【中医協総会】直近6月の経営実態調査を決定/コロナの影響を慎重に分析へ

【中医協総会】直近6月の経営実態調査を決定/コロナの影響を慎重に分析へ

【2012.05.26配信】厚生労働省は5月26日、中央社会保険医療協議会 総会(第480回)を開催し、これまでは直近事業年度ごととしていた医療経済実態調査に関して、今年6月の単月調査を行うことを決定した。新型コロナウイルス感染症の経営への影響を慎重に分析していく方針。


 本格化する診療報酬改定の基礎情報となる医療経済実態調査について、5月26日に開かれた
中医協で直近の今年6月に関して単月調査を実施することを決めた。

 これまでは直近2事業年度の調査としてきたが、新型コロナウイルス感染症が依然として収束していない状況を鑑み、できる限り直近のデータを把握することには意義があるとして6月単月の調査を行うことにしたもの。

 直近のデータである令和3年6月の損益の状況に加え、その比較対象である令和元年6月及び令和2年6月の損益の状況を追加で調査する。


 また、「給与費」については、総額のみの記載ではなく、「賞与」の額を別枠で回答を求める。
 コロナによる経営悪化で賞与を減額している医療機関が少なくないとの意見に対応する。
 
 従来は収束を見込んで、経営の回復状況を調査する意味合いが指摘されて進んできた単月調査の検討だが、結果的に、悪化が見込まれる経営状況を把握する調査となった。

 委員からは、単月調査は回収率が低い傾向があること、さらにはコロナ感染状況を踏まえ、回答できる余力のある医療機関の回答が多くなることが見込まれることなどから、「結果だけでなく、分析も慎重に行うべき」との声が相次いだ。

 委員からは「ワクチン接種の協力によって、通常の業務に影響を及ぼすことも考えられるため、ワクチンの協力体制と経営状況の関係を調査すべきではないか」との意見が出たが、日本医師会はこれに反対。
 日本医師会の委員は、「回答の負担を軽減する意味から今回の調査内容になってきたので、議論を蒸し返すようなことは反対だ」と述べた。

 これに対し、事務局は「ご意見をふまえ、協力体制と経営の関係などについて、医療実態調査に限らず検討したい」と回答した。

 なお、当然のことながら、保険薬局の調査も同様に6月単月、賞与を分けた調査が実施される。

この記事のライター

関連するキーワード


中医協 医療経済実態調査

関連する投稿


【中医協】日薬・森氏、後発薬加算「カットオフ値」の急減店舗の発生を問題視、対応求める

【中医協】日薬・森氏、後発薬加算「カットオフ値」の急減店舗の発生を問題視、対応求める

【2025.04.23配信】厚生労働省は4月23日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。この中で日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、後発医薬品調剤体制加算の要件である「カットオフ値」が急減している店舗があることを説明し、問題視。対応を求めた。


【後発薬調剤割合】「90%以上」の薬局が66.1%に/前年33.3%から倍増/中医協・診療報酬改定結果検証部会

【後発薬調剤割合】「90%以上」の薬局が66.1%に/前年33.3%から倍増/中医協・診療報酬改定結果検証部会

【2025.04.09配信】厚生労働省は4月9日、中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会を開催し、「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和6年度調査)の報告書案」について説明した。このうち、後発医薬品調剤割合について、「90%以上」の薬局が前年の調査から倍増していることがわかった。令和5年度調査では33.3%だったものが、今回の令和6年調査では66.1%となった


【リフィル処方箋】処方箋割合0.07%/令和6年7月時点/中医協・診療報酬改定結果検証部会

【リフィル処方箋】処方箋割合0.07%/令和6年7月時点/中医協・診療報酬改定結果検証部会

【2025.04.09配信】厚生労働省は4月9日、中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会を開催し、「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和6年度調査)の報告書案」について説明した。このうち、リフィル処方箋に関連して、リフィル処方箋の割合は令和6年7月診療分で0.07%だったとのデータを示した。


【リフィル処方箋】地域支援体制加算との関連データ提示/中医協・診療報酬改定結果検証部会

【リフィル処方箋】地域支援体制加算との関連データ提示/中医協・診療報酬改定結果検証部会

【2025.04.09配信】厚生労働省は4月9日、中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会を開催し、「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和6年度調査)の報告書案」について説明した。このうち、リフィル処方箋に関連して、地域支援体制加算、およびかかりつけ薬剤師指導料との関連データが提示された。


【厚労省_中医協】“国産原薬”の薬剤について薬価上の措置が中長期的課題に浮上

【厚労省_中医協】“国産原薬”の薬剤について薬価上の措置が中長期的課題に浮上

【2025.03.12配信】厚生労働省は3月12日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。この中で医薬品の安定供給確保に関連する薬機法改正案について報告された。“国産原薬”の薬剤について薬価上の措置が中長期的課題に浮上している。


最新の投稿


【日本薬剤師会】京都学術大会のオンデマンド配信を追加募集/PECS付与対象

【日本薬剤師会】京都学術大会のオンデマンド配信を追加募集/PECS付与対象

【2025.10.22配信】日本薬剤師会(日薬)は10月22日に定例会見を開き、先ごろ終了した日薬学術大会の「京都大会」のオンデマンド配信を追加募集すると説明した。PECS付与対象となる。


【緊急避妊薬のスイッチOTC】承認取得/あすか製薬、販売元は第一三共HC

【緊急避妊薬のスイッチOTC】承認取得/あすか製薬、販売元は第一三共HC

【2025.10.20配信】あすか製薬ホールディングスは10月20日、子会社のあすか製薬が緊急避妊薬「ノルレボ」の製造販売承認を取得したと公表した。承認取得を受け、第一三共ヘルスケアが同品の販売元として、発売に向けた情報提供体制の整備を進めるという。


【厚労省_疑義解釈】保険薬局との「特別な関係」で/総合入院体制加算及び急性期充実体制加算施設基準

【厚労省_疑義解釈】保険薬局との「特別な関係」で/総合入院体制加算及び急性期充実体制加算施設基準

【2025.10.20配信】厚生労働省は10月20日、令和6年度診療報酬改定に関する「疑義解釈(その30)」を発出した。総合入院体制加算及び急性期充実体制加算の施設基準においては、病院が特定の保険薬局との間で不動産取引等その他の特別な関係があれば、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合でも、「特定の保険薬局との間で不動産取引等その他の特別な関係がない」に該当しないとした。


【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表

【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表

【2025.10.17配信】日本チェーンドラッグストア協会は10月17日に定例会見を開き、調剤報酬改定における「300店舗区分」の見直しを求める声明を公表した。


【日薬・NPhA・JACDS】「安心を守る」薬剤師の役割で共同広告

【日薬・NPhA・JACDS】「安心を守る」薬剤師の役割で共同広告

【2025.10.16配信】公益社団法人日本薬剤師会(日薬)、一般社団法人日本保険薬局協会(NPhA)、一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の3団体は、「国民の健康維持・増進を支援する」ため、薬剤師の役割と機能を広く発信する共同広告企画を実施する。