リテール事業以外が増収
サツドラホールディングスの2022年5月期第2四半期業績(2021年5月16日~2021年11月15日)は、売上高418億6500万円(前年同期比1.7%減)、営業利益2億6600万円(同 1.9%増)、経常利益3億300万円(同 0.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1億7700万円(同 55.2%減)だった。
同社は決算説明動画を配信し、説明にあたった富山浩樹社長は、業績について「減収増益も、いずれも小幅であり、ほぼ横ばいといえる。市況が非常に冷え込む中でほぼ横ばいで推移した」と述べた。受診抑制緩和などによる調剤増収はあったものの、買い溜め需要の反動減でリテール事業は前期比−0.8%の減収となった。ITソリューションでの案件受注や国内QR決済の好調などでリテール事業以外は増収だった。
国内店舗の出退店については、上期に生鮮取り扱い店舗含めて4店舗を出店。インバウンドフォーマット店を中心に4店舗を退店。純増はプラスマイナスゼロで、期末の店舗数200店舗となっている。下期もドラッグストアフォーマットでの出店を計画している。
商品分類別実績では、マスク等衛生用品の買い溜め需要反動減が大きく、ヘルスケアは売上・売上総利益率ともに低下。一方で、 ESLPなどの効果もあり、ビューティケア、ホーム 、フードの売上総利益率は上昇した。
生鮮取り扱いなどラインロビング強化
当期の取り組みについては、改めて「ドラッグストアビジネスから地域コネクティッドビジネスへ」との同社ビジョンを説明。「ドラッグストアを核としながら、ドラッグストアもより生活総合へ、モノだけでなくサービスも提供していく。地域のプラットフォームを利用してヒト・モノ・コトをつないで新たな価値を生み出していく」とした。今期初めには「地域生活総合グループへの進化」を新中期経営計画として掲げていた。「商品カテゴリーの拡大を含めて、新たなサービスについてもワンストップで展開されているという状態を確立していきたい」と述べた。地域共通ポイントカードである「EZOCA経済圏」を拡大しビッグデータを活用していくこと、地域通貨構想も掲げた。自治体や学校、企業と連携し、オープンイノベーションを進展させていくとした。
具体的な商品カテゴリーについては、ラインロビングの強化を標榜。2021年9月にコンセッショナリーを導入した生鮮取り扱い店舗を札幌市内にオープンしたことを紹介。新店だけではなく、改装も通して既存店でのラインロビングも進めていくとした。核商品の育成として、地元企業とのパンの共同開発や、主力PBである超炭酸水を使ったコーラなど、普段使いの独自商品を展開し来店動機につなげている状況を説明した。ESLP(エブリデイ・セイム・ロー・プライス)戦略も推進し、顧客に分かりやすい価格体系を目指しているとした。
地域還元型で生活全般のサービス提供目指す「江差EZOCA」
顧客基盤の拡大については、EZOCA会員が200万人を突破した。ウォーキングアプリの「サツドラウォーク」も1年で10万人のダウンロードを達成。下期にはEZOCAと連携したサツドラアプリをリリースし、販促等に活用する計画だ。
地域と連携し商店街カードから置き換えとなった「江差EZOCA」は関連消費に応じて江差町へ還元される仕組み。ポイントカードだけでなく、EZOCAを軸にしてMaasや健康相談、フィットネスサービスなど生活全般のサービスを提供するモデル地区としての取り組みをスタートしているという。地域振興と相性のよいスポーツ領域での活用も推進しており、コンサドーレとの「コンサEZOCA」を筆頭に、バスケットボールやバレーのクラブとの連携に広がっているという。
コープさっぽろとの提携で物流も効率化
2021年5月より日用品部門とフランチャイズ加盟店契約を締結しているコープさっぽろとの提携状況については、売り場構成含め一体的な運営に着手。食品部門については北海道MD機構での取引拡大を進めバイイングパワーの強化に努める。来年にも本格的な共同取引がスタートする見込みという。コープさっぽろの子会社である北海道ロジサービス社へ倉庫運営を委託し物流の効率化。今後も同社を中心にロジスティクス再構築を進める方針。
2022年 5月期の通期連結業績予想(2021年 5月16日~2022年 5月15日)では、直近に公表されている業績予想からの修正はなく、売上高850億円(対前期増減率2.1%)営業利益7億円(同 9.3%)、 経常利益7億円(同 15.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益2億円(−65.2%)を見込む。
なお、新中期経営計画では、2026年5月期の数値目標として連結売上高1200億円、連結営業利益36億円、営業利益率3.0%を掲げている。