【薬被連】一般用薬の濫用対策で「専門家が十分関与する制度を」/厚労相に要望書

【薬被連】一般用薬の濫用対策で「専門家が十分関与する制度を」/厚労相に要望書

【2024.08.23配信】全国薬害被害者団体連絡協議会(代表世話人:花井十伍氏)は8月23日、武見敬三厚労大臣に、要望書を提出した。一般用薬の濫用対策では「専門家が十分関与する制度」の構想を求めた。


 要望書は11の柱からなっている。

 このうち、「青少年を中心とした一般用医薬品の乱用対策について」を3番目に掲げた。
 近年、一般用医薬品の過剰投与による健康被害が増加しており、一般用医薬品による依存患者も、2012年から2020年にかけて6倍に増加。高校生を対象としたアンケートの結果によると、60人に一人の割合で過去一年間市販薬乱用の経験があると答えているといったデータを提示。
 その上で、こうした状況は、貧困などさまざまな要因が関係しているとはいえ、2006年薬機法改正で規定した、一般用医薬品販売の専門家関与が遵守されていないばかりか、インターネットで自由に購入できる体制が拡大したことも大きな要因と考えられると指摘。
 
 厚生労働省に対しては、「こうした現状を深く認識し、特に未成年者の安全を守るべく、一般用医薬品の販売に際して専門家が十分関与するような制度を構想してください」と要望している。

「2006年薬機法改正で規定した、一般用医薬品販売の専門家関与が遵守されていない」

 そのほかの柱としては以下を要望している。

1、薬害研究資料館の創設について
2、筋短縮症被害者対策について
4、市販後安全対策の強化について
5、承認条件、リスク管理計画について
6、HPVワクチンへの対応について
7、医薬品副作用被害救済制度の充実について
8、陣痛促進剤による被害の防止について
9、サリドマイドおよび類似薬のリスク管理システムについて
1 0、薬害防止教育の充実について
11、電子カルテの保存義務期間の延長について

 全文は薬被連のホームページで確認できる。
http://hkr.o.oo7.jp/yakugai/kouseisyou/kousei-youbou2024-8.pdf

http://hkr.o.oo7.jp/yakugai/

この記事のライター

関連する投稿


【“濫用薬”】デキストロメトルファン、「直ちに指定を」/嶋根研究班

【“濫用薬”】デキストロメトルファン、「直ちに指定を」/嶋根研究班

【2025.04.15配信】国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所は、「濫用等のおそれのある医薬品の成分指定に係る研究(2024年)」の報告書をホームページに掲載した。


【市販薬の乱用】中学生にも/過去1年間の経験率は1.8%、55人に1人/嶋根研究班

【市販薬の乱用】中学生にも/過去1年間の経験率は1.8%、55人に1人/嶋根研究班

【2025.04.15配信】国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所は、「飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査(2024年)」の報告書をホームページに掲載した。


【衆議院_改正薬機法審議】濱地雅一議員、調剤基本料について「大規模な調剤薬局等について点数を下げていくようなこと、やめていただきたい」

【衆議院_改正薬機法審議】濱地雅一議員、調剤基本料について「大規模な調剤薬局等について点数を下げていくようなこと、やめていただきたい」

【2025.04.07配信】今改正薬機法における初となる国会審議が4月4日、衆議院厚生労働委員会で行われた。この中で濱地雅一議員(公明党)が質疑に立った。


【新経済連盟】薬機法法案の国会提出にコメント/引き続き主張を要望

【新経済連盟】薬機法法案の国会提出にコメント/引き続き主張を要望

【2025.02.13配信】新経済連盟(三木谷浩史代表理事)は2月13日、国会に提出された改正薬機法の法律案について、代表理事としてのコメントを公表した。


【東京都】“濫用薬”ネット販売でルール遵守の形骸化例を確認/監視事業で

【東京都】“濫用薬”ネット販売でルール遵守の形骸化例を確認/監視事業で

【2025.01.28配信】東京都薬事審議会が1月28日に開かれ、薬事監視指導に関連する事業内容について報告があった。


最新の投稿


【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で

【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で

【2025.05.01配信】規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ(第5回)」が5月1日、開催された。その中で令和7年3月14日に開催された「第2回健康・医療・介護 WG」に関する委員・専門委員からの追加質疑・意見に対する厚生労働省の回答を公表した。


【東京都薬務課】健康食品試買調査結果、79%が違反/効能効果の標榜に販売店のチラシなども注意

【東京都薬務課】健康食品試買調査結果、79%が違反/効能効果の標榜に販売店のチラシなども注意

【2025.04.30配信】東京都薬務課は4月30日に定例会見を開き、都が毎年行っている健康食品試買調査の結果を説明した。124製品中、98製品、79%に不適正な表示、広告が発見されたという。医薬品的な効能効果の標榜を禁止している薬機法違反も多いが、景品表示法、食品表示法、特定商取引法などの違反も見られる、都では複数の法律で規制されている健康食品を取り扱う事業者に向けて講習会を開いており、講習会参加なども生かして法令遵守に取り組んでほしいとしている。


【厚労省_疑義解釈(その24)】DX加算のマイナ保険証利用率について

【厚労省_疑義解釈(その24)】DX加算のマイナ保険証利用率について

【2025.04.28配信】厚生労働省は4月25日、診療報酬改定についての「疑義解釈(その24)」を発出した。「医療DX推進体制整備加算」の施設基準の1つであるマイナ保険証利用率について回答。4月については在宅患者を分母から引いて構わないとしている。現在は通常の外来患者がマイナ保険証を利用した場合のみが反映されているため。5月以降については、居宅同意取得型のオンライン資格確認によるマイナ保険証利用件数が社会保険診療報酬支払基金から通 知するマイナ保険証利用率集計に含まれる予定。


【日本薬剤師会】電子お薬手帳ビューワー、他職種への周知を依頼

【日本薬剤師会】電子お薬手帳ビューワー、他職種への周知を依頼

【2025.04.26配信】日本薬剤師会は電子おくすり手帳簡易ビューワーアプリ「e薬 SCAN」について、他職種への周知依頼を都道府県薬剤師会宛てに発出した。


【財政審】 後発薬調剤体制加算等、政策目標の達成状況を踏まえ「必要に応じ報酬体系の再編を」

【財政審】 後発薬調剤体制加算等、政策目標の達成状況を踏まえ「必要に応じ報酬体系の再編を」

【2025.04.23配信】財務省は4月23日に財政制度等審議会「財政制度分科会」を開催した。


ランキング


>>総合人気ランキング