【セイムス運営の富士薬品】相談できる「ヘルスケア会員制度」開始/カウンセリング内容を含めたデジタル推進

【セイムス運営の富士薬品】相談できる「ヘルスケア会員制度」開始/カウンセリング内容を含めたデジタル推進

【2022.04.12配信】「セイムス」などのドラッグストアを展開する富士薬品グループ(本社:埼玉県さいたま市 代表取締役社長:高柳 昌幸氏)は、調剤併設を含むドラッグストアで「ヘルスケア会員制度」を開始する。ヘルスケアカウンセラーが相談に応じる。入会・相談は無料。同社が展開するドラッグストア、配置薬やECサイトなど各チャネルの顧客の会員データベースを一元化し、購買履歴やカウンセリング内容を連携させたデジタル活用を進めていく方針。


 「ヘルスケア会員制度」は、同社が2021年5月から一部店舗においてパイロット運用を行ってきたもの。来店した顧客が気兼ねなく相談できることを目的とした制度で、入会・相談は無料。

 OTC医薬品や健康食品をはじめ、ヘルスケア分野で高い知識・カウンセリング力を持つ担当者(「ヘルスケアカウンセラー」)が、健康や商品に関する悩みのほか、介護や育児など様々な相談に応じる。全国にある富士薬品ドラッグストアグループのドラッグストアで「ヘルスケアカウンセラー」が在籍する店舗のうち、まずは143店において開始した。

 会員制度立ち上げの背景として同社では、カウンセラーを育成してきた実績を挙げる。ヘルスケア、ビューティーケア、ニュートリションケア(栄養管理)の各分野において専門的な知識を持つ専門家(カウンセラー)の育成に注力し、これまで各分野の専門家が合計で約1000人在籍しているという。これらの専門家が健康・美容・食生活などの相談に乗れる一方で、顧客サイドは「忙しいかもしれないから声をかけにくい」「相談していいのか分からない」など、相談を遠慮してしまうケースもあるという。
 そうした背景から、同社では「お客様の心理的な障壁を取り払い、気軽にご相談いただけるよう、来店時にいつでも専門家に相談できるサービスを特典とした会員制度を立ち上げることとした」としている。
 昨年2021年4月には、美容に関する専門家としてビューティーケアカウンセラーが相談に応じる「ビューティーケア会員制度」を開始していた。これに続いて今回、「ヘルスケア会員制度」を立ち上げた格好。

 なお、相談を受ける時間帯は専門家の勤務時間に限る。

 ヘルスケア会員制度では顧客のカウンセリング内容をデータベース化し、継続的にサポートする。「セイムス会員データ」と連携してもらうことで、一般用医薬品の購入履歴を確認しながらより深いカウンセリングを受けることが可能という。

 「ヘルスケア会員制度」対応店舗は、富士薬品ドラッグストアグループの店舗(「セイムス」「アメリカンドラッグ」「ドラッグユタカ」など)でヘルスケアカウンセラーの在籍する国内約500店舗のうち、まずは143店舗において開始し、5月中には約150店舗へと拡大する予定。その後も対応店舗を拡大し、2022年内には約180店舗が対応する見込み。対応店舗については、顧客の近くの店舗で告知しているほか、同社ホームページにも掲載している。

・「ヘルスケア会員制度」対応店舗(2022年4月11日時点)
  URL:https://www.fujiyakuhin.co.jp/data/pdf/202204healthcare.pdf(PDF
・店舗検索サイト:https://www.fujiyakuhin.co.jp/shop/drugstore.php

 同社では、「未病予防に関連するご相談はもちろん、食事や運動など健康増進のご提案や子育て・介護に関するご相談などにも応じる、“身近で気軽に相談できる専門家”による安心と信頼の地域拠点をめざしてまいります」としている。

 同社では、登録販売者の資格を持ち、さらに各分野で専門知識を持つヘルスケアカウンセラー(HCC)、ビューティーケアカウンセラー(BCC)、ニュートリションケアカウンセラー(NCC=管理栄養士の資格を持つ登録販売者)の育成・配属店舗の拡大を推進している。その主な理由として、以下の3点を挙げる。
①情報の取捨選択の負担:
昨今、インターネットの浸透により、様々な情報の取得が可能になった一方で、情報が過多となり、正しい情報や自分に合った情報の取捨選択が難しくなっている。
②身近に相談相手がいない:
昨今の核家族化や地域社会における人間関係の希薄化により、子育てや介護の悩みなどを相談する相手が身近にいないといった、孤立化の負担が社会課題として浮き彫りになっている。
③セルフメディケーションのサポートの必要性:
自分の健康状態や生活習慣に気を配り、不調の際は市販薬を使って病気の予防・治療にあたる「セルフメディケーション」が、医療費の削減や、健康意識の向上の観点から、厚生労働省を中心に推進されている。そして、セルフメディケーションを実践していくためには、薬や健康について知見を持つ人のサポートが有効となる。

 こうした課題に対してドラッグストアの果たす役割は大きいと考え、医者に相談するほどではないけれど、インターネットで情報を取捨選択するより正確な情報を得られる“Google以上、ドクター未満”の専門家体制を構築することとしたという。

 現在、HCCは約500人、BCCは約450人、NCCは約100人在籍している。引き続き、専門家人材の育成を推進していく考え。

 同社はドラッグストアだけでなく、配置薬やECサイトなど、お客様との接点を複数展開している。同社では今後、各チャネルの顧客の会員データベースを一元化し、購買履歴やカウンセリング内容を連携させたデジタル活用を進めていく方針。デジタルとコミュニケーション力を合わせて活用することで、食事や運動による健康増進の提案や、未病予防関連商品の提案など、「身近で何でも相談できる専門家」として顧客に利便性を提供し、健康寿命の延伸と未病予防への貢献を目指す。

 富士薬品は、1930年富山県富山市における配置薬販売業の創業からスタートし、現在では配置薬販売事業に加えて、ドラッグストア・調剤薬局事業、医薬品製造事業、医薬品研究開発事業、医療用医薬品販売事業を展開する複合型医薬品企業。富士薬品グループ全体で日本全国に1370店を展開している。

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