く抑えられてきた。
 一方で、著しい感染者の増加により、感染流行初期等において医療の逼迫を招いたことからも、医療提供体制において新興感染症への平時からの備えが必要であることが明らかとなった。

 加えて、平時から感染症有事を通じて、切れ目なくより質の高い医療を提供する観点から、医療におけるデジタル・トランスフォーメーション(医療DX)が必要であることが明らかになった。

 新型コロナウイルスの感染は継続している状況ではあるが、次の感染症拡大への備えを厚生労働省、医療界ともに先手先手で実施するため、下記についての取組を集中的に進めることを共同で宣言する。

<新興感染症対応>
 新興感染症の発生に備え、いわゆるサージキャパシティの確保に向けて、現在、改正感染症法に基づき、新型コロナウイルス対応の最大規模の体制を目指して、医療機関等と都道府県が協定締結の協議を行っている。新型コロナ対応を行った病院及び診療所は、協議の結果を踏まえ、病床確保や発熱外来を行う協定締結医療機関となり、新興感染症対応に参画する。
 今後、厚生労働省は「デフレ完全脱却のための総合経済対策(令和5年 11 月2日閣議決定)」等を通じた医療機関への支援策を確実に講じ、医療機関等は、個室病床、ゾーニング可能な病棟、簡易陰圧装置等の整備や個人防護具等の備蓄、検査機能の維持や感染症対応人材の確保に取り組む。
 こうした取組により、具体的には、令和6年4月までに策定される都道府県の予防計画・医療計画において、感染症の流行初期(発生公表から3か月程度)の体制として、全国で1.9 万床の確保病床、1500 機関の発熱外来等を確保し、それ以降の体制として、全国で 5.1 万床の確保病床、4.2 万機関の発熱外来等を確保する。協定締結作業は令和6年9月を目途に完了する。

<医療DXの推進>
 新型コロナ対応の教訓も踏まえ、全国の医療機関・薬局・訪問看護ステーションで国民一人一人の診療情報等を全国的な規模で共有可能とする全国医療情報プラットフォームを構築するとともに、マイナ保険証の利用を促進することで、感染症危機も含めて、全国いつどの医療機関等にかかっても、切れ目なくより質の高い医療を提供することを可能とする。
 今後、「デフレ完全脱却のための総合経済対策(令和5年11 月2日閣議決定)」等の内容も踏まえつつ、電子カルテ情報共有サービス(仮称)の構築、電子処方箋の活用・普及の推進、医療機関におけるサイバーセキュリティの確保に取り組む。
 こうした取組みにより、具体的には、電子カルテについて、医療機関間等での情報共有に必要となる標準化への対応を順次進める。厚生労働省は、FHIR 規格への対応について支援を行うとともに、クラウドベースの標準型電子カルテの整備を行っていく。
 電子処方箋等について、厚生労働省において、各施設の円滑な導入に向けた環境整備を行うとともに、医療機関・薬局において、できる限り速やかに導入するよう取り組む。公的病院においては、可能な限り令和6年度の診療報酬改定に合わせて導入するよう厚生労働大臣より要請する。
 サイバーセキュリティについて、厚生労働省が必要な支援を行いながら、医療機関等において、外部ネットワークとの接続の安全性検証やオフライン・バックアップの構築等を順次進める。
 看護業務について、医療DXの推進等により、効率化を図る。

以上

令和5年 11 月6日
厚生労働大臣 武見 敬三
公益社団法人日本医師会会長 松本 吉郎
公益社団法人日本歯科医師会会長 高橋 英登
公益社団法人日本薬剤師会会長 山本 信夫
公益社団法人日本看護協会会長 高橋 弘枝
一般社団法人日本病院会会長 相澤 孝夫
公益社団法人全日本病院協会会長 猪口 雄二
一般社団法人日本医療法人協会会長 加納 繁照
公益社団法人日本精神科病院協会会長 山崎 學

この記事のライター

関連するキーワード


感染症 医療DX

関連する投稿


【パブコメ】薬局からのトレーシングレポート、2030年メドに電子化実装/医療情報化推進方針案

【パブコメ】薬局からのトレーシングレポート、2030年メドに電子化実装/医療情報化推進方針案

【2026.08.28配信】厚生労働省は8月28日、医療情報化推進方針案についてパブリックコメントを開始した。改正医療法では支払基金が改組するDX審査支払機構における医療DX業務に対し、国によるガバナンスを発揮する観点から、厚生労働大臣が医療情報化推進方針を作成することとされている。


支払基金、「DX審査支払機構」に改組/今年10月から

支払基金、「DX審査支払機構」に改組/今年10月から

【2026.08.27配信】社会保険診療報酬支払基金は今年10月に「DX審査支払機構」に改組する。昨年成立した改正医療法に基づくもの。従来の審査・支払に加え、医療分野のデジタル化(医療DX)を進める中心的な組織となる。


【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。


【PHRを含めた地域連携システム】東邦大学医療センター佐倉病院に導入/東和薬品とTIS

【PHRを含めた地域連携システム】東邦大学医療センター佐倉病院に導入/東和薬品とTIS

【2025.02.19配信】東和薬品とTISは2月18日、両社共同でシステム「ヘルスケアパスポート」を邦大学医療センター佐倉病院に導入したと公表した。同システムはTISが提供しているもので、PHRを含む地域医療連携システムであり、同社は「外来がん化学療法の副作用症状の報告負担を軽減することで薬局・病院の薬剤師によるタイムリーな連携と患者さんに寄り添ったケアの実現」に資するものとしている。


【電子処方箋】院内処方機能のプレ運用開始

【電子処方箋】院内処方機能のプレ運用開始

【2025.01.20配信】厚生労働省は1月23日から、電子処方箋の院内処方登録機能のプレ運用を開始する。


最新の投稿


【日本保険薬局協会】調剤報酬改定、「地方」に厳しい可能性/影響調査

【日本保険薬局協会】調剤報酬改定、「地方」に厳しい可能性/影響調査

【2026.09.10配信】日本保険薬局協会は9月10日に定例会見を開き、令和8年度調剤報酬改定の影響調査を公表した。


【厚労省】“OTC類似薬”で処方箋様式案を提示/中医協

【厚労省】“OTC類似薬”で処方箋様式案を提示/中医協

【2026.09.09配信】厚生労働省は9月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、“OTC類似薬”に関連する処方箋様式の改正案を示した。「一部保険外療養」の欄を追加する。


【OTC薬協】小学校へ出前授業/『健康教育に関する取り組み from TOKYO』

【OTC薬協】小学校へ出前授業/『健康教育に関する取り組み from TOKYO』

【2026.09.08配信】日本OTC医薬品協会(会⾧:上原 茂氏)は、『健康教育に関する取り組み from TOKYO』の取り組みに関するニュースリリースを発信した。大田区教育委員会(教育⾧:小黒 仁史氏)の協力のもと、2025年12月~2026年3月にかけて、区立小学校8校の5・6年生約850人を対象に「健康とくすり教室」を実施。取り組みの継続的な定着につなげるため、一般社団法人大田区薬剤師会(会⾧:田中 敏郎氏)および一般社団法人蒲田薬剤師会(会⾧:多田 善幸氏)の協力を得て、実施校の学校薬剤師にも授業を参観してもらったという。


【次世代薬局研究会】特別講演会「医薬品のドラッグロス、バックオーダー(供給不足・出荷調整)を考える」

【次世代薬局研究会】特別講演会「医薬品のドラッグロス、バックオーダー(供給不足・出荷調整)を考える」

【2026.09.08配信】次世代薬局研究会は10月18日(日)に特別講演会を開催する。テーマは、「医薬品のドラッグロス、バックオーダー(供給不足・出荷調整)を考える」。講師は日本製薬工業協会(製薬協) 産業政策委員会 委員長の草開義隆氏。


【茨城県薬】県と「性暴力等被害者支援に関する協定書」を締結/薬局等での緊急避妊薬の一般販売開始受け

【茨城県薬】県と「性暴力等被害者支援に関する協定書」を締結/薬局等での緊急避妊薬の一般販売開始受け

【2026.09.08配信】茨城県は9月7日、茨城県薬剤師会と「性暴力等被害者支援に関する協定書」を締結したと公表した。茨城県のほか、いばらき被害者支援センター、茨城県産婦人科医会、茨城県医師会、県警察で構成する「性暴力被害者サポートネットワーク茨城」に県薬も参画。県薬は相談窓口の周知や同意に基づく情報提供の役割を担う。


ランキング


>>総合人気ランキング