「在宅医療における円滑な薬物治療の提供」として、次のように記載した。
在宅患者への薬物治療の提供については、夜間・休日などを中心に、薬剤の投与に必要な医師の指示が得られないことなどにより、訪問看護師が訪問した際に患者が薬剤を入手できていないなど、患者の症状変化に対する迅速な薬物治療を受けられない場合があるとの声がある。在宅医療の実施状況については地域により異なることも踏まえつつ、在宅患者が適時に必要な薬剤(薬局では取り扱っていないことがあると指摘されている種類の輸液等を含む。)を入手できないことがないよう、次の措置を講ずる。
a 厚生労働省は、医師から特定の患者に対する診療について包括的指示を受けた看護師(当該包括的指示に特定の薬剤の投与が含まれる場合に限る。)が夜間・休日を含め必要時に、医師に連絡がつかない事例や、在宅で看護師の同席の下で患者に対してオンライン診療(D to P with N)を行う場合など看護師が医師と別の場所にあって、かつ、医師が医療機関外で処方箋を円滑に発行できない事例が存在するとの指摘を踏まえ、在宅患者が適時に必要な薬剤を円滑に入手可能とする観点から、具体的にどのような地域にどの程度の頻度でどのような課題があるかについて現場の医師、薬剤師、看護師及び患者等に対して調査を行い、必要な対応を検討する。 ※
b 厚生労働省は、在宅患者への薬物治療の提供の実態について、24 時間対応を行うこと等を要件とする地域連携薬局の認定等を取得している薬局の一部において、現実には夜間・休日の調剤が行われていないことがあるとの指摘を踏まえ、必要に応じて実態を調査の上、必要な措置を講ずる。具体的には、地域の薬局において、夜間・休日を含む 24 時間対応が可能となるよう、輪番制の導入や日々の対応薬局の公表等を実施するとともに、その実施状況に応じて、その是正等を図ることの方策も含め、必要な対応を検討する。 ※
c b によっても 24 時間対応が可能な薬局が存在しない地域については、必要に応じて、薬剤師、看護師、患者等に対し具体的な課題を把握するための調査を行った上で、在宅患者に円滑に薬剤を提供する体制の整備に向けて、訪問看護ステーションに必要な薬剤(最低限の数量に限る。)を配置することも含め必要な対応を検討する。 ※
aは令和5年度検討開始、令和6年度結論、bは令和5年度検討・結論、cは令和5年度検討開始、遅くとも令和6年度中に結論とした。

【規制改革答申案】「一定の場合の訪問看護ステーションへの薬剤配置」記載
【2023.06.01配信】政府は6月1日、「第16回 規制改革推進会議」「第58回 国家戦略特別区域諮問会議」を合同開催し、「規制改革推進に関する答申(案)」が公表された。この中に「一定の場合の訪問看護ステーションへの薬剤配置」や「在宅での円滑な点滴交換等」を検討することが記載された。
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