8月22日に厚労省が「緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業一式」に関して一般入札を公告していた。
これを受け、日本薬剤師会では入札する意向を表明した。主任研究員は日本薬剤師会の常務理事も務める帝京平成大学薬学部長の亀井美和子氏とする予定。
日本薬剤師会会長の山本信夫氏は、競争入札であるため日薬が考えている調査事業内容詳細については明らかにできないと断った上で、「社会的にも大きな議論になっている。都道府県薬剤師会と協力して実施体制をとれるような整備を進めたい」と述べた。日本医師会、日本産婦人科医会とも連携体制をとり、安全に進めたいとの考え。
山本会長は「使う方のことを考えて対応したい」とするとともに、「緊急避妊薬にだけ限ったことではないが、適正に販売されなければいけないと思っている。そういった意味ではしっかりと対応したい」と述べた。「いろいろな意味で耳目を集めている。使い方を間違えた時に及ぼす影響は大きい」として、受託した場合の責任の大きさへの認識をにじませた。
具体的な内容は事業受託が決定し次第、報告したい考え。
同調査事業は緊急避妊薬のスイッチOTC化を議論している「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」でも提案、了承されていた。検討会では「地域の一部薬局における試験的運用」を提案し、その手法として、一定の要件を満たす特定の薬局に限定し、試行的に女性へ緊急避妊薬(処方箋医薬品)の販売を行うことを通じて、適正販売が確保できるか、代替手段(チェックリスト、リーフレット等の活用)でも問題ないか等を調査解析するモデル的調査研究を委託研究として実施する方法が考えられるとしていた。

【緊急避妊薬の薬局販売】日本薬剤師会が調査事業に入札表明
【2023.08.23配信】日本薬剤師会は8月23日に開いた定例会見で、緊急避妊薬の薬局販売に関する調査事業に入札する意向を表明した。
関連する投稿
【2025.06.02配信】エーザイは6月2日、国内 OTC 医薬品として初めて製造販売承認を取得したプロトンポンプ阻害薬(PPI)である「パリエットS」を発売した。
【日本薬剤師会】夏の参院選へ、「通らなければ何もなくなる」/岩月会長
【2025.05.28配信】日本薬剤師会は5月28日に都道府県会長協議会を開いた。挨拶の中で岩月進会長は、薬剤師業務に大きな影響を与える夏の参院選の厳しい状況について触れ、「通らなければ何もなくなると思わなければいけない」と語気を強めた。
【緊急避妊薬のOTC化】評価検討会議は終結、薬事審議会での承認可否判断へ
【2025.05.23配信】厚生労働省は5月23日、「第32回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催し、緊急避妊薬のスイッチOTC化について議論した。
【日本薬剤師会】緊急避妊薬の調査事業を報告/「世の中の流れはスイッチ化と理解」
【2025.05.22配信】日本薬剤師会(日薬)は5月22日に定例会見を開催した。その中で緊急避妊薬の薬局販売にかかる調査事業について報告した。
【2025.05.15配信】あすか製薬は5月15日、 緊急避妊薬のスイッチ OTC について、製造販売承認申請を行ったと公表した。
最新の投稿
【2025.06.16配信】グラクソ・スミスクラインは6月16日、同社が販売する「フルナーゼ点鼻液」について、年内を目途に販売を中止することを公表した。
【大木ヘルスケアHD】“推し活”キーに医薬品需要に気付き/目薬や喉ケア/秋冬商品提案で
【2025.06.15配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングスは6月11日に、事業部説明会を開催した。来る6月17日(火)~6月18日(水)にTRC 東京流通センターで開く「2025OHKI秋冬用カテゴリー提案商談会2025 年 OHKI 秋冬用カテゴリー提案商談会」の事前説明会の位置付け。OTC医薬品に関しては、“推し活”市場の拡大を背景に、“推し活”をきっかけに需要に気付きを与える提案を実施することを説明した。
【骨太方針_閣議決定】「高齢化の伸び」に経済・物価動向の増加分を加算
【2025.06.13配信】政府は6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針 2025」、いわゆる骨太方針を閣議決定した。医療・介護に関連しては、「高齢化による増加分に相当する伸びにこうした経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算する」と記載した。これまでは、社会保障関係費の伸びを高齢化の範囲内に抑える方針がとられてきた。薬剤師で参議院議員の神谷政幸氏はXで「税収増を踏まえた経営の安定化や確実な賃上げに繋がる対応がついに反映」と投稿。医療介護業界の声が届いたとの考えを示唆した。
【奈良県薬剤師会】「健康ハートの日 2025」に協賛/気になる“nara”測ろう血圧ポスター作成
【2025.06.12配信】奈良県薬剤師会(後岡伸爾会長)は、「健康ハートの日 2025」に協賛する。
【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査
【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。