【インタビュー】厚生労働省 保険局 医療課 薬剤管理官 清原宏眞氏 

【インタビュー】厚生労働省 保険局 医療課 薬剤管理官 清原宏眞氏 

【2025.01.30配信】厚生労働省 保険局 医療課 薬剤管理官の清原宏眞氏は本紙インタビューに答えた。 


期中改定では「3ロ」を倍増

 ――まずは期中の診療報酬改定についてお聞きしたいです。長期収載品選定療養や医薬品の供給問題への対応として特定管理指導加算3ロについて、5点から10点へ加点されました。

 清原 選定療養が始まったのが10月1日でした。薬局・薬剤師の皆様にはかなりのご負担をおかけしていますが、それでも当初危惧したような大きな混乱はなく進められているのは、本当に薬局・薬剤師の方々のご尽力だと思っています。
 10月から導入でしたが、11月ごろから関係団体の皆さんが調査を行い、データを出してくれました。そもそも医薬品の供給もままならない中、現場では大変ご苦労されるんだろうとは思っていましたが、ご負担、時間もかかっていることをデータでも示していただけました。期中改定ではありましたが、調剤関連で対応するのであれば、選定療養、医薬品の安定供給確保に関してだろうという、流れができました。

最低薬価引き上げの背景と影響

 ――次に薬価改定についてです。カテゴリーごとの対象範囲については、すでに一部業界紙の取材にお応えされていたので割愛するとしまして、直近の話題としては最低薬価の引き上げですよね。

 清原 インフレ基調になる中で、卸関係者からも低薬価品で欠品が多いという指摘があった中で、上げることとなったものです。今回、およそ3%上げました。
 一方、中医協では1号側委員から「インフレ対応は自動的なものではなく随時、中医協で議論するもの」との釘をさす発言もありました。インフレ対応を自動的にしてしまうと影響が大きいことへの懸念だと思います。引き上げの水準としてはまだまだ低いと思いますが、今後も慎重に議論した上で必要であれば引き上げていくということになると思います。

次回調剤報酬改定含め薬局・薬剤師への期待は

 ――次回調剤報酬改定へ向けては、具体的には中医協での議論になりますが、薬剤管理官として、現状抱いている薬局や薬剤師への思いというのはありますか。

 清原 やはり、地域の中で信頼される存在であってほしいということですね。医薬品のことであれば、地域から「お任せする」と言われる薬局、薬剤師であっていただきたいと思います。
 昨今、高額薬剤も増えてきており、そういった薬剤の在庫が薬局の経営負担にもなります。現実的なこの問題も重いのですが、だからといって「扱っていません」とだけ言って、患者さんがどこに行ったらいいのか、患者さんを迷わせる事態が起こっていてはいけないと思います。そこは“薬局”として構えている以上、例え取り扱いがなかったとしても、例えば「ここに行けば対応いただけます」というところまで、患者さんが迷わないところまでは対応いただきたいなとは思います。
 
 ――その具体策はうっすらとでもイメージはあるのでしょうか。そのほかに今、課題に感じていることはありますか。

<編集部より>
 インタビュー全文は有料版「ドラビズfor pharmacy」にてお届けしております。
 「ドラビズfor pharmacy」の試読・購読お申し込みは下記まで。
https://forms.gle/rGKYwLgwNiBqucPw8

 また今回、記事全文をお読みになりたい方へ当該記事全文をご提供します。 
■【5000字インタビュー】薬剤管理官・清原宏眞氏
https://dgsonline.base.ec/items/98075921

この記事のライター

関連するキーワード


調剤報酬改定

関連する投稿


【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査

【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査

【2025.07.10配信】厚生労働省は7月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催し、「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和7年度調査)の調査票案」を提示した。次期調剤報酬改定議論の基礎資料となるもの。


【日本保険薬局協会】物価・賃上げ分のプラス改定求める/厚労相に要望書提出

【日本保険薬局協会】物価・賃上げ分のプラス改定求める/厚労相に要望書提出

【2025.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定例会見を開き、前日の14日に福岡厚労大臣宛てに「2026 年度診療報酬改定等に関する要望書」を提出したことを説明した。その中で、物価上昇および賃上げ分を含めたプラス改定を求めている。


【日本保険薬局協会】敷地内薬局基本料の変更求める/厚労相に要望書提出

【日本保険薬局協会】敷地内薬局基本料の変更求める/厚労相に要望書提出

【2025.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定例会見を開き、前日の14日に福岡厚労大臣宛てに「2026 年度診療報酬改定等に関する要望書」を提出したことを説明した。その中で、いわゆる敷地内薬局を対象とした基本料である「特別調剤基本料A」に設けられている「7種類以上の内服薬を調剤した場合には薬剤料が90/100 に減算」となる報酬体系を撤廃することを求めている。


【ドラッグストア協会】森副会長、「200店舗」などへの波及警戒/調剤報酬改定要望

【ドラッグストア協会】森副会長、「200店舗」などへの波及警戒/調剤報酬改定要望

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日に定例会見を開いた。


【ドラッグストア協会】300店舗以上、敷地内薬局等への不利益解消を厚労大臣に要望

【ドラッグストア協会】300店舗以上、敷地内薬局等への不利益解消を厚労大臣に要望

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日に定例会見を開いた。


最新の投稿


【スギHD】セキ薬品の株式の取得/持分法適用会社化

【スギHD】セキ薬品の株式の取得/持分法適用会社化

【2025.08.19配信】スギホールディングス株式会社は8月19日、埼玉県を中心に調剤併設型ドラッグストアを展開する株式会社セキ薬品の株式(3万7929株、持株比率 34.8%)を取得し、持分法適用会社とすることについて決定し、同日、株式譲渡契約を締結したと公表した。


【薬局DXコンソーシアム】病院が新たに加盟/社会医療法人 仁厚会

【薬局DXコンソーシアム】病院が新たに加盟/社会医療法人 仁厚会

【2025.08.19配信】薬局DXコンソーシアムに病院が加盟した。社会医療法人 仁厚会が会員となった。


【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【2025.08.08配信】日本薬剤師会が公表した「地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト」。このうちの1つの事項である「地域の医薬品情報の把握・共有の取組」。この実践へ向けて情報共有のためのシステム選定の動きも活発化してきた。こうした中、メディカルシステムネットワーク(MSNW)では、もともと地域薬剤師会と共に開発を進めてきた「LINCLEちいき版」の提案を強化している。すでに10以上の都道府県薬剤師会への提案を進行中だという。


【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【2025.08.08配信】厚生労働省はこのほど、保険調剤「確認事項」(令和7年度改訂版)を公表した。2枚処方箋を受け付けることにより、投薬期間上限を超えるなどの不適切事例を指摘している。


【東京都薬務課_危険ドラッグ】オピオイド受容体に働く成分を新規指定/水際対策の一環

【東京都薬務課_危険ドラッグ】オピオイド受容体に働く成分を新規指定/水際対策の一環

【2025.07.30配信】東京都薬務課は7月30日、定例会見を開き、7月3日に危険ドラッグに指定した成分について説明した。指定した3成分はいずれも興奮、陶酔又は幻覚作用等を有する。すでに厚労省でも医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する大臣指定薬物に指定され、令和7年7月13日をもって施行された。