【敷地内薬局】「基本料以外もさらなる見直しを」/中医協「これまでの議論」まとめ

【敷地内薬局】「基本料以外もさらなる見直しを」/中医協「これまでの議論」まとめ

【2023.08.30配信】厚生労働省は8月30日に中央社会保険医療協議会(中医協)を総会を開き、令和6年度診療報酬改定に向けた「これまでの議論」をまとめ、資料提示した。その中で、敷地内薬局については、「特別調剤基本料以外の部分についても更なる見直しを検討すべき」との意見が記載された。


地域支援体制加算については体制や機能を評価すべきとの意見を記載

 資料は中医協で示されたこれまでの意見をまとめたもの。

 調剤に関わる事項としては、「全体」「服薬指導・かかりつけ薬剤師」「重複投薬、ポリファーマシー及び残薬等への対応」「医療機関と薬局の連携等」「薬局の体制に関する評価」ーーの5項目に分けて記載。

 「薬局の体制に関する評価」では、調剤基本料に関して、地域の状況を踏まえた対応が必要との意見を記載。「調剤基本料については、都市部と地方では医療機関の数も異なるので、処方箋枚数と集中率だけではなく、地域の医療資源の状況も踏まえた対応が必要」と記載した。
 また、地域支援体制加算については体制や機能を評価すべきとの意見を記載。「地域支援体制加算については、地域医療に貢献している薬局を評価する観点から、体制や機能が充実している薬局を評価すべき」と記載した。
 さらに、地域の薬局と連携した体制についての意見も記載。「1つの薬局の対応で完結することは限界があり、地域の薬局と連携した体制を整備し、それを地域の関係者や行政が把握できるような取組も必要である」と記載した。

 加えて、敷地内薬局に関しては、さらなる見直し意見を記載。「敷地内薬局は、薬局開設者の姿勢として、適切な医薬分業と地域包括ケアシステムの構築を進めていく中で国の目指す姿に逆行している。効率的に大量の処方箋が取り扱われているが、医療機関との連携が必ずしも図られていないため、実態をより詳細に把握し、特別調剤基本料以外の部分についても更なる見直しを検討すべき」との意見を記載した。

地域に根差した連携体制の評価を


 そのほか、「全体」では関係者連携や薬学管理充実、地域に根ざした連携などの意見を記載。以下の通り。
(全体)
○ 次回改定は介護報酬との同時改定でもあり、薬局の体制の充実やかかりつけ機能の強化、それらを通じた質の高い薬学的管理の提供、医療・介護の関係者や関係施設等との連携などが今以上に進むような方策が必要。
○ 前回改定で調剤報酬の体系を大きく変えたことから、新しい体系を踏まえた分析と評価を次期改定に向けて十分に行う必要がある。薬学的管理がより充実する対応が重要。
○ 薬局については、地域に根差しているのか、地域において 24 時間対応を含めた連携体制が図れているのかという点を評価していくべき。

合理的で働き方改革を意識した整理が必要/かかりつけ薬剤師の休日・夜間要件の緩和は「あり得ない」

 「服薬指導・かかりつけ薬剤師」については、機能を一層高めることが重要とする一方で、合理的で働き方改革を意識した整理が必要との意見を記載した。以下の通り。
(服薬指導・かかりつけ薬剤師)
○ 「患者のための薬局ビジョン」において、全ての薬局をかかりつけ薬局とするとされた 2025 年を目前に控えていることを十分意識して、かかりつけ薬剤師を中心に、薬局の機能をより一層高めることが重要。
○ 薬剤服用歴等の記録やかかりつけ薬剤師の在り方について合理的な業務が行えるよう、薬剤師の働き方を意識した整理も必要。
○ かかりつけ薬剤師の休日・夜間対応については、かかりつけ医と同様に極めて重要な機能であり、要件の緩和はあり得ない。
○ 薬剤服用歴の記録は非常に重要な業務であるが、これに多くの時間がかかっていることについては業務の効率化等で対処すべき。
○ 医療的ケア児を含む小児特定疾患や認知症の患者への対応について適切な取組が進むよう検討すべき。

調剤管理加算の効果検証の必要性

 「重複投薬、ポリファーマシー及び残薬等への対応」では、ICT化との関連のほか、調剤管理加算の効果検証の必要性などを指摘する意見を記載。以下の通り。
(重複投薬、ポリファーマシー及び残薬等への対応)
○ 高齢化が進展する中、重複投薬・多剤投与や残薬解消の取組について、ICT 化による情報共有を含め、現場の取組がさらに推進するような検討が必要。電子処方箋の導入など見据えて在り方を見直す余地があるのではないか。
○ 調剤管理加算については、その効果についてしっかり検証する必要がある。

「医療機関と薬局の連携等」、「点と点ではなく面での連携に」

 「医療機関と薬局の連携等」では、点と点ではなく、面での連携に広がるようにすべきとの意見を記載した。以下の通り。
(医療機関と薬局の連携等)
○ 医療機関と薬局の連携は、点と点ではなく面での連携に広がるようにすべき。
○ セキュリティに十分配慮しながら、ICT の活用を引き続き進める必要がある。
○ 医療機関と薬局の連携においては、薬局が提供する情報と医療機関が希望する情報に差があることや薬局が取り扱う医薬品等の把握が医療機関側では困難との意見があるため、服薬情報の提供や無菌製剤処理等に対応可能な薬局の把握など、医療機関のニーズを適切に把握した連携をしていく必要がある。

この記事のライター

関連するキーワード


中医協 調剤報酬改定

関連する投稿


【中医協】日本薬剤師会・渡邊副会長、不採算再算定取引の考え方問う/薬局現場で大きくなる「逆ザヤ」問題

【中医協】日本薬剤師会・渡邊副会長、不採算再算定取引の考え方問う/薬局現場で大きくなる「逆ザヤ」問題

【2026.08.27配信】厚生労働省は8月27日、中央社会保険医療協議会(中医協) 薬価専門部会を開き、次期薬価改定へ向けて関係業界からの意見聴取を行った。この中で日本薬剤師会(日薬)副会長の渡邊大記氏は、不採算再算定の取引に関して企業の考え方について質問。流通コストを考慮して欲しいと要望した。


【日本保険薬局協会】調剤報酬改定影響調査/在総加算2が算定率22.1%→3.3%へ急激

【日本保険薬局協会】調剤報酬改定影響調査/在総加算2が算定率22.1%→3.3%へ急激

【2026.08.06配信】日本保険薬局協会は8月6日に定例会見を開き、「令和8年度調剤報酬改定に係る保険薬局への影響」の調査結果を公表した。在宅分野では、在宅薬学総合体制加算2の算定率が22.1%から3.3%へ大きく低下した。


【厚労省】調剤報酬改定疑義解釈「その10」発出/かかりつけ薬剤師フォローアップ加算についてなど

【厚労省】調剤報酬改定疑義解釈「その10」発出/かかりつけ薬剤師フォローアップ加算についてなど

【2026.07.17配信】厚生労働省は7月17日、令和8年度調剤報酬改定の疑義解釈「その10」を公表した。


【中医協】日本薬剤師会森昌平副会長が委員退任挨拶

【中医協】日本薬剤師会森昌平副会長が委員退任挨拶

【2026.06.24配信】厚生労働省は6月24、中央社会保険医療協議会(中医協)を開いた。この中で、同日付けで委員を退任する日本薬剤師会副会長の森昌平氏が退任に際し挨拶をした。


【日本保険薬局協会】調剤報酬の解説を作成/正会員限定で会員のメリット訴求

【日本保険薬局協会】調剤報酬の解説を作成/正会員限定で会員のメリット訴求

【2026.06.11配信】日本保険薬局協会は6月11日、定例会見を開いた。この中で「調剤報酬等に係る解説」を作成したことを報告。協会正会員限定への提供とすることで、協会会員のメリットも訴求したい考え。


最新の投稿


支払基金、「DX審査支払機構」に改組/今年10月から

支払基金、「DX審査支払機構」に改組/今年10月から

【2026.08.27配信】社会保険診療報酬支払基金は今年10月に「DX審査支払機構」に改組する。昨年成立した改正医療法に基づくもの。従来の審査・支払に加え、医療分野のデジタル化(医療DX)を進める中心的な組織となる。


【厚労省】「患者からの医薬品副作用報告に関する広報の周知」発出/「薬と健康の週間」等の機会生かし

【厚労省】「患者からの医薬品副作用報告に関する広報の周知」発出/「薬と健康の週間」等の機会生かし

【2026.08.27配信】厚生労働省は8月26日、自治体に対し通知「患者からの医薬品副作用報告に関する広報の周知について(協力依頼)」を発出した。


【中医協】日本薬剤師会・渡邊副会長、不採算再算定取引の考え方問う/薬局現場で大きくなる「逆ザヤ」問題

【中医協】日本薬剤師会・渡邊副会長、不採算再算定取引の考え方問う/薬局現場で大きくなる「逆ザヤ」問題

【2026.08.27配信】厚生労働省は8月27日、中央社会保険医療協議会(中医協) 薬価専門部会を開き、次期薬価改定へ向けて関係業界からの意見聴取を行った。この中で日本薬剤師会(日薬)副会長の渡邊大記氏は、不採算再算定の取引に関して企業の考え方について質問。流通コストを考慮して欲しいと要望した。


【OTC類似薬】負担対象であることを処方箋に記載/厚労省が院外処方のフロー提示

【OTC類似薬】負担対象であることを処方箋に記載/厚労省が院外処方のフロー提示

【2026.08.26配信】厚生労働省は8月26日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。この中で、OTC類似薬の一部保険外療養の実務フロー(院外処方の場合)を提示した。別途の負担の対象であることを処方箋に記載する。制度が複雑化しないよう、OTC類似薬の一部保険外療養に該当する場合は、長期収載品の選定療養の特別の料金は求めないこととする方向。


【パブコメ】外用剤と総合感冒薬を除くロキソプロフェン指定2類移行で

【パブコメ】外用剤と総合感冒薬を除くロキソプロフェン指定2類移行で

【2026.08.26配信】厚生労働省はロキソプロフェンを含有する一般用医薬品の指定2類移行についてパブコメを開始した。外用剤及びかぜの諸症状を緩和する ことを目的とするものを除くものが対象。


ランキング


>>総合人気ランキング