【自公維・社会保障改革3党協議】次回テーマにOTC類似薬の保険適用除外が決定

【自公維・社会保障改革3党協議】次回テーマにOTC類似薬の保険適用除外が決定

【2025.03.27配信】自公維の社会保障改革に関する3党協議について、次回テーマとしてOTC類似薬の保険適用除外が取り上げられることが決定した。日本維新の会の岩谷良平幹事長が囲み会見で明らかにした。


週1の開催ペースも決定

 岩谷幹事長は3月27日の囲み会見で与党・自民党、公明党と維新の会による社会保障改革に関する3党協議の2回目が行われたことを報告。1回目は顔合わせであり、2回目となった今回は、テーマ決めなどが主な議題だったとした。維新の会としては、OTC類似薬の保険適用除外をテーマとして提案し、第3回目においてOTC類似薬の保険適用除外についてテーマとすることが決定したという。加えて、開催ペースを週1回とすること、メンバーは各党3名を原則とすることなども決定したとした。維新の会としては原則3名としつつもテーマによっては知見を有するメンバーを1名程度加えることについ要望したという。

岩谷幹事長「激しい応酬があった」/与党からは「専門家による論点整理」の要望

 岩谷幹事長は同日開催の協議について、「激しい応酬があった」とした。
 自民党と公明党からは専門家を招いてまず論点整理を行いたいという強い要望があったという。
 しかし、維新の会としては「社会保険料の引き下げはまったなしの直ちに着手しなければならない問題であるため協議の時間を専門家の話を聞くことに割いている場合ではない」として反対したと話した。
 与党から専門家を呼ぶということについて発言が続いたため、維新の会としては、「3党で協議している中で必要があれば、専門家の話がなければこれ以上話が進まないねということになったら3党合意の下で専門家をお呼びするという形を主張した」とした。これについては明確な結論を得たという感触はないという。ただ、少なくとも次回協議で専門家を呼ぶという話にはならなかったとした。

次回は維新の会から改革案を示し協議する方向

 次回、OTC類似薬の保険適用除外のテーマについては、与党の方から、「維新の方から改革案を提案してほしい」と要望があったという。
 これに対し、岩谷幹事長は、「政府の改革工程にも入っていることであるため与党からも案を出してほしい」と要請したが、与党からは「さまざま検討している中で難しいというのが現状で出せない」との回答があったとした。岩谷幹事長からは「であるならばなぜ難しいのか、どこが問題なのか、風邪薬や湿布薬等々のOTC類似薬がなぜ処方箋を用いて保険適用しなければならないのか、そしてそれを除外するのがどんな弊害があるのか、どのような問題があるのかということを示していただきたい」と依頼したという。
 公明党からも「検討しないわけではないが、いろんなパッケージの中で順番に検討している」との回答で、次回に公明党から案を出すという話はなかったとした。
 次回は維新の会から改革案を示し、協議を進める方向。

維新の会は企業団献金の協議も提案、与党は「この協議体のテーマではない」

 維新の会からは企業団体献金について資料を提示したという。維新の会としては「公開ではなくて禁止」「監視ではなくて禁止」「規制強化ではなくて禁止」が必要だという主張であり、「企業団体献金が様々な改革の障害になっているのではないか」と切り出したという。資料は、「各都道府県の医師会の関連組織である医師連盟から日本医師連盟に9.5億円のお金が行き、さらに日本医師連盟から自民党に5.2億円億円のお金が献金されているのではないか」というもの。
 岩谷幹事長は「この社会保障の改革についてもなかなか今まで改革が進んでこなかったのではないか。そのためこの問題も含めてこの協議の場で議論させてもらいたい」と話したという。
 これについて与党からは「今回の協議体のテーマではない」「献金によって政策が歪められているという事実はない」との回答。資料についても持ち帰ってほしいということとなったとした。
 岩谷幹事長は「もしあるテーマについて改革の議論が進まなくなった場合にその原因の一つとしてやはり何かしら既得権があってその既得権を持った組織団体から自民党等に献金が行われていてそれが原因ではないかということが出てきた場合には我々はテーマに関連することとして企業団体献金の問題についても協議の中では触れざるを得ないかなというふうには考えている」と話した。

次回提示の中身は「党内協議を経て決定」

 岩谷幹事長は「次回からが実質的な協議ということになる。年間4兆円の社会保障費を削減し、現役世代を中心として一人年間6万円の社会保険料を引き下げるという我々の目標に向けて来週から厳しい、しかし建設的な既得権におもねらない、そんな議論を戦わせていきたいと考えている」と述べた。

 記者からは、次回の協議で示す改革案の中身についてはどのような方向性かという質問が出た。これについて岩谷幹事長は「党内の社会保障改革会議でさらなる議論を重ねて、さまざまなパターンがあるので、1つに絞って提示するのか、あるいは複数案提示するのか、党内の協議を経て決定し、来週に臨みたい」とした。

零売、猪瀬議員から言及はあったが、次回提案については「党内協議を経て決定」

 加えて記者から「零売は議論になったか」と質問が出ると、岩谷幹事長は「猪瀬議員から言及はあったが議論というまではならなかった。中身の議論は次回以降ということ」と話した。「維新の会からの提案として、零売も視野に入ってくると考えていいか」との質問については、「先ほど申し上げた通り、党内でしっかりとどういった内容での協議を行うか、OTC類似薬を含め、党内の協議を経てから決めたい」と話した。続けて「法案が提出されているがそのあたりの対応も党内で協議か」と質問が出ると、岩谷幹事長は「党内で協議をして決めていく」と回答した。

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