12月13日に厚労省医政局経済課は「医療用医薬品の供給不足に係る対応について」との通知を発出していた。全体として3000 品目以上の製品の供給に影響が生じているとする一方、令和3年10月1日時点で出荷停止が生じている製品規格について昨年9月と今年9月の供給量を調査した結果、86%は昨年9月よりも供給量が多く、14%は供給量が減少していたとしていた。供給量が増えていた品目に関しては、製薬企業に「本年末を目途に出荷調整を解除」を要請している。
この通知に対し、安部好弘副会長は「(こうした結果で)在庫の状況がみえてくると現場の不安は少しは解消してくれる」との期待感を示した。「自分の薬局以外の在庫は全くわからないので、一定の情報が出たことは心理的に改善できる効果が期待できる」と述べた。
一方で、懸念も表明。
「調査自体が同一成分でマクロの供給量を調査しており、個別のメーカー・銘柄ごとの過不足が起きている中で、全体として足りていてもすべての企業で解除できるのか、不明な点もある。今後各メーカーで対応した時にどういう反応が起きるのか、実態としてはどうなのか、今後、どういったスキームで対応となるのかなど、蓋を開けてみたらどういう結果になるのかは注目されるところ」とした。
「在庫の状況が明らかになってくることで、何を対応するかがはっきりすると期待している」とした。
起きていることへの感触については、「市場の在庫が循環していないことによって必要以上の流通になっている、だぶついているということがあって、総量が足りなくなっている、オイルショックの時のような心理状態、循環不全になっていることは一因になっている。少しでも改善できればと」(安部副会長)と話した。
【薬剤師会】医療用薬の供給不足の通知に対し「一定の不安解消」「今後を注視」
【2021.12.16配信】日本薬剤師会は12月16日に定例会見を開き、医療用医薬品の供給不足に関する通知に関して見解を述べた。副会長の安部好弘氏は、「自分の薬局の在庫しか見えない中で、在庫量に関する情報が出たことは一定の不安解消につながるものと期待している」と述べた。一方で、「蓋を開けてみて、どのようなことが起こるのか。また、今後はどのようなスキームで行っていくのかなど、今後を注視していきたい」とした。
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