【HPKI申請始まる】大手薬局企業も一斉に申請/コスト負担などになお課題

【HPKI申請始まる】大手薬局企業も一斉に申請/コスト負担などになお課題

【2022.09.28配信】2023年1月から開始される電子処方箋に必要となる薬剤師などの資格電子署名であるHPKIの申請が9月26日から開始されている。HPKI以外の民間サービスも検討されているが、万全を期したい大手薬局企業も一斉にHPKIの申請を開始している。


  電子処方箋システムに必要な電子署名は以下の3種類がある。
(a)HPKIカード(HPKIの監査基準を満たす認証局)
(b)民間の電子署名サービス(「適切な外部からの評価」を受けた事業者)
(c)マイナンバーカードによる電子署名(公的個人認証法に基づき電子的な資格確認に対応した「公的個人認証サービス」による電子証明書が発行された場合)

 9月28日時点で運用、料金ともに確定されているのは(a)のHPKIだけであるため、大手薬局企業なども一斉にHPKI申請を開始している。

 (b)の民間サービスについて急激に検討が進んでいる状況だが、ある大手薬局企業関係者は「システム検証などの工程を考えると時間がかかるのではないか」と話し、電子処方箋の受け入れ体制に万全を期すことを最優先に考えると、現状の選択肢はHPKIだとの考えを示す。

 なお、(c)のマイナンバーカードによる電子署名については令和6年度からの開始へ向けてデジタル庁関与の下、進められる見込みだ。この(c)の令和6年度からマイナンバーカードによる電子署名が開始されると、結局、マイナンバーカード利用に集約される見込みとも指摘される。

 日本保険薬局協会や日本チェーンドラッグストア協会はHPKI以外の体制整備を求めてきたが、両協会加盟企業においても当初の動きではHPKI申請となる模様。

 今後のHPKIの発行スケジュールは、「令和5年1月上旬までに管理薬剤師への発行」、「令和5年3月末までに2人目の発行」とされている。複数薬剤師が勤務する店舗においては、「2枚目の発行」に関してスケジュール前倒しが明確になれば引き続きHPKI の申請となる見込みのほか、来年1月までに(b)の「民間サービス」の実装が間に合えば、民間利用につながる可能性も残っている。

 チェーン薬局企業などでは、現状ではHPKI発行費を法人負担とする企業が少なくないため、法人にとっての負担となる。さらに、受け取りは薬剤師本人が都道府県薬剤師会に取りに行く方式であるため、その分の負担も見込まれる。平日の薬剤師会運営時間に行くため、薬剤師の「勤務時間中」となる可能性があり、人件費の負担となる可能性がある。HPKIの発行料金も値下げされており、日本薬剤師会認証局では5年間26,400円(税込、会員価格は19,800円税込)とはしているが、薬局法人では将来的にマイナンバー活用などのさらにコストを抑えた運用にも期待が寄せられている。

 ある薬局法人関係者はHPKIなどの電子署名のコスト負担について、「スタートはHPKIカードしか手段がないので、会社負担にせざる負えない状況。しかし、マイナンバーカードの活用など、安価な手段が出てきた際には再検討となる。本来は薬剤師本人のものであるため、本人負担があるべきだとは思っている」と指摘している。

この記事のライター

関連するキーワード


HPKI 電子処方箋

関連する投稿


【厚労省】事務連絡「重複投薬チェックについて」発出/薬機法の規定根拠に薬局開設者に実施求める

【厚労省】事務連絡「重複投薬チェックについて」発出/薬機法の規定根拠に薬局開設者に実施求める

【2026.07.27配信】厚生労働省は7月23日、事務連絡「電子処方箋管理サービスにおける重複投薬等チェックについて」を発出した。薬機法では薬局の開設者に「当該薬局に従事する薬剤師に、あらかじめ、他の薬剤等の使用の状況等を確認させる必要がある」と規定されていることなどから、当該薬剤師に電子処方箋管理サービスの重複投薬等チェックの実施や患者の過去の薬剤閲覧の同意を取得する体制を整備することを求める。


【厚労省_省令改正へ】重複投薬チェックを薬局開設者の義務に

【厚労省_省令改正へ】重複投薬チェックを薬局開設者の義務に

【2026.07.29配信】厚生労働省は薬局開設者に対し、速やかな調剤結果登録や重複投薬チェックについて、従事する薬剤師に行わせることを義務とする方向だ。省令改正へ向けて、7月28日にはパブリックコメントを開始した。すでに薬機法9条第1項に基づき施行規則が定められており、その規定に追加する。


【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【2025.07.01配信】厚生労働省は7月1日、第7回「医療DX令和ビジョン2030」を開催し、電子処方箋普及の新目標を公表した。


【電子処方箋】院内処方機能のプレ運用開始

【電子処方箋】院内処方機能のプレ運用開始

【2025.01.20配信】厚生労働省は1月23日から、電子処方箋の院内処方登録機能のプレ運用を開始する。


「電子処方箋の誤表示問題」の背景にあるもの/鳥飼幸太氏に聞く<群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授>

「電子処方箋の誤表示問題」の背景にあるもの/鳥飼幸太氏に聞く<群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授>

【2025.01.07配信】2024年12月、厚労省は電子処方箋において処方とは異なる医薬品が薬局側で表示される事例が確認されたとして、いったん電子処方箋の発行を停止、一斉点検に入った。重大な健康被害につながる可能性のある事象だ。確認された事象は、医療機関や薬局が使っている独自コードを、電子処方箋が用いるマスタコードに紐づける際のミスで発生した。問題発生の根本には何があったのか。そして、今後、どのような施策が求められるのか。厚労省の電子処方箋等検討ワーキンググループの構成員でもあり、医療情報学の研究者である鳥飼幸太氏(群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授)に聞いた。


最新の投稿


【日本保険薬局協会】調剤報酬改定影響調査/在総加算2が算定率22.1%→3.3%へ急激

【日本保険薬局協会】調剤報酬改定影響調査/在総加算2が算定率22.1%→3.3%へ急激

【2026.08.06配信】日本保険薬局協会は8月6日に定例会見を開き、「令和8年度調剤報酬改定に係る保険薬局への影響」の調査結果を公表した。在宅分野では、在宅薬学総合体制加算2の算定率が22.1%から3.3%へ大きく低下した。


【日本保険薬局協会】穿刺血を用いる検査薬のOTC化等で要望書

【日本保険薬局協会】穿刺血を用いる検査薬のOTC化等で要望書

【2026.08.06配信】日本保険薬局協会は8月6日に定例会見を開き、「穿刺血を用いる検査薬のOTC化等に関する要望書」を厚生労働省 医薬局長宛に提出したことを説明した。


【薬局倒産】株式会社浅川薬品(長野市)/事業停止、自己破産申請へ

【薬局倒産】株式会社浅川薬品(長野市)/事業停止、自己破産申請へ

【2026.08.06配信】帝国データバンク長野支店によると、株式会社浅川薬品(長野市)は7月31日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。


【OTC類似薬】鎮痛消炎外用薬、慢性かつ重度の変形性膝関節症などの負担増に経過措置

【OTC類似薬】鎮痛消炎外用薬、慢性かつ重度の変形性膝関節症などの負担増に経過措置

【2026.08.05配信】厚生労働省は8月5日、「第4回OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会」を開催。「中間とりまとめ(案)」を提示し了承した。今後、社会保障審議会医療保険部会等に報告し、令和8年秋頃を目途に結論を得る予定。


【健康増進支援薬局】省令案/受診勧奨後の情報提供回数を知事に報告/パブコメ

【健康増進支援薬局】省令案/受診勧奨後の情報提供回数を知事に報告/パブコメ

【2026.08.04配信】厚生労働省は7月31日、健康増進支援薬局などに関する省令案を示し、パブコメを開始した。受診勧奨を行った後に、当該医療機関や連携機関に対して、利用者の相談内容や薬剤及び医薬品に関する情報を提供した回数を知事に報告する事項とする。


ランキング


>>総合人気ランキング