【薬王堂HD】PCR検査、店舗敷地内の検体受付スポットモデル。他社との協業で全国展開も視野

【薬王堂HD】PCR検査、店舗敷地内の検体受付スポットモデル。他社との協業で全国展開も視野

【2020.12.23配信】薬王堂ホールディングスは12月21日に「岩手県矢巾町成人式開催に係るPCR検査実施に関して」会見を開き、動画配信した。1月10日の同町成人式に向け、関係者約300人にPCR検査を実施する。PCR検査機関がセルスペクト・衛生検査所、PCR検査サービスパックの供給を薬王堂HDが担う。また両社の連携を生かした検査キットを販売することも発表。同サービスは検体受付スポットを店舗敷地内に設けているのが特長で、外気温度による検査の品質低下防止や、検査報告までの時間を短縮する効果があるという。薬王堂HDは、店舗とセットでのモデルであるため、全国展開に向けては他社と協業する可能性についても言及した。


 会見した矢巾町長の高橋昌造氏は、「町内のイベントが相次いで中止になる中、成人式だけは開催したいという熱い思いで検討を進めてきた」と話した。
 
 成人式の前日にPCR検査を実施し、当日の朝9時までに検査報告をするという。検査結果はスマホで本人が確認できる。PCR検査機関がセルスペクト・衛生検査所、PCR検査サービスパックの供給を薬王堂HDが担う。
 
 高橋町長は、発案が町長自身であることも明かし、「私たちだけではできなかった。セルスペクト社と薬王堂の協力があってできたこと」は話した。検査は町の負担により無料で行われる。
 
 薬王堂HD社長の西郷辰弘氏は、「矢巾町に本社を構える地元企業として協力することになった」と説明した。


 また、薬王堂HDとセルスペクトは12月22日からECで、共同で「新型コロナウイルス PCR 検査サンプリングキット」を販売することを発表。本キットを用いて自宅で唾液を採取し、薬王堂店舗敷地内に設置している検体受付スポット(接触感染防止対策)へ持参すると、翌日中に検査結果(電子版)を受け取ることができる。

 今後の展望について説明した薬王堂取締役常務執行役員の西郷孝一氏は、同キットの特長を「受付から検査までの時間は8時間以内で、受付してから検査報告までの時間も6~24時間と短時間での結果報告も特徴の一つ。ここが現在の郵送サービスでは郵送分の時間がかかる。冬になり温度が低下する中、検体受付スポットを利用することで検査の品質も維持できる」と話した。
 さらに、まずは岩手県、東北エリアを中心にサービス展開するが、今後は全国に展開していきたいとした。検体受付スポットを設置する店舗ありきのモデルのため、全国展開にあたっては、他社と協業する可能性もあるとした。
 
 現在、教育機関や自治体、スポーツクラブなどから引き合いがあり、行事・イベントの前後にニーズがあるという。

今後の展望について説明した薬王堂取締役常務執行役員の西郷孝一氏

この記事のライター

関連する投稿


【一般用抗原定性検査キット】コロナ“第11波”で薬局入手困難に

【一般用抗原定性検査キット】コロナ“第11波”で薬局入手困難に

【2024.08.29配信】新型コロナウイルス感染症の“第11波”ともいわれる感染拡大で、一般用抗原定性検査キットが不足している。日本薬剤師会は厚生労働省に対し、不足解消に向けた措置を要望した。


「薬局」の倒産数、コロナ禍が落ち着き減少へ/2022年度は15件/東京商工リサーチ調べ

「薬局」の倒産数、コロナ禍が落ち着き減少へ/2022年度は15件/東京商工リサーチ調べ

【2023.05.23配信】東京商工リサーチは5月23日、「調剤薬局」の倒産件数の調査結果を公表した。コロナ禍で過去最多となる23件を記録した2021年度からは減少し2022年度は15件だった。同社は「今後はオンライン化で淘汰が加速も」と分析している。


【ウエルシアHD】コロナ5類移行後も検査立会を継続

【ウエルシアHD】コロナ5類移行後も検査立会を継続

【2023.05.08配信】ウエルシアホールディングスは5月8日、コロナ5類移行後も検査立会を継続するとリリースした。


【オンライン医療相談や診察】コロナ5類後の継続意向は56.8%/内閣府調査

【オンライン医療相談や診察】コロナ5類後の継続意向は56.8%/内閣府調査

【2023.04.20配信】内閣府は4月19日、「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」を公表した。これまでにも公表しているもので前回は2022年7月22日の公表。今回は「オンライン医療相談や診察」のコロナ5類後の継続意向は56.8%だった。


【厚労省】コロナ5類移行に伴う調剤報酬の取り扱いで事務連絡発出/オンライン服薬指導の“0410通知”のコロナ特例は令和5年7月31日で終了

【厚労省】コロナ5類移行に伴う調剤報酬の取り扱いで事務連絡発出/オンライン服薬指導の“0410通知”のコロナ特例は令和5年7月31日で終了

【2023.04.03配信】厚生労働省は3月31日、事務連絡「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて」を発出した。調剤報酬関連では、コロナ患者への調剤に関わるものでは「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1」(500 点)を継続するほか、店頭でのコロナ薬調剤では「服薬管理指導料」について2倍とする内容を記載。また高齢者施設においても「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1」が算定できる内容。加えて、オンライン服薬指導については、いわゆる“0410通知”の特例を令和5年7月 31 日をもって終了するとした。


最新の投稿


【東京都薬剤師会】緊急避妊薬調査事業、協力医療機関数が250に

【東京都薬剤師会】緊急避妊薬調査事業、協力医療機関数が250に

【2025.02.07配信】東京都薬剤師会は2月7日に定例会見を開いた。この中で、緊急避妊薬販売にかかる環境整備のためのモデル的調査事業の協力医療機関リストを公開した。250の医療機関から協力を得た。


【日本総研】レポート「零売規制の妥当性を問う」公表

【日本総研】レポート「零売規制の妥当性を問う」公表

【2025.02.05配信】日本総研は2月5日、レポート「医薬品『零売』規制の妥当性を問う」を公表した。「処方箋医薬品以外の医薬品はOTC医薬品として薬局で薬剤師が堂々と販売できるようにする」ことが求められているとしている。


【リフィル処方箋動向】2024年6月に最高値/日本システム技術の調査

【リフィル処方箋動向】2024年6月に最高値/日本システム技術の調査

【2025.02.05配信】日本システム技術は2月4日、リフィル処方箋の普及状況に関する調査結果を公表した。それによると、診療報酬改定が施行された2024年6月に医科のリフィル処方率が向上、過去最高となった。改定などの各施策に一定の効果があったことが考えられるとしている。


【日本薬剤師会】第1回「大学教員薬剤師部会」全国会議開催/3月10日に

【日本薬剤師会】第1回「大学教員薬剤師部会」全国会議開催/3月10日に

【2025.02.04配信】日本薬剤師会は2月4日に定例会見を開いた。この中で第1回「大学教員薬剤師部会」全国会議を3月10日に開催すると報告した。


【大正製薬】4月から値上げ/10~20%アップ/目薬「アイリス」シリーズで

【大正製薬】4月から値上げ/10~20%アップ/目薬「アイリス」シリーズで

【2025.02.03配信】大正製薬株式会社(本社東京都豊島区、上原茂社長)は、2025年4月1日出荷分から一部製品の希望小売価格を改定すると公表した。