診療報酬改定に関するパブリックコメントに意見を提出したことに関して、協会会長の池野隆光氏は、「店舗数でみることにどういう意味があるのか。(特定の医療機関からの処方箋応需)集中率は分かるが、店舗数に関しては(多店舗法人は)むしろ貢献度が高いと思っているので、(引き下げ方針には)反対していきたい」と話した。
協会が提出した意見書は以下の通り。
■「令和4年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」に関する意見
■ 項目番号: Ⅳ―8 効率性等に応じた薬局の評価の推進
■ 内容: 上記項目の(1) 「調剤基本料について、損益率の状況等を踏まえ、同一グループ全体の処方箋受付回数が多い薬局及び同一グループの店舗数が多い薬局に係る評価を見直す。」
■ 意見: 標記について、次のとおり提出いたします。
1. 薬局の評価あり方に疑問
・ 調剤報酬による薬局の評価は、かかりつけ機能、医療機関との情報連携、在宅医療への対応など薬局の機能に基づき評価されるべきである。
・ 薬局グループ単位の損益率に着目し、処方箋受付け回数や店舗数が多いことを理由とする不公平な評価は理解できない。
・ 特に今回新たに言及されている店舗数は、処方箋受付回数と異なり損益状況とは必ずしも直接の関係がなく、差別的な取扱いは到底容認できない。
2. 「門前から地域へ」との面分業推進政策に逆行
・ 前回令和2年度の「議論の整理」では、特定の医療機関からの処方箋受付回数割合(集中率)が著しく高い薬局に限定され、現行制度でもそのように取り扱われてきた。今回の「議論の整理」では集中率要件が記載されていないが、当該要件は今後も維持されなければならない
◆(参考) 令和2年度「議論の整理」 Ⅱ―10 (4)
「特定の医療機関からの処方箋の受付割合が著しく高く、かつ、処方箋の受付回数が一定程度ある薬局について、医薬品の備蓄の効率性や医療経済実態調査結果における損益率の状況等を踏まえ、調剤基本料の要件を見直す。」
・ 集中率要件のないまま評価の見直し(調剤基本料の減額)の対象を店舗数の多いグループ薬局にまで拡大することは、「面分業」の推進に取り組んできたグループ薬局に事実上のペナルティーを課すことにほかならず、「門前から地域へ」を標榜する国の「患者のための薬局ビジョン」の方針に逆行し、患者ひいては国民の利益を損なうものであり、断固反対する。
3. 特定の業態に対する行政の不当な介入
・ ドラッグストアは、OTC 医薬品の供給とあわせ地域の身近な健康拠点となることをめざして薬局展開を進め、広く生活者の支持を得てきた。
・集中率要件とは無関係に店舗数の多いグループ薬局の調剤報酬を引き下げようとする今回の「議論の整理」は、政策目標から逸脱してまでドラッグストアの業態に対し差別的な取扱いを意図するもので、全く理由がなく、自由な経済活動に対する行政の不当な介入と言わざるを得ない。
4. 調剤報酬の決定プロセスの見直しが必要
・ 調剤報酬を事実上決定する中央社会保険医療審議会に関し、調剤業務を担う幅広い業態の意見が反映されるよう、意思決定の在り方を見直すべきである。
【ドラッグストア協会】調剤報酬改定のパブコメを提出/「集中率」要件未記載に危機感/「面分業へのペナルティ」
【2022.01.21配信】日本チェーンドラッグストア協会は1月21日に会見を開き、診療報酬改定(調剤報酬改定)に関するパブリックコメントに、協会としての見解を提出したことを報告した。特に調剤基本料に関して、これまで記載のあった「集中率」に関する記載がないことに強い抵抗感を示し、「面分業の推進に取り組んできたグループ薬局に事実上のペナルティーを課すことにほかならない」としている。
関連する投稿
【日本保険薬局協会】調剤報酬改定、「地方」に厳しい可能性/影響調査
【2026.09.10配信】日本保険薬局協会は9月10日に定例会見を開き、令和8年度調剤報酬改定の影響調査を公表した。
【ドラッグストア協会】ドラッグストアの調剤規模9.1%増の1兆6586億円に/実態調査公表
【2026.09.01配信】日本チェーンドラッグストア協会は9月1日に定例会見を開き、「2025年度JACDS 実態調査結果」を公表。ドラッグストアの調剤規模については前年比9.1%増の1兆6586億円となった。
【中医協】日本薬剤師会・渡邊副会長、不採算再算定取引の考え方問う/薬局現場で大きくなる「逆ザヤ」問題
【2026.08.27配信】厚生労働省は8月26日、中央社会保険医療協議会(中医協) 薬価専門部会を開き、次期薬価改定へ向けて関係業界からの意見聴取を行った。この中で日本薬剤師会(日薬)副会長の渡邊大記氏は、不採算再算定の取引に関して企業の考え方について質問。流通コストを考慮して欲しいと要望した。
【日本保険薬局協会】調剤報酬改定影響調査/在総加算2が算定率22.1%→3.3%へ急激
【2026.08.06配信】日本保険薬局協会は8月6日に定例会見を開き、「令和8年度調剤報酬改定に係る保険薬局への影響」の調査結果を公表した。在宅分野では、在宅薬学総合体制加算2の算定率が22.1%から3.3%へ大きく低下した。
【厚労省】調剤報酬改定疑義解釈「その10」発出/かかりつけ薬剤師フォローアップ加算についてなど
【2026.07.17配信】厚生労働省は7月17日、令和8年度調剤報酬改定の疑義解釈「その10」を公表した。
最新の投稿
【日本保険薬局協会】調剤報酬改定、「地方」に厳しい可能性/影響調査
【2026.09.10配信】日本保険薬局協会は9月10日に定例会見を開き、令和8年度調剤報酬改定の影響調査を公表した。
【2026.09.09配信】厚生労働省は9月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、“OTC類似薬”に関連する処方箋様式の改正案を示した。「一部保険外療養」の欄を追加する。
【OTC薬協】小学校へ出前授業/『健康教育に関する取り組み from TOKYO』
【2026.09.08配信】日本OTC医薬品協会(会⾧:上原 茂氏)は、『健康教育に関する取り組み from TOKYO』の取り組みに関するニュースリリースを発信した。大田区教育委員会(教育⾧:小黒 仁史氏)の協力のもと、2025年12月~2026年3月にかけて、区立小学校8校の5・6年生約850人を対象に「健康とくすり教室」を実施。取り組みの継続的な定着につなげるため、一般社団法人大田区薬剤師会(会⾧:田中 敏郎氏)および一般社団法人蒲田薬剤師会(会⾧:多田 善幸氏)の協力を得て、実施校の学校薬剤師にも授業を参観してもらったという。
【次世代薬局研究会】特別講演会「医薬品のドラッグロス、バックオーダー(供給不足・出荷調整)を考える」
【2026.09.08配信】次世代薬局研究会は10月18日(日)に特別講演会を開催する。テーマは、「医薬品のドラッグロス、バックオーダー(供給不足・出荷調整)を考える」。講師は日本製薬工業協会(製薬協) 産業政策委員会 委員長の草開義隆氏。
【茨城県薬】県と「性暴力等被害者支援に関する協定書」を締結/薬局等での緊急避妊薬の一般販売開始受け
【2026.09.08配信】茨城県は9月7日、茨城県薬剤師会と「性暴力等被害者支援に関する協定書」を締結したと公表した。茨城県のほか、いばらき被害者支援センター、茨城県産婦人科医会、茨城県医師会、県警察で構成する「性暴力被害者サポートネットワーク茨城」に県薬も参画。県薬は相談窓口の周知や同意に基づく情報提供の役割を担う。