【スギ薬局】「品揃え最適化AI」を共同開発、運用開始/売上を最大化する品揃えを自動作成

【スギ薬局】「品揃え最適化AI」を共同開発、運用開始/売上を最大化する品揃えを自動作成

【2022.01.05配信】スギホールディングスのグループ会社であるスギ薬局は、エクサウィザーズ社と「品揃え最適化AI」を共同開発し、運用を開始した。


売上効率を上げる商品の組み合わせを自動算出できるようにする「品揃えパターン生成」機能と、カットしても売上に影響しづらい商品を決定する「代替可能性分析」機能の2つの機能

 スギ薬局は、エクサウィザーズ(東京都港区、代表取締役社長:石山 洸氏)と「品揃え最適化AI」を共同開発し、運用を開始した。

 小売業において、「最適な品揃えの追求」は売場生産性の向上を図るためだけでなく、より良い顧客体験を提供するために重要な戦略課題。そのためには、日々変化する顧客のニーズや購買行動の変化などに対応した棚割りの作成が必要不可欠となる。しかし、カテゴリーごとに数百ある昇格・降格商品候補の組み合わせを複数の判断条件から決め、売れ行きに応じて商品を入れ替えながらスペース配分を行う同業務は、組み合わせパターンが膨大になるためにマニュアル化しづらく、棚割りの商品の決め方が属人的になることで、売上効率を向上できる組み合わせを実現および再現するのが難しいといった課題があった。

 今回、スギ薬局とエクサウィザーズではこうした課題を解決するため、小売業における売場生産性の向上およびより良い顧客体験の提供を支援する「品揃え最適化AI」を共同開発、スギ薬局で同AIの運用を開始した。

 「品揃え最適化AI」は、数理最適化技術を用いることで膨大な商品数から売上効率を上げる商品の組み合わせを自動算出できるようにする「品揃えパターン生成」機能と、過去の商品の購買情報を基に商品の代替可能性を分析し、カットしても売上に影響しづらい商品を決定する「代替可能性分析」機能の2つの機能により、小売業の目線に立った「最適な品揃えの追求」を実現する。

品揃えパターン生成AIによりスギ薬局の売上増加および業務標準化の実現を見込む

 今回の導入にあたり、スギ薬局においてシミュレーションを実施した結果、全国約1450店舗の利用客の購買行動や地域特性を踏まえて、多くの商品カテゴリーとそれぞれのカテゴリー単位ごとに数百におよぶ商品種別から人手で棚割りに向けた品揃えパターンを作成していた業務を本AIにより標準化することで、一定の売上増加が期待できることがわかったという。

 この結果を踏まえ、今後はスギ薬局全店舗において同AIを活用した陳列商品の最適化を行っていく予定。

【品揃え最適化AIシステム概要】
・機能1:品揃えパターン生成
 数理最適化技術を用いて、対象商品リストや売上情報などを元に、売上効率を上げる商品の組み合わせを自動で算出。ドラッグストアをはじめ、小売店で取り扱う多種多様な商品カテゴリーに対応しており、小売業の実際の業務に即した考え方を反映させながら、売場生産性を向上させることができるようになる。

・機能2:代替可能性分析
 対象商品の過去の購買傾向をAIが解析し、類似した商品を特定するとともに、ある商品に対して別の商品を購入する可能性を算出。それによって、カットしても売上が減少しづらい商品構成を実現し、売れ行きが高い商品を増やすなど、売場効率を高める施策が実施できるようになる。

 エクサウィザーズ社は、AIを利活用したサービスによる社会課題解決に取り組む企業で、今後も「品揃え最適化AI」を通じて最適な品揃えの追求および売場生産性の向上を実現することで、小売業におけるより良い顧客体験の実現を支援していきたいとしている。

・株式会社エクサウィザーズ
所在地: 東京都港区東新橋1丁目9−2 汐留住友ビル 21階
設立: 2016年2月
代表者: 代表取締役社長 石山 洸氏
事業内容: AIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決
URL: https://exawizards.com/

この記事のライター

関連する投稿


AIエージェント活用したレセコン・薬歴開発へ/三菱電機デジタルイノベーション

AIエージェント活用したレセコン・薬歴開発へ/三菱電機デジタルイノベーション

【2025.09.10配信】三菱電機デジタルイノベーション株式会社(東京都千代田区、代表取締役 取締役社長:武田 聡氏)は、「AI エージェントが生みだす新たな薬局体験」をコンセプトとし、レセプトコンピュータ(以下「レセコン」)と電子薬歴を融合した「保険薬局向けオールインワンプラットフォーム」の開発に着手したと公表した。本サービスのプロトタイプを、2025年10月12日から開催される「第58回 日本薬剤師会学術大会」に参考出展する予定。


【スギHD】セキ薬品の株式の取得/持分法適用会社化

【スギHD】セキ薬品の株式の取得/持分法適用会社化

【2025.08.19配信】スギホールディングス株式会社は8月19日、埼玉県を中心に調剤併設型ドラッグストアを展開する株式会社セキ薬品の株式(3万7929株、持株比率 34.8%)を取得し、持分法適用会社とすることについて決定し、同日、株式譲渡契約を締結したと公表した。


【スギHD】調剤過誤訴訟で和解

【スギHD】調剤過誤訴訟で和解

【2024.11.23配信】スギホールディングスは11月22日、同社子会社のスギ薬局における調剤過誤訴訟で和解が成立したと公表した。


【スギHD】調剤過誤で民事訴訟

【スギHD】調剤過誤で民事訴訟

【2024.08.28配信】スギホールディングスは8月28日、同社調剤過誤事案において民事訴訟が提起されたと公表した。


【I&H】社長にスギHD取締役副社長の杉浦伸哉氏

【I&H】社長にスギHD取締役副社長の杉浦伸哉氏

【2024.08.27配信】スギホールディングスは、2024年9月2日付で子会社化する予定の I&H 株式会社において、取締役及び監査役候補者を決定した。 I&H の代表取締役社長にスギHD取締役副社長の杉浦伸哉氏が就く。


最新の投稿


【石川県薬剤師会】モバイルファーマシー「お披露目式」/スターリンクを搭載でDX対応

【石川県薬剤師会】モバイルファーマシー「お披露目式」/スターリンクを搭載でDX対応

【2025.10.31配信】石川県薬剤師会は10月31日、モバイルファーマシーお披露目式を開催した。


【東京都・厚労省】11月24日に「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動東京大会」

【東京都・厚労省】11月24日に「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動東京大会」

【2025.10.29配信】東京都薬務課は10月29日に定例会見を開き、令和7年11月24日(月曜日・祝日)13時30分から15時45分まで、令和7年度「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動東京大会」を開催することを説明した。今年は2年に一度の厚労省との共催年で、広い層に関心を持ってもらうため、多彩なタレントを招聘している。


【東京都薬務課】試買で指定薬物検出/前年9品目増の11物品から

【東京都薬務課】試買で指定薬物検出/前年9品目増の11物品から

【2025.10.29配信】東京都薬務課は10月29日、定例会見を開き、試買検査によって11物品から危険ドラッグを検出したことを説明した。9月29日に公表済み。前回公表の昨年11月の検査結果では2物品からの検出であり、薬務課では「11物品からの検出は多く驚いている」としている。今回の結果を受け、今後の試買を適切に行っていく方針。


【敷地内薬局】日医委員、診療所除外規定「削除も含めて検討すべき」/中医協

【敷地内薬局】日医委員、診療所除外規定「削除も含めて検討すべき」/中医協

【2025.10.24配信】厚生労働省は10月24日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「敷地内薬局」を個別事項として議論した。敷地内薬局を巡っては、令和2年度診療報酬改定において従来から存在する医療モールへの配慮として、「ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合を除く」という「ただし書き」で除外規定が設けられていた。しかし昨今、特別な関係のある病院の敷地内にある保険薬局の同一建物に、別途診療所を誘致することで、ただし書きにより、特別調剤基本料Aの対象となることを回避する薬局事例などが問題になっていた。この問題に関連し、日本医師会委員は「ただし書きの削除も含めて検討すべき」と述べた。


【敷地内薬局】日薬「グループ減算含め検討を」/中医協

【敷地内薬局】日薬「グループ減算含め検討を」/中医協

【2025.10.24配信】厚生労働省は10月24日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「敷地内薬局」を個別事項として議論した。この中で日本薬剤師会(日薬)副会長の森昌平氏は前回改定で答申書付帯意見に落ち着いた敷地内薬局の“グループ減算”について、「敷地内薬局問題の改善が見えないのであればこのグループ減算も含め、あらゆる措置を引き続き検討していく必要があると考える」と述べた。


ランキング


>>総合人気ランキング