【ドラッグストア協会】政策要望に「緊急避妊薬のスイッチOTC化」

【ドラッグストア協会】政策要望に「緊急避妊薬のスイッチOTC化」

【2021.11.30配信】日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、11月25日に開かれた自民党「予算・税制等に関する政策懇談会」に要望書を提出していた。予算・税制を議論する場ではあったが、要望書はドラッグストア業界を取り巻く事業環境の整備にかかわる内容だった。緊急避妊薬などの医療用医薬品や抗原検査キットなどの検査・診断薬のスイッチOTC化を要望。そのほか、リフィル処方の導入、 ワクチン等接種に向けた薬剤師の注射行為の実現などを求めた。


 日本チェーンドラッグストア協会は11月25日、池野隆光会長名で自由民主党宛に「政策に関する要望書」を提出した。

 要望の背景として、コロナがもたらした影響も加味し、抜本的な変革が必要となっているとしている。要望書では次のように記述している。

 「新型コロナウイルス感染症の拡大によって、我が国における緊急時の医療提供体制は世界にその脆弱性を露呈することとなりました。医療の受け皿が一部の負担に集中し全体として機能しない中、長期にわたる緊急事態宣言の発出は、日本経済に大きな打撃を与えるに至りました。あらためまして、平時における医療体制の充実とともに、緊急時における柔軟な医療提供体制の整備、および生活基盤を脅かすことなく経済活動を継続するための事業環境の構築について、抜本的な変革が必要と認識しております。
 当協会では、医療資源を有効活用することでコロナ禍を経験したわが国の医療体制をさらに充実させ、 緊急時における国民の経済活動を阻むことなく継続するため、以下の項目について要望いたします」


 要望は、「医療提供体制の充実(感染症有事含む)に係る要望」と「日本経済の活性化に係る要望」の2つの柱になっている。

 「医療提供体制の充実(感染症有事含む)に係る要望」では以下の2つを求めた。
1. 検査体制充実等の対応力強化の観点から、
 ◇ 医療用抗原検査キット等検査・診断薬のOTC(一般用医薬品)化
2. 医療人材の確保等の対応力強化の観点から、
◇ ワクチン等接種に向けた薬剤師の注射行為の実現

 「日本経済の活性化に係る要望」では、3つを求めた。
3. 国民皆保険の堅持とセルフメディケーション促進、女性の活躍応援等の観点から、
 ◇ 緊急避妊薬等医療用医薬品のスイッチOTC化
 ◇ 患者の通院にかかる負担を軽減するリフィル処方の導入
4. 行政の効率化を促進する観点から、
 ◇ 都道府県等の行政手続書類における書式の統一化

この記事のライター

関連する投稿


【緊急避妊薬のOTC化】評価検討会議は終結、薬事審議会での承認可否判断へ

【緊急避妊薬のOTC化】評価検討会議は終結、薬事審議会での承認可否判断へ

【2025.05.23配信】厚生労働省は5月23日、「第32回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催し、緊急避妊薬のスイッチOTC化について議論した。


【日本薬剤師会】緊急避妊薬の調査事業を報告/「世の中の流れはスイッチ化と理解」

【日本薬剤師会】緊急避妊薬の調査事業を報告/「世の中の流れはスイッチ化と理解」

【2025.05.22配信】日本薬剤師会(日薬)は5月22日に定例会見を開催した。その中で緊急避妊薬の薬局販売にかかる調査事業について報告した。


【あすか製薬】緊急避妊薬のスイッチOTCの承認申請を公表

【あすか製薬】緊急避妊薬のスイッチOTCの承認申請を公表

【2025.05.15配信】あすか製薬は5月15日、 緊急避妊薬のスイッチ OTC について、製造販売承認申請を行ったと公表した。


【緊急避妊薬】スイッチOTC化に係る調査事業報告書が公表

【緊急避妊薬】スイッチOTC化に係る調査事業報告書が公表

【2025.05.14配信】厚生労働省は5月14日、緊急避妊薬のスイッチOTC化に係る環境整備のための調査事業である「令和6年度 緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業報告書」を公表した。令和5年度事業では購入者の約85%において、服用3~5週間後に産婦人科医を受診しておらず、また、避妊の成否を妊娠検査薬で確認していないなどの課題が抽出されていた。そのため令和6年度事業では妊娠の可能性に関しチェックリストやフロー等の資材を見直し。その結果、課題の改善がみられた。購入者の避妊成否確認については、販売後3~5週間後の調査において、6割が「確認した」と回答しており、また、その他2割も「今後確認する」と回答した。


【ドラッグストア協会】森副会長、「200店舗」などへの波及警戒/調剤報酬改定要望

【ドラッグストア協会】森副会長、「200店舗」などへの波及警戒/調剤報酬改定要望

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日に定例会見を開いた。


最新の投稿


【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査

【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査

【2025.07.10配信】厚生労働省は7月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催し、「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和7年度調査)の調査票案」を提示した。次期調剤報酬改定議論の基礎資料となるもの。


【奈良県議会】薬価制度の抜本的改正を求める意見書を採決/奈良県薬が働きかけ

【奈良県議会】薬価制度の抜本的改正を求める意見書を採決/奈良県薬が働きかけ

【2025.07.02配信】奈良県議会は7月2日、奈良県議会本会議において「薬価制度の抜本的改正を求める意見書」を会派全会一致で採決した。


【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【2025.07.01配信】厚生労働省は7月1日、第7回「医療DX令和ビジョン2030」を開催し、電子処方箋普及の新目標を公表した。


【日本薬剤師会】定時総会会長演述/岩月進会長

【日本薬剤師会】定時総会会長演述/岩月進会長

【2025.06.29配信】日本薬剤師会は6月28・29日に第106回定時総会を開き、その中で岩月進氏が会長演述を行った。


【OTC医薬品の遠隔販売】支援システム構築へ/MG-DX社

【OTC医薬品の遠隔販売】支援システム構築へ/MG-DX社

【2025.06.26配信】株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋氏)の連結子会社である医療AIカンパニー、株式会社MG-DX(本社:東京都渋谷区、代表取締役:堂前紀郎、以下「当社」)は、薬局特化型の接客AIエージェント「薬急便 遠隔接客AIアシスタント」において、OTC医薬品の遠隔販売に特化した新たなシナリオを構築したと公表した。


ランキング


>>総合人気ランキング