【サツドラHD】ヤマト運輸とパートナー協定で移動販売車拡充

【サツドラHD】ヤマト運輸とパートナー協定で移動販売車拡充

【2023.08.03配信】サツドラホールディングスは7月25日、ヤマト運輸とパートナーシップ協定基本合意書を締結した。これにより、ヤマト運輸の宅配集配車両を活用した移動販売専用車を拡充する。買い物困難者に対する支援として、2022年8月からより多くの商品を出張販売できる環境を構築する。そのほか、両社で行ってきたヤマト運輸の営業所でのサツドラのサテライト店舗を設置の内容も拡充。サツドラが販売するプライベートブランド商品の販売も検討し、小商圏地域における買い物環境支援を強化する。両社が協力し、効率的な物流も実現する。人口減少や少子高齢化をはじめとした様々な社会課題を抱える北海道の課題解決や持続可能な地域社会の実現を目指すとしている。


 サツドラホールディングス株式会社(本社:北海道札幌市、代表取締役社長CEO:富山浩樹氏)とヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:長尾裕氏)は、パートナーシップ協定基本合意書(以下「本協定」)を2023年7月25日に締結。これにより、サツドラHDのグループ会社である株式会社サッポロドラッグストアー(本社:北海道札幌市、代表取締役社長CEO:富山浩樹氏)が運営する店舗と連携し、北海道固有の社会課題解決や持続可能な地域社会の実現を目指すとしている。

7月25日 EZOHUB SAPPORO「HIGUMA HALL」で行われた締結式
(左)  ヤマト運輸株式会社 執行役員 北海道統括 松井克弘氏
(中央左)ヤマト運輸株式会社 代表取締役社長 長尾裕氏
(中央右)サツドラホールディングス株式会社 代表取締役社長CEO 富山浩樹氏
(右)  株式会社サッポロドラッグストアー 執行役員 店舗開発本部 本部長兼 店舗企画部ゼネラルマネージャー 大内秀伸氏

 協定の具体的な取り組み事項としては、4つを掲げている。

 まず1つ目は、「買い物困難者に対する支援」の拡充。
 両社はこれまで、買い物困難者を支援する取り組みとして、ヤマト運輸の奥尻営業所にある宅配集配車両を活用した移動販売専用車を運行。買い物困難者が居住する地区に、サツドラ店舗で取り扱う商品を出張販売する実証実験を行ってきた。
 2023年8月には、移動販売専用車を新規導入。より多くの商品を出張販売できる環境を構築し、買い物困難者に対する支援を拡充していく方針。なお、出張販売の商品は、食品、日用品などで医薬品は除く。

 2つ目は、「小商圏地域における買い物環境支援」。
 両社ではこれまで、少子高齢化に伴い商圏人口が減少している地方部において、生活や買い物環境を支えるために、ヤマト運輸の奥尻営業所をはじめ、北海道内の4つの営業所内に、サツドラのサテライト店舗を設置する実証実験に取り組んできた。
 今後は、サツドラが販売するプライベートブランド商品の販売も検討し、サテライト店舗で取り扱う商品の拡充を進めていく方針。

小商圏地域におけるヤマト運輸営業所内へのサツドラのサテライト店舗を設置も拡充

 加えて、3つ目として、「効率的な物流の実現」も取り組む。
 これまで、サツドラ店舗への商品の納品は、店舗ごとにトラックを手配し、輸送してきた。今回の協定によって、ヤマト運輸の輸配送ネットワークを納品フローの一部で活用することで、生鮮食品を取り扱うサツドラ店舗あての精肉の納品や、サテライト店舗あての納品において、多頻度小ロットでの配送が可能になる。
 これまでサツドラ倉庫から各店へ輸送してきたものを、サツドラ倉庫からヤマト運輸ベースで積み替えを行い、そのあとはヤマト運用が各店へ輸送することも可能になる。

 さらに、4つ目として、オープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」の設置を各店で行うなどし、顧客の利便性を向上する。
 今後、新設されるサツドラ店舗は、あらかじめ「PUDOステーション」の設置が可能なスペースを確保した設計にするほか、サツドラ店舗で荷物を受け取ることができる「店頭受け取りサービス」や、サツドラ店舗での買い上げ商品を北海道内の自宅まで配送する「手ぶらでお買い物便」など、顧客の利便性向上に向けた取り組みを拡充していく。

 そのほかにも、両社の強みを生かしたさらなるサービスの開発を検討し、持続可能な地域社会の実現を目指したいとしている。

 サツドラグループは、中期経営計画において北海道を基点とした「地域に関わるあらゆるヒト・モノ・コトをつなぎ、未来を豊かにする地域コネクティッドビジネス」をビジョンに掲げ、自社の持つ経営資源を活用しビジネスを通じた社会課題解決を図っている。環境や健康、人材育成、魅力発信などにおいて、地域社会の活性化を目的とした包括連携協定を北海道と締結している。
 サツドラグループでは、北海道では人口減少や少子高齢化をはじめとした様々な社会課題を抱えるほか、広大な土地や冬の積雪の影響により、特に地方部では物流網の維持が難しくなる可能性があると指摘。今回の協定の締結を通じ、すでに実施している取り組みだけでなく、新たな取り組みやサービスを開始することで、北海道における持続可能な地域社会の実現に貢献したいとしている。

常呂(ところ)営業所の外観

サツドラのサテライト店舗(常呂営業所内)

この記事のライター

関連する投稿


【サツドラHD】子会社のサッポロドラッグストアーの代表取締役異動

【サツドラHD】子会社のサッポロドラッグストアーの代表取締役異動

【2022.08.09配信】サツドラホールディングスは8月9日、 同日開催の定時株主総会及び取締役会において、子会社サッポロドラッグストアーの代表取締役及び取締役の異動を行うことを決議し公表した。


【サツドラHD】小売業向け広告プラットフォームの提供開始/サイバーエージェントやAWLと共同開発

【サツドラHD】小売業向け広告プラットフォームの提供開始/サイバーエージェントやAWLと共同開発

【2022.03.23配信】サツドラホールディングスは、小売業向け広告プラットフォーム「Satudora InStore Ads」の提供を開始した。サイバーエージェントやAWLと共同開発したOMOプラットフォーム「リテールコネクト」の一機能で、購買データやサイネージを活用した販促メディアとなっている。「OMO」は、「Online Merges with Offline」の略称で、日本語直訳では「オンラインとオフラインを併合する」という意味で、「ネット上とネット以外の店舗などの垣根を超えたマーケティング概念」のこと。


【サツドラHD】士別市と地域活性化で包括連携協定/地元の土木事業企業も参画

【サツドラHD】士別市と地域活性化で包括連携協定/地元の土木事業企業も参画

【2022.03.23配信】サツドラサツドラホールディングスとイトイグループホールディングスは3月22日 、士別市(市長:渡辺 英次氏)との間において、地域活性化等に関する包括連携協定を締結した。イトイグループホールディングスは土木・住宅事業などを手掛ける士別市の地元企業。


【サツドラHD】2022年5月期 第3四半期決算、売上−1.3%/来店頻度減少など影響

【サツドラHD】2022年5月期 第3四半期決算、売上−1.3%/来店頻度減少など影響

【2022.03.23配信】サツドラホールディングスは2022年5月期第3四半期の連結業績(2021年5月16日~2022年2月15日)を公表した。それによると前年同期比は、売上高−1.3%、営業利益+7.5%などだった。前年同期に発生した衛生関連用品などの特需が落ち着くなか、ワンストップショッピングニーズの高まりで客単価は上昇したものの、来店頻度の減少に伴い客数が減少した結果、ドラッグストアフォーマットの売上高は前年同期を下回ったとしている。


【サツドラHD】コープさっぽろとの食品共同購入、来年にも本格展開/第2四半期決算説明会

【サツドラHD】コープさっぽろとの食品共同購入、来年にも本格展開/第2四半期決算説明会

【2021.12.17配信】サツドラホールディングスは12月17日、2022年5月期第2四半期業績(2021年5月16日~2021年11月15日)の決算説明会動画を配信した。業績は小幅な減収増益で、ほぼ横ばいだった。説明にあたった同社社長の富山浩樹氏は、新中期経営も説明し、生鮮取り扱いなどラインロビング強化のほか、地域還元型で生活全般のサービス提供目指す「江差EZOCA」の進展、コープさっぽろとの食品共同購入を来年にも本格展開することなどを説明した。


最新の投稿


【大木ヘルスケアHD】“推し活”キーに医薬品需要に気付き/目薬や喉ケア/秋冬商品提案で

【大木ヘルスケアHD】“推し活”キーに医薬品需要に気付き/目薬や喉ケア/秋冬商品提案で

【2025.06.15配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングスは6月11日に、事業部説明会を開催した。来る6月17日(火)~6月18日(水)にTRC 東京流通センターで開く「2025OHKI秋冬用カテゴリー提案商談会2025 年 OHKI 秋冬用カテゴリー提案商談会」の事前説明会の位置付け。OTC医薬品に関しては、“推し活”市場の拡大を背景に、“推し活”をきっかけに需要に気付きを与える提案を実施することを説明した。


【骨太方針_閣議決定】「高齢化の伸び」に経済・物価動向の増加分を加算

【骨太方針_閣議決定】「高齢化の伸び」に経済・物価動向の増加分を加算

【2025.06.13配信】政府は6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針 2025」、いわゆる骨太方針を閣議決定した。医療・介護に関連しては、「高齢化による増加分に相当する伸びにこうした経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算する」と記載した。これまでは、社会保障関係費の伸びを高齢化の範囲内に抑える方針がとられてきた。薬剤師で参議院議員の神谷政幸氏はXで「税収増を踏まえた経営の安定化や確実な賃上げに繋がる対応がついに反映」と投稿。医療介護業界の声が届いたとの考えを示唆した。


【奈良県薬剤師会】「健康ハートの日 2025」に協賛/気になる“nara”測ろう血圧ポスター作成

【奈良県薬剤師会】「健康ハートの日 2025」に協賛/気になる“nara”測ろう血圧ポスター作成

【2025.06.12配信】奈良県薬剤師会(後岡伸爾会長)は、「健康ハートの日 2025」に協賛する。


【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。


【日本医師会】自公維3党合意に見解公表/病床削減と医療DXに「総論賛同」

【日本医師会】自公維3党合意に見解公表/病床削減と医療DXに「総論賛同」

【2025.06.10配信】日本医師会は6月9日、自由民主党、公明党、日本維新の会の3党合意についての見解を公表した。