【サツドラHD】コープさっぽろとの食品共同購入、来年にも本格展開/第2四半期決算説明会

【サツドラHD】コープさっぽろとの食品共同購入、来年にも本格展開/第2四半期決算説明会

【2021.12.17配信】サツドラホールディングスは12月17日、2022年5月期第2四半期業績(2021年5月16日~2021年11月15日)の決算説明会動画を配信した。業績は小幅な減収増益で、ほぼ横ばいだった。説明にあたった同社社長の富山浩樹氏は、新中期経営も説明し、生鮮取り扱いなどラインロビング強化のほか、地域還元型で生活全般のサービス提供目指す「江差EZOCA」の進展、コープさっぽろとの食品共同購入を来年にも本格展開することなどを説明した。


リテール事業以外が増収

 サツドラホールディングスの2022年5月期第2四半期業績(2021年5月16日~2021年11月15日)は、売上高418億6500万円(前年同期比1.7%減)、営業利益2億6600万円(同 1.9%増)、経常利益3億300万円(同 0.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1億7700万円(同 55.2%減)だった。
 
 同社は決算説明動画を配信し、説明にあたった富山浩樹社長は、業績について「減収増益も、いずれも小幅であり、ほぼ横ばいといえる。市況が非常に冷え込む中でほぼ横ばいで推移した」と述べた。受診抑制緩和などによる調剤増収はあったものの、買い溜め需要の反動減でリテール事業は前期比−0.8%の減収となった。ITソリューションでの案件受注や国内QR決済の好調などでリテール事業以外は増収だった。

 国内店舗の出退店については、上期に生鮮取り扱い店舗含めて4店舗を出店。インバウンドフォーマット店を中心に4店舗を退店。純増はプラスマイナスゼロで、期末の店舗数200店舗となっている。下期もドラッグストアフォーマットでの出店を計画している。

 商品分類別実績では、マスク等衛生用品の買い溜め需要反動減が大きく、ヘルスケアは売上・売上総利益率ともに低下。一方で、 ESLPなどの効果もあり、ビューティケア、ホーム 、フードの売上総利益率は上昇した。

生鮮取り扱いなどラインロビング強化

 当期の取り組みについては、改めて「ドラッグストアビジネスから地域コネクティッドビジネスへ」との同社ビジョンを説明。「ドラッグストアを核としながら、ドラッグストアもより生活総合へ、モノだけでなくサービスも提供していく。地域のプラットフォームを利用してヒト・モノ・コトをつないで新たな価値を生み出していく」とした。今期初めには「地域生活総合グループへの進化」を新中期経営計画として掲げていた。「商品カテゴリーの拡大を含めて、新たなサービスについてもワンストップで展開されているという状態を確立していきたい」と述べた。地域共通ポイントカードである「EZOCA経済圏」を拡大しビッグデータを活用していくこと、地域通貨構想も掲げた。自治体や学校、企業と連携し、オープンイノベーションを進展させていくとした。

 具体的な商品カテゴリーについては、ラインロビングの強化を標榜。2021年9月にコンセッショナリーを導入した生鮮取り扱い店舗を札幌市内にオープンしたことを紹介。新店だけではなく、改装も通して既存店でのラインロビングも進めていくとした。核商品の育成として、地元企業とのパンの共同開発や、主力PBである超炭酸水を使ったコーラなど、普段使いの独自商品を展開し来店動機につなげている状況を説明した。ESLP(エブリデイ・セイム・ロー・プライス)戦略も推進し、顧客に分かりやすい価格体系を目指しているとした。

地域還元型で生活全般のサービス提供目指す「江差EZOCA」

 顧客基盤の拡大については、EZOCA会員が200万人を突破した。ウォーキングアプリの「サツドラウォーク」も1年で10万人のダウンロードを達成。下期にはEZOCAと連携したサツドラアプリをリリースし、販促等に活用する計画だ。

 地域と連携し商店街カードから置き換えとなった「江差EZOCA」は関連消費に応じて江差町へ還元される仕組み。ポイントカードだけでなく、EZOCAを軸にしてMaasや健康相談、フィットネスサービスなど生活全般のサービスを提供するモデル地区としての取り組みをスタートしているという。地域振興と相性のよいスポーツ領域での活用も推進しており、コンサドーレとの「コンサEZOCA」を筆頭に、バスケットボールやバレーのクラブとの連携に広がっているという。

コープさっぽろとの提携で物流も効率化

 2021年5月より日用品部門とフランチャイズ加盟店契約を締結しているコープさっぽろとの提携状況については、売り場構成含め一体的な運営に着手。食品部門については北海道MD機構での取引拡大を進めバイイングパワーの強化に努める。来年にも本格的な共同取引がスタートする見込みという。コープさっぽろの子会社である北海道ロジサービス社へ倉庫運営を委託し物流の効率化。今後も同社を中心にロジスティクス再構築を進める方針。

 2022年 5月期の通期連結業績予想(2021年 5月16日~2022年 5月15日)では、直近に公表されている業績予想からの修正はなく、売上高850億円(対前期増減率2.1%)営業利益7億円(同 9.3%)、 経常利益7億円(同 15.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益2億円(−65.2%)を見込む。

 なお、新中期経営計画では、2026年5月期の数値目標として連結売上高1200億円、連結営業利益36億円、営業利益率3.0%を掲げている。

この記事のライター

関連する投稿


【ツルハHD】調剤の売上構成比11.3%に/調剤粗利率は▲1.0ポイント減/2023年5月期第2四半期決算

【ツルハHD】調剤の売上構成比11.3%に/調剤粗利率は▲1.0ポイント減/2023年5月期第2四半期決算

【2022.12.20配信】ツルハホールディングスは12月20日、2023年5月期第2四半期の連結業績(2022年5月16日~2022年11月15日)について説明会を行った。調剤事業は開局により処方箋枚数が増加し、順調に伸長。調剤売上は対前年同期比108.9%の546億6100万円だった。対売上の構成比は11.3%となった。一方、薬価・調剤報酬改定により調剤事業の粗利率は低下。前年同期の粗利率39.6%から1.0ポイント減となる38.6%となった。


【サツドラHD】子会社のサッポロドラッグストアーの代表取締役異動

【サツドラHD】子会社のサッポロドラッグストアーの代表取締役異動

【2022.08.09配信】サツドラホールディングスは8月9日、 同日開催の定時株主総会及び取締役会において、子会社サッポロドラッグストアーの代表取締役及び取締役の異動を行うことを決議し公表した。


【薬王堂HD】2022年2月期決算/売上+8.8%、営業利益−18.8%/358店舗中、調剤併設4店舗、調剤専門薬局2店舗も「調剤は堅調に推移」

【薬王堂HD】2022年2月期決算/売上+8.8%、営業利益−18.8%/358店舗中、調剤併設4店舗、調剤専門薬局2店舗も「調剤は堅調に推移」

【2022.04.06配信】薬王堂ホールディングスは4月5日、2022年2月期の連結業績(2021年3月1日~2022年2月28日)を公表した。それによると、前期比は売上+8.8%、営業利益−18.8%などだった。同社は358店舗中、調剤併設4店舗、調剤専門薬局2店舗だが、調剤に関して「堅調に推移」したとしている。


【クスリのアオキHD】第3四半期末までに100薬局開設/併設店は460店となり併設率58.1%に/22年5月期第3四半期決算

【クスリのアオキHD】第3四半期末までに100薬局開設/併設店は460店となり併設率58.1%に/22年5月期第3四半期決算

【2022.03.30配信】クスリのアオキホールディングスは3月30日、2022年5月期第3四半期の連結業績(2021年5月21日~2022年2月20日)を公表した。それによると、2022年5月期第3四半期末までにドラッグストア併設調剤薬局を100薬局、新規に開設。ドラッグストア792店舗のうち、調剤薬局併設は460店舗となった。併設率は約6割になる。


【サツドラHD】小売業向け広告プラットフォームの提供開始/サイバーエージェントやAWLと共同開発

【サツドラHD】小売業向け広告プラットフォームの提供開始/サイバーエージェントやAWLと共同開発

【2022.03.23配信】サツドラホールディングスは、小売業向け広告プラットフォーム「Satudora InStore Ads」の提供を開始した。サイバーエージェントやAWLと共同開発したOMOプラットフォーム「リテールコネクト」の一機能で、購買データやサイネージを活用した販促メディアとなっている。「OMO」は、「Online Merges with Offline」の略称で、日本語直訳では「オンラインとオフラインを併合する」という意味で、「ネット上とネット以外の店舗などの垣根を超えたマーケティング概念」のこと。


最新の投稿


【ウエアラブルデバイス】うつ病の再燃予測に貢献するアルゴリズム構築/塩野義製薬、京都大学、奈良先端科学技術大学院大学の共同研究

【ウエアラブルデバイス】うつ病の再燃予測に貢献するアルゴリズム構築/塩野義製薬、京都大学、奈良先端科学技術大学院大学の共同研究

【2023.03.28配信】いわゆるウエアラブルデバイスから収集できる情報を、いかに健康管理に生かすかの研究が各所で進んでいる。そうした取り組みの1つとして、塩野義製薬では京都大学、奈良先端科学技術大学院大学との共同研究により、デジタルデバイスから得られたデータを分析することでうつ病の再燃予測が可能となるアルゴリズム作成に成功した。現在、特許出願中という。3月1日に塩野義製薬が主催した「SHIONOGI DATA SIENCE FES 2023」で、同社データサイエンス部の秦彩乃氏が内容について講演した。同「FES」は、これまで人材育成の側面もあり、同社社内に限定して実施してきたものを、今年は広く公開し、視聴可能とした。


【大阪・吹田市など】「親子健康応援アプリ “すいろぐ”」 の配信開始

【大阪・吹田市など】「親子健康応援アプリ “すいろぐ”」 の配信開始

【2023.03.27配信】吹田市(市長: 後藤圭二氏)は、 国立研究開発法人国立循環器病研究センター (理事長:大津欣也氏)、 興和株式会社 (代表取締役社長: 三輪芳弘氏) 及び一般社団法人日本セルフケア推進協議会 (代表理事: 三輪芳弘)と、四者協定を締結し、子供・子育て世代に対するICT を活用した健康増進に係る実証事業として、3月27日から 「親子健康応援アプリ “すいろぐ”」 の配信を開始する。


【サプライチェーン全体の在庫の可視化】日本IBMが製薬企業・卸などと運用検証を開始

【サプライチェーン全体の在庫の可視化】日本IBMが製薬企業・卸などと運用検証を開始

【2023.03.27配信】日本アイ・ビー・エムは3月27日、サプライチェーン全体の在庫の可視化に関して、4月からプラットフォームの運用検証を開始すると発表した。製薬企業や卸、物流企業が参加・協力する。


【大木製薬】夜用スポットケア「アバンタイム トーンショットクリーム」 3月から女優の奥菜恵さんを店頭販促、Web・SNSのPRに起用

【大木製薬】夜用スポットケア「アバンタイム トーンショットクリーム」 3月から女優の奥菜恵さんを店頭販促、Web・SNSのPRに起用

【2023.03.27配信】大木製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松井 秀正氏)から発売している夜用スポットケア「アバンタイム トーンショットクリーム」は、 3月から女優の奥菜恵さんを店頭販促、Web・SNSのPRに起用した。


【厚労省】連携強化加算の要件の見直し/コロナ治療薬の対応を要件に

【厚労省】連携強化加算の要件の見直し/コロナ治療薬の対応を要件に

【2023.03.27配信】厚生労働省は3月24日付けで事務連絡「調剤報酬点数表における連携強化加算の施設基準等の取扱いについて」を発出し、4月からの要件としてコロナ治療薬への対応などを含めた。適用は4月1日からだが、9月30日までの経過措置も設けている。


ランキング


>>総合人気ランキング