薬価改定の議論は「どのルールを適用するのかについて慎重な議論を」
有澤氏は、薬価調査の内容については了承する考えを示した上で、今後の薬価改定においては慎重な議論を求めた。
「(薬価調査の対応については)おおむね了承する。その中で薬価改定の具体的な内容についての議論は今後ということだが、令和3年度に実施した中間年改定の影響が現場の薬局や医療機関、そして医薬品市場・製薬メーカー・卸などにどのような影響を与えているかを把握しながら、どの範囲を対象とするのか、どのルールを適用するのかについて慎重な議論が必要と考える。必要な資料の準備とスケジューリングをお願いしたい」(有澤氏)と述べた。
「短いサイクルでの薬価改定によって薬局の資産価値は目減り」
加えて、医薬品の供給不安が続いていることを強調し、地域の医薬品供給体制維持への配慮を求めた。
「医薬品の供給不安は現在も続いているところであり、さらに一部の後発医薬品メーカーでは事業再生計画を立てるという報道もある状況だ。薬価調査への影響も懸念しているところだ。市場実勢価格を適切に薬価に反映するという趣旨は理解するが、短いサイクルでの薬価改定によって薬局などの資産価値は目減りしていく。これらについての配慮は必要と考える。この辺りは現場の声を丁寧に拾えるような調査設計をお願いしたい」(有澤氏)とした。
さらに中間年改定では通常の薬価調査とは違うことも強調。
「今回の論点で示されているが薬価調査を令和2年度薬価調査と同様の方法を用いることとしており、薬価調査の内容は通常改定とは異なる内容での調査実施となる。通常改定と差別しているものであるという認識で議論を進めていくものと考える。最後に重ねてになるが、中間年改定は薬局経営などに非常に大きな影響を与えている。地域の医薬品供給体制の崩壊に繋がらないよう丁寧かつ慎重の議論ができる準備をお願いしたい」(有澤氏)とした。