【東京都薬剤師会】地域連携薬局で調査/「届け出したい気持ちはある」71%/ハードルの最多は「月30回報告」

【東京都薬剤師会】地域連携薬局で調査/「届け出したい気持ちはある」71%/ハードルの最多は「月30回報告」

【2021.10.08配信】東京都薬剤師会(都薬)は10月8日に定例会見を開き、会員薬局に対して認定薬局制度である地域連携薬局に関する意識調査を行い、結果を報告した。その結果、すでに申請済は6.4%だったが、「届け出したいが満たしていない項目がある」が71%だった。一方、申請に向けて難しい項目になっている最多は「月30回」の医療機関などへの報告。また、地域ケア会議への参加についても64.4%が参加できていなかった。地域ケア会議については参加が絞られているなどの難しさもあるとの声もあるという。今後、都薬では「厳しいから取れないではなく、できているなら取れるようにしていきたい」として、会員薬局支援や行政との調整をしていきたいとした。


 「地域連携薬局についての現状と意識調査」を行った。

 その結果、申請の方向性については「すでに地域連携薬局の申請を済ませた」が6.4%、「届け出の予定がある」10.4%、「届け出をしたい気持ちがあるが満たしていない項目がある」71%、「届け出をするつもりはない」11.9%だった。

 各基準でハードルになっている要件については最多が「月30回」の医療機関等への情報提供。
 次が地域ケア会議への出席。地域ケア会議への参加が限定されているなどの問題があるとの声も出ていた。

 都薬としては、「地域連携薬局は地域に必要なもの」として、会員薬局を支援していきたい考え。一方、行政との調整も行い、「基準が厳しいから認可を受けないということではなく、すべきことができているのであれば取得できるようにしていきたい」と話した。

 都薬副会長の髙橋正夫氏は、「地域に必要な薬局とはどのようなものなのか。30回の報告の基準の1つが満たせないからといって、その薬局は地域に必要ではないといえるのかどうか。その代わりとなる基準を設けるような歩み寄りもあってもいいのではないかと思っている」と話した。

 都薬会長の永田泰造氏は「簡単なことではないが、どのような評価が望ましいのか、言い続けたい。そのための今回の調査だ。何とか来年の夏には1000軒を到達しなければいけないと思っている」と話した。

この記事のライター

関連する投稿


【東京都薬剤師会】薬事衛生自治指導、“調剤ポイント”不適178件

【東京都薬剤師会】薬事衛生自治指導、“調剤ポイント”不適178件

【2024.02.09配信】東京都薬剤師会は2月9日の会見で、「薬事衛生自治指導員巡回指導実施件数及び遵守状況について」を報告した。


【東京都薬剤師会】緊急避妊薬の“研修”、申し込み増

【東京都薬剤師会】緊急避妊薬の“研修”、申し込み増

【2024.02.09配信】東京都薬剤師会は2月9日の会見で、同会が主催する緊急避妊薬の調剤に関する研修申込が増加している状況を明かした。


【東京都薬剤師会】調剤報酬改定にコメント

【東京都薬剤師会】調剤報酬改定にコメント

【2024.02.09配信】東京都薬剤師会は2月9日に会見を開き、この中で2024年度調剤報酬改定についてコメントした。


【東京都薬剤師会】都薬独自の生涯研修プログラム開始/「t-MYLS」(ティーマイルス)

【東京都薬剤師会】都薬独自の生涯研修プログラム開始/「t-MYLS」(ティーマイルス)

【2023.09.08配信】東京都薬剤師会(都薬)は9月8日、定例会見を開き、都薬独自の生涯学習プログラムを開始したと発表した。


【東京都薬剤師会】新副会長も会見/「自発的な薬剤師の活動支える研修していく」

【東京都薬剤師会】新副会長も会見/「自発的な薬剤師の活動支える研修していく」

【2023.07.07配信】東京都薬剤師会は7月7日に定例会見を開き、新会長の髙橋正夫氏のほか、今期から副会長に就任した一瀬信介氏、髙松登氏、宮川昌和氏、小野稔氏なども参加。髙橋新会長を支えるとともに、管掌業務部のことだけでなく、横のつながりを重視して活動していきたいとの考えを示した。


最新の投稿


【ウエルシアHD】市から受託した特定保健指導を店舗で実施/愛知県蒲郡市など

【ウエルシアHD】市から受託した特定保健指導を店舗で実施/愛知県蒲郡市など

【2024.03.18配信】ウエルシア薬局は3月18日、2024年時点で山形県上山市、埼玉県坂戸市、鶴ヶ島市、静岡県伊豆の国市、愛知県蒲郡市、滋賀県近江八幡市から受託している特定保健指導をドラッグストア店舗において行っているとリリースした。


【厚労省】変更調剤で事務連絡/後発→先発の変更調剤も可能に/供給不安で

【厚労省】変更調剤で事務連絡/後発→先発の変更調剤も可能に/供給不安で

【2024.03.16配信】厚生労働省は3月15日、事務連絡「現下の医療用医薬品の供給状況における変更調剤の取扱いについて」を発出した。医薬品の入手が限定されること等により薬局で必要量が用意できないようなやむを得ない状況においては、後発品から先発品への変更調剤を認めることとした。後発医薬品の銘柄処方において「変更可」の処方箋については、患者から同意を得ることで、先発医薬品を調剤することができるとした。


【厚労省】マイナ保険証・電子処方箋でセミナー/高利用率&支援金ゲットのメソッドをテーマに

【厚労省】マイナ保険証・電子処方箋でセミナー/高利用率&支援金ゲットのメソッドをテーマに

【2024.03.15配信】厚生労働省は令和6年3月22日(金)18:00~19:00、マイナ保険証移行・電子処方箋導入への医療機関・薬局向けセミナーを開催する。サブタイトルは「高利用率&支援金ゲットのメソッドをお伝えします」。開催方法はYouTubeライブ配信。


【インタビュー】“薬剤師”職能からみた24年度調剤報酬改定

【インタビュー】“薬剤師”職能からみた24年度調剤報酬改定

【2024.03.12配信】2024年度調剤報酬改定に関して、“薬局経営”からの意見が報道でも多くなっている。では、“薬剤師職能”からみた改定への意見はどうなのか。改定と薬剤師の職能の関連に注視してきた薬局薬剤師に、匿名でインタビューを受けていただいた。ちなみに“次世代”層といってよい薬剤師の方だ。以下、談話形式。


【薬学生向けイベント】薬学生運営団体と業界紙のコラボ企画開催!「薬剤師のこれからを考える」

【薬学生向けイベント】薬学生運営団体と業界紙のコラボ企画開催!「薬剤師のこれからを考える」

【2024.03.11配信】薬学生が運営する「スクールファルマ」と薬剤師向けの業界紙ドラビズon-lineは2024年4月20日(土)14:00〜15:30、薬学生向けのオンラインイベント「薬剤師のこれからを考える〜飽和時代で求められる薬剤師になるには〜」を開催する。進行は薬学生が行い、フランクに“薬学生が知りたい情報”に寄り添った運営が特長だ。


ランキング


>>総合人気ランキング