会見した矢巾町長の高橋昌造氏は、「町内のイベントが相次いで中止になる中、成人式だけは開催したいという熱い思いで検討を進めてきた」と話した。
成人式の前日にPCR検査を実施し、当日の朝9時までに検査報告をするという。検査結果はスマホで本人が確認できる。PCR検査機関がセルスペクト・衛生検査所、PCR検査サービスパックの供給を薬王堂HDが担う。
高橋町長は、発案が町長自身であることも明かし、「私たちだけではできなかった。セルスペクト社と薬王堂の協力があってできたこと」は話した。検査は町の負担により無料で行われる。
薬王堂HD社長の西郷辰弘氏は、「矢巾町に本社を構える地元企業として協力することになった」と説明した。
また、薬王堂HDとセルスペクトは12月22日からECで、共同で「新型コロナウイルス PCR 検査サンプリングキット」を販売することを発表。本キットを用いて自宅で唾液を採取し、薬王堂店舗敷地内に設置している検体受付スポット(接触感染防止対策)へ持参すると、翌日中に検査結果(電子版)を受け取ることができる。
今後の展望について説明した薬王堂取締役常務執行役員の西郷孝一氏は、同キットの特長を「受付から検査までの時間は8時間以内で、受付してから検査報告までの時間も6~24時間と短時間での結果報告も特徴の一つ。ここが現在の郵送サービスでは郵送分の時間がかかる。冬になり温度が低下する中、検体受付スポットを利用することで検査の品質も維持できる」と話した。
さらに、まずは岩手県、東北エリアを中心にサービス展開するが、今後は全国に展開していきたいとした。検体受付スポットを設置する店舗ありきのモデルのため、全国展開にあたっては、他社と協業する可能性もあるとした。
現在、教育機関や自治体、スポーツクラブなどから引き合いがあり、行事・イベントの前後にニーズがあるという。
今後の展望について説明した薬王堂取締役常務執行役員の西郷孝一氏