【厚労省_医薬品販売制度検討会】課題に緊急避妊薬での議論指摘、「スイッチ後に対面販売が維持される制度になっていない」

【厚労省_医薬品販売制度検討会】課題に緊急避妊薬での議論指摘、「スイッチ後に対面販売が維持される制度になっていない」

【2023.02.22配信】厚生労働省は2月22日、「第1回医薬品の販売制度に関する検討会」を開催する。資料の中で「要指導医薬品、一般用医薬品等の区分のあり方」などを議論する方向を提示。要指導医薬品の課題として緊急避妊薬のスイッチOTC化の議論にも触れた。「スイッチ後に対面販売が維持される制度になっていない」「受診勧奨をどのように効果的に行うか」などの指摘が出ているとした。今後、計6回開催し、7月をメドにとりまとめを行う方針も示した。


 事務局は「医薬品販売制度検討会の進め方」とした資料の中で、検討内容として「医薬品の販売区分及び販売方法」を挙げ、要指導医薬品や一般用医薬品等の区分のあり方や、濫用等のおそれのある一般用医薬品の適正な販売のための方策、要指導医薬品のオンライン服薬指導のあり方に加え、処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売のあり方を議論する方向を示した。

 加えて、「デジタル技術を活用した医薬品販売業のあり方」も論点とし、薬剤師等による遠隔での情報提供の可能性のほか、管理者による遠隔での店舗管理の可能性、遠隔での情報提供や店舗管理を踏まえた医薬品販売業の許可制度のあり方を議論する。

 「要指導医薬品に係る課題」としては、要指導医薬品は対面販売のみ認められているが、規制改革実施計画において「医療用医薬品においてオンライン服薬指導が可能とされていることを踏まえ、要指導医薬品についてオンライン服薬指導の実施に向けた課題を整理する」こととされていることを紹介。一方で、医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(スイッチOTC評価検討会議議)において緊急避妊薬や片頭痛薬などのスイッチOTC化が検討されている中で、制度的な課題として、スイッチ OTC化後に対面販売が維持される制度になっていないことが、スイッチOTC 化が認められない理由の1つとして指摘されているとした。要指導医薬品から一般用医薬品への移行後、インターネット販売に移行することにより、薬剤師等による受診勧奨をどのように効果的に行うか、また、安易に販売される危険性等が指摘されていることも記載した。

 「処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売」も論点とする。
 「法律で禁止されていない」ことを理由に、原則を逸脱する「医療用医薬品の薬局での販売」を、薬局営業の主たる目的として掲げるいわゆる「零売薬局」が現れ、近年では大規模なチェーン展開を行うなど、販売が拡大してきていることを課題として挙げた。眼科医会からは、副作用の強い(適切に使用しなければ緑内障をおこすおそれがある)ステロイド点眼薬を眼科医の診察を受けずに販売できることに強い危機感を感じている旨の懸念が示されていることも紹介している。
 

この記事のライター

関連する投稿


【2024年5月度OTC薬市場】過去5年間で最も高い実績/外用鎮痛消炎剤が前年比9%増

【2024年5月度OTC薬市場】過去5年間で最も高い実績/外用鎮痛消炎剤が前年比9%増

【2024.06.24配信】インテージヘルスケアは6月24日、「2024年5月度 OTC医薬品(一般用医薬品) 市場概況」を公表した。それによると、2024年5月度のOTC市場は前年比103.8%。5年指数は112.6で、過去5年間で最も高い実績となった。外用鎮痛消炎剤や目薬などが前年を上回った。


【緊急避妊薬】調査事業で購入できたのは15%のみ/市民団体調査

【緊急避妊薬】調査事業で購入できたのは15%のみ/市民団体調査

【2024.06.10配信】市民団体の「緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト」は6月10日、衆議院第一議員会館内で「院内勉強会」を開催した。


【東京都薬剤師会】緊急避妊薬の研究協力薬局を追加募集

【東京都薬剤師会】緊急避妊薬の研究協力薬局を追加募集

【2024.06.07配信】東京都薬剤師会(都薬)は6月7日、定例会見を開いた。


【楽天三木谷氏】“濫用薬”の規制方向「撤回を」/デジタル社会構想会議で表明

【楽天三木谷氏】“濫用薬”の規制方向「撤回を」/デジタル社会構想会議で表明

【2024.04.24配信】デジタル庁は4月24日、第 9 回デジタル社会構想会議を開いた。この中で三木谷浩史氏(楽天グループ株式会社/一般社団法人新経済連盟)は厚労省の進める“濫用薬”の規制方向を撤回するよう意見した。


【規制改革推進会議WG】スイッチOTC促進議論/令和8年末までOTC化目指す成分リスト公開

【規制改革推進会議WG】スイッチOTC促進議論/令和8年末までOTC化目指す成分リスト公開

【2024.03.29配信】内閣府規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ」(WG)が3月28日に開かれ、スイッチOTCの促進について議論された。


最新の投稿


【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【2024.07.25配信】厚生労働省は7月25日に「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催し、体外診断用医薬品の特性を踏まえた制度の見直しについて議論した。その中で「研究等の医療以外の用途を標榜する試薬の提供業者への対応」を議題とした。


【日薬】オーバードーズ問題でマニュアル作成を検討中

【日薬】オーバードーズ問題でマニュアル作成を検討中

【2024.07.24配信】日本薬剤師会は7月24日、都道府県会長協議会を開催した。


【コンソーシアム】大阪市から調剤外部委託で4社8薬局が確認通知受領を公表

【コンソーシアム】大阪市から調剤外部委託で4社8薬局が確認通知受領を公表

【2024.07.19配信】薬局DX推進コンソーシアムは7月19日、大阪市から調剤業務一部委託事業の確認通知を受け取ったと公表した。


【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【2024.07.19配信】日本保険薬局協会は7月19日に開かれた厚労省「第7回 薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で意見書を提出した。「健康サポート薬局、地域連携薬局、地域支援体制加算届出薬局が描く薬局像は、小異こそあれ、分立させるほどの違いはない」とした。


【コスモス薬品】調剤事業、「低収益の調剤の姿になった時」が参入好機との見解

【コスモス薬品】調剤事業、「低収益の調剤の姿になった時」が参入好機との見解

【2024.07.18配信】コスモス薬品は7月18日に2024年5月期決算説明会を開催した。


ランキング


>>総合人気ランキング