提案書の差替行為、KKR 札幌案件を含め3件
同社は2024年4月18日付けで5名の外部弁護士で構成される調査チームを立ち上げ、類似事案の存否を含め事実関係の調査、原因の究明、再発防止策の策定のために取り組んでいることを公表していた。
このほど、社外調査チームから調査報告書を受領したという。
調査期間は2023年10月5日から 2024年5月1日まで。刑事事件であるため、調査には多大な制約があったとしている。調査期間中、合計44回にわたり、調査チームとしての会議を実施し、その他必要に応じて調査チームの構成員間で会議又は協議を実施したとする。調査対象期間は、調査対象案件のうち最も早い公募年月日である 2017年9月27日から、調査終了日である2024年5月1日まで。関連資料の精査のほか、役職員計 31 名対するヒアリング、メールなどの「デジタル・フォレンジック調査」などを行ったという。
提案内容の変更にわたる提案書の差替えの存在が認められた案件に係る認定事実に関しては、同社またはそのグループ会社が優先交渉権を獲得した国公立病院等が発注者となっている敷地内薬局に係る入札等案件(公募型プロポーザル方式の案件を含む)全40件のうち、KKR 札幌案件を含め3件あった。
敷地内薬局事業に関する内部統制及びコーポレート・ガバナンスの状況については、同社には内部監査室が設置されているものの、敷地内薬局事業における出店のための営業活動に関する法務・コンプライアンスリスクについては、一部の規程やガイドラインに一般的な規定が存在するということを超えて、取締役会での具体的な検討や管理・監督はほとんど行われてこず、業務執行役員ら経営上層部、そして現場上位者においても、かかるリスクの観点からの業務の管理・監督・指導や遂行が組織的になされることもほぼなかったものと認められるとしている。
提案書の差替行為については、場合によっては違法行為と評価されたり、そうでなくとも競合他社からのみならず社会的にも不当・不適切な行為との評価を受け非難を浴びたりする可能性のある事項であるにもかかわらず、経営陣や管理職としての意識不足ないし誤った認識が存在した可能性を指摘せざるを得ないとしている。
再発防止策の提言としては、経営陣・管理職における意識改革等の取組み(“意識”に関する対策)や、内部統制、リスクマネジメントの取組の実効化、マニュアルや業務フローの整備などの“仕組み”に関する対策が必要とした。
なお、同社では社外調査チームの調査結果及び再発防止策の提言に対して、「真摯に受け止め、早急に具体的な再発防止策を策定し、実行に取り組んでまいります」としている。具体的な再発防止策についても、近日中に公表する予定としている。