山本信夫会長の会長演述は以下の通り。
日本薬剤師会第 104 回定時総会の開会にあたり、一言申し述べさせて頂きます。
本総会は、この執行部の最終年度に当たります令和5年度に執行した事業に要した費用に係る決算とその執行状況について評価を頂くことと併せて、3月に開催された第 103 回日本薬剤師会臨時総会においてご選任頂いた、次期正副会長予定者を含む新たな執行部の承認を頂く総会です。本年4月から新たに代議員にご就任された方々もいらっしゃると認識しておりますが、慎重な審議をお願い申し上げます。
さて、これまで何回となくこうした場に立って、総会の折に会長演述をして参りましたが、私にとっては今回が最後の会長演述となります。既に新たな執行部予定者が議案として提出されておりますので、舞台を降りる者が施政方針を述べるというのも聊か珍妙でありますが、少しばかり反省を込めて話をさせて頂く事をご容赦願いたいと思います。
平成 26 年、児玉前会長の後を受けて会長に選任を頂きました。その際に、代議員の皆様方に会長に就任出来たらこんなことがしたいと、①他団体や行政との円滑な関係の構築、②政治向きとの円滑な関係の構築、③風通しの良い会務運営、④将来に大きな負担を残さないよう努めるという、大きな4つの目標を挙げました。10 年をかけて他団体・行政との関係や政治向きとの関わり、将来に負担を残さずという 3 つの項目は、多少自画自賛になりますが概ね達成できたものと思います。しかしながら、風通しの良い会務運営については、自身が目指した水準に達するまでに至っていただろうかと思うと、少々悔いが残ります。
この 10 年で薬剤師を取り巻く環境は大きく変化しました。地域医療提供体制を構築する上で、医薬品の地域への適切な供給体制は不可欠な要素で、それを担う薬剤師・薬局に対しては様々な分野から大きな期待が寄せられています。その一方、評価の裏腹で、薬剤師・薬局に向けられる様々な指摘や批判も少なからず聞こえてきます。 1974 年(昭和 49 年)の分業元年から半世紀を経た本年は、これまでの 50 年を振り返り、その都度出くわした様々な2事象に対する日薬の対応を紐解きながら、薬剤師・薬局の業務や社会的使命について再確認し、次の 50 年に向けた第一歩を踏み出す時と思います。古い時代のしっぽを反面教師として、柔軟な思考を持ちつつ根幹は揺るがせにせず、薬剤師の多様性ある未来を目指すために広くアンテナを立て、都道府県薬剤師会や各地域薬剤師会会員の皆様の声を隅々まで収集できるネットワークを活用し、丁寧な状況説明を心掛け、次世代に向けて歩みを進める姿勢を持った日薬が求められているものと思います。甚だ非力で、自身ではこうした視点での会務運営は十分に成し得なかったことは、慙愧に堪えません。
改めて、会長としての 10 年間を支えて頂いた代議員の皆様には心より御礼を申し上げます。また、執行部として会長を支えて下さった役員の皆様、折々に紙面でも叱咤激励を頂いた業界紙の記者の皆様、そして、常に傍にいて我儘な会長をなだめ、おだて、陰に日向に支えてくれた事務局の皆様に、あらためて深甚の御礼を申し上げます。
おわりに、ちょっと格好つけて「 Old soldiers never die. They just fadeaway」と、マッカーサー将軍の言葉を真似て、新執行部のリーダーシップの下、大好きな日薬がこれからも薬剤師の総本山として存在することを確信し、会長演述と致します。ありがとうございました。
【日薬山本会長】最後の会長演述「他団体・行政・政治向きとの関わり、将来への負担を残さず、は概ね達成」
【2024.06.29配信】日本薬剤師会は6月29日に定時総会を開いた。翌日の30日に会長退任を予定している山本信夫会長が最後となる会長演述を行った。
関連する投稿
【独自_3団体トップ鼎談③】「患者のためなのか」を問われた令和8年度調剤報酬改定/日本薬剤師会
【2026.09.27配信】日本薬剤師会(日薬)は、令和8年度調剤報酬改定について「患者のためなのかが問われた改定」との受け止めを明かした。都市部への新規出店に対して減点するとの措置についても、薬局集積について「患者が望んだことなのか」という考え方が成り立つとし、医療リソースの足りていない地域への対応を国として考えていくことの表れだとの見方も示した。日薬が取り組む「地域医薬品提供体制」によって、全国津々浦々に薬剤師のサービスを提供していく必要があると語った。
【2026.09.14配信】日本薬剤師会はこのほど、公式SNSを相次いで開設した。今後、会員や一般の薬剤師から広く意見を募るような参加型の取り組みも試みたいとの考えを示した。
今年の秋は新潟へ! 「第59回日本薬剤師会学術大会」見どころ紹介
【2026.07.24配信】「第59回日本薬剤師会学術大会」が2026年10月11日(日)~12日(月・祝)の2日間、新潟で開催される(大会運営委員長:新潟県薬剤師会会長荻野構一氏)。本記事では同大会の見どころを紹介する。
【日薬学術大会(新潟)会見】「2040年を目指す薬剤師の起爆剤」に/大会長・荻野構一氏(新潟県薬剤師会会長)
【2026.07.22配信】今年10月に開催を予定している日本薬剤師会学術大会(新潟)の会見が開かれた。
【日本薬剤師会】“骨太”記載の“女性の健康”機能強化「日薬としても取り組む」
【2026.07.22配信】日本薬剤師会は7月22日に都道府県薬剤師会の会長協議会を開催した。この中で先ごろ閣議決定した「骨太方針」の内容について説明。記載された女性の健康に関する機能強化について、日薬としても取り組んでいくとの考えを示した。
最新の投稿
【JACDS】NPhAの「中医協“産業側”参画要望」実現へ全面的な支援を表明
【2026.10.09配信】日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の塚本厚志会長は10月9日、本紙の取材に応え、日本保険薬局協会(NPhA)が中央社会保険医療協議会(中医協)の“産業側”委員として参加することを含めた要望書をまとめたことに対し、「全面的に支援したい」との見解を表明した。
【日本保険薬局協会】アイン敷地内薬局裁判めぐり、改めての処分「考えていない」
【2026.10.08配信】日本保険薬局協会は10月8日に定例会見を開いた。
【日本保険薬局協会】中医協への参加要望「2号側でなく“産業”側で」
【2026.10.08配信】日本保険薬局協会は10月8日、定例会見を開き、骨太方針への見解を公表。この中で社会保障審議会の関係部会、および中医協への保険薬局事業者を代表する委員の参画を求めた。
【日本保険薬局協会】骨太方針へ見解表明/「治験支援薬局」にも積極的に取り組む
【2026.10.08配信】日本保険薬局協会は10月8日に定例会見を開催。政府から公表された骨太方針に対する見解を表明した。
【中医協】日薬渡邊副会長、包装単位考慮を要請/全錠出ないと「平均乖離率割っている状況」
【2026.10.07配信】厚生労働省は10月7日に中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会を開き、「令和9年度薬価改定について」を議論した。この中で日本薬剤師会副会長の渡邊大記氏は、改めて製薬産業に対し、販売包装単位への考慮を求めた。