新型コロナウイルス感染症の自宅療養者に対する医療支援については、8月17日に、東京都から東京都薬剤師会に協力要請があったもの。
東京都では東京都医師会や東京都訪問看護ステーション協会と連携して医療支援を開始することとした一方、自宅療養患者の診察後、薬剤師による時間外や夜間の調剤対応の整備が求められている。
特に多摩地区では自宅療養患者へのオンライン診療がスタートするが、“モノ”である医薬品の迅速な供給が課題となっている。
会見した同会会長の永田泰造氏は、「都市部はいいが、東京都と一言でいっても多摩地区などでは森林・山間地域もあり、そういった往復に2時間もかかるような地域の自宅療養患者にどのように医薬品を供給していくかには課題がある」と指摘。「薬剤師が一人で勤務している薬局など、依頼があっても、薬局をあけて届けに行ける場合ばかりではない」と難しさも話した。一方で、「何とかしてあげたいという思いを持っている薬剤師、薬局も多く、リスト化をどうしていけばいいのかを検討したい」と話し、会見の翌日、9月4日の地区会長会議で検討を進めるとの意向を示した。
「地域包括ケアの中の薬局の役割を今こそ示すべきだ」(永田会長)と話した。
一方、検討の素地として、8月30日を締め切りにした状況調査を地区薬剤師会を対象に実施した。
地区薬剤師会における自宅療養患者への対応の状況では、「地区医師会が中心になり対応している」との回答が30、「訪問専門医が中心になって対応している」が11、「まだ構築されていない」が11だった。
地区薬剤師会への相談や依頼については、「あった」が34、「なかった」が13だった。
地区薬剤師会での平日夜間・休日対応については、「会の運営薬局(会営・夜間休日薬局等)での対応」が8、「地域割りを行い、会員の薬局で対応(輪番等)」が9、「有志や役員の薬局での対応」が13、「特にこのための対応を考えていない(平時と同様)」が18だった。
そのほかにも対応の自由記述で、下記のような多くの回答が寄せられた。
・対応薬局をリスト化
・会の運営薬局での対応等計画中
・「平日の薬剤配達等業務委託」を行政と契約
・コロナ対応の会員薬局を医師会・保健所で情報共有
・会員薬局のうち、自宅療養者への対応薬局をリスト化、マップと合わせて医師会に情報提供
・夜間・緊急時はバイク便の利用も検討
・訪問に対応可能な薬局をリスト化し、医師会と共有
・今後の需要増加に備え、輪番対応への切り替えを模索中
・医師会と協議し、平日18時、土曜13時まで対応。配薬希望薬局を募集し、近隣エリアの薬局に配薬を依頼
・医療機関より自宅配送できる薬局の照会に管理センターで斡旋対応
・嘔吐・下痢、嚥下困難の患者に点滴および医材の供給
・平日・休日における自宅療養者への対応を調査、地区別集計し、行政・医師会対応
・医療機関からの薬局の依頼に個別で対応
【コロナ自宅療養支援】東京都薬剤師会が薬局リストなど体制整備へ/永田会長「今こそ地域包括ケアでの薬局の役割を示す時」
【2021.09.04配信】東京都薬剤師会は9月3日に定例会見を開き、コロナ自宅療養者への支援のために、対応可能薬局リストをつくるなど、体制を整備する考えを示した。会見した東京都薬剤師会会長の永田泰造氏は、「地域包括ケアの中の薬局の役割を今こそ示すべきだ」と話した。より具体的な対応に関しては、会見翌日の9月4日に地区会長会議を開き、詰める方針。
関連する投稿
【東京都薬剤師会】明治安田生命と協定締結/「大人の塗り絵コンクール」等健康増進で
【2026.09.25配信】東京都薬剤師会は、明治安田生命と健康増進の取り組みに関する連携協定を締結。9月25日に締結式を開いた。
【2026.07.03配信】東京都薬剤師会(都薬)は7月3日に定例会見を開き、「調剤資材供給不安に関する緊急実態調査」の集計結果を公表した。
【東京都薬剤師会】「実務実習におけるハラスメント防止のためのチェックリスト」作成
【2026.06.05配信】東京都薬剤師会(都薬)は6月5日に定例会見を開いた。その中で「実務実習におけるハラスメント防止のためのチェックリスト」を作成したことを説明。活用してほしいと促した。
【東京都薬剤師会】学校薬剤師向け資材作成/薬物乱用防止講習会用
【2026.04.03配信】東京都薬剤師会は4月3日、定例会見を開き、学校薬剤師向けに薬物乱用防止講習会用資材を作成したことを報告した。
【東京都薬剤師会】都市部“開局規制”、M&A対象外で「会員減を危惧」
【2026.02.06配信】東京都薬剤師会(都薬)は2月6日に定例会見を開き、この中で髙橋正夫会長は、次期調剤報酬改定の個別項目、いわゆる短冊において都市部の開局規制と受け取れる項目に関して触れ、会員減少になりかねないとの危惧を示した。
最新の投稿
【厚労省】10月29日に安全対策部会を開催/ロキソニンのリスク区分議論
【2026.10.22配信】厚生労働省は10月29日、薬事審議会「医薬品等安全対策部会」を開き、ロキソニンのリスク区分について議論する。
【神奈川県薬】ルーキーメンバー交流会を開催/学会発表のリアルを知る★若手薬剤師向け情報★
【2026.10.22配信】神奈川県薬剤師会は、薬学生や薬剤師3年目までの方を対象に「ルーキーメンバー交流会」を年に1回開催している。今年度は11月8日に開催。若手が企画まで関わり、今回は学会のポスター発表を経験した先輩薬剤師から発表の「リアル」を学べる内容になっている。
【令和9年度介護報酬改定】日本薬剤師会・山田常務「管理内容」の考慮を/住まいの形態による一律的な取り扱いに慎重姿勢
【2026.10.21配信】令和9年度介護報酬改定における薬剤師による居宅療養管理指導に関しては、「住まいの形態に合わせたサービス提供に係る報酬の在り方」が論点に挙がっている。この論点に関して日本薬剤師会・常務理事の山田武志氏は「住まいの形態」による「一律的」な取り扱いをするのではなく、「必要な薬学管理の内容」などを考慮することを求めた。
【厚労省_安川医薬安全対策課長】RMP活用経験のない薬局「35.0%」に違和感/R8改定で調剤管理料の要件
【2026.10.19配信】厚生労働省 医薬局 医薬安全対策課長の安川孝志氏は、RMP(医薬品リスク管理計画)を活用したことのない薬局が35.0%あるなどの調査結果に対し、活用が調剤報酬上「調剤管理料」の算定要件にもなっていることを踏まえ、疑問を呈した。10月17・18日に開かれた日本薬局学会「学術総会」シンポジウム10、「活用できていますか?最新の医薬品安全性情報 ~これからは『知っている情報』から『使う情報』へ。現況の壁を突破しよう~」で講演したもの。
【2026.10.16配信】厚生労働省は10月16日、改正薬機法のうち、処方箋なしでの医療用医薬品の販売などの省令案についてパブコメを開始した。