OTC 薬協は、2022 年度に健康教育プロジェクトを発足させて、小学生や中学生、高校生に向けたヘルスリテラシー向上のための健康教育について、教育現場の調査に基づき検討を進めてきた。
また、OTC薬協では、セルフケア・セルフメディケーション推進策への提言やOTC医薬品・OTC検査薬などの活用に関連する政策について、有識者の意見を聞くアドバイザリーボードを2023年2月に発足しており、ここでも健康教育の在り方についての意見が出ていた。こうした場での意見も踏まえ、一部教材の見直しを行い、手引きと共に公開することとしたもの。
「手引き」では、「くすり教育教材(中学生と高校生向け)」の構成、各章ごとの目的・ねらい、学習のポイントなどをわかりやすく解説しており、学校教育等で活用する場合の参考にできる内容となっている。
公開サイトは以下の通り。
OTC 薬協 WEB サイト 「くすり教育教材(中学生・高校生向け)」~健康教育プロジェクト~
https://www.jsmi.jp/med/education/index.html
主な章立ては以下の通り (中学生・高校生向け)。
1章「健康でいるために」
2章「薬とは」
3章「薬の剤形と特徴」
4章「薬を正しく使うには」
5章「薬の主作用と副作用」
6章「薬の規制」
7章 「ヘルスリテラシーとセルフ メディケーション」
OTC薬協では今後、小学生に対する健康教育支援にも取組み、くすりに係わるあらゆる場(薬物乱用防止教育、くすり教育など)において、健康三原則(栄養、運動、睡眠)に基づく健康教育の定着を目指したいとしている。
また、そのための成功事例づくり、関係者への支援、エビデンスづくりなども併せて行う予定。ヘルスリテラシーの向上による健康で豊かな社会実現のため、短期、長期で取組む課題を整理し、教育現場の実情も加味しながら教育担当者(教諭、養護教諭、学校薬剤師等)の方々へ必要な情報支援を行っていくとしている。
なお、「ヘルスリテラシー」は、健康リテラシーとも呼ばれており、自分に必要な健康情報、医療情報を見極める力のこと。 健康や医療についての情報を入手し、理解し、その情報の確かさを評価し、活 用できる知識力や意欲、能力などを指す。ヘルスリテラシーを向上させることによって、自分の健康増進や疾病予防について正しく判断し、行動することから健やかな心身を作り、生活の質を維持・ 向上させることができる。協会では、医薬品の適正使用と有効性・安全性の知識・理解を深めることは、国民の役割として法律(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する 法律第一条の六)で求められており、ヘルスリテラシー向上のための一歩につながるものとしている。

【OTC薬協】中高生向け教育教材を提供/健康教育支援
【2023.07.24配信】日本OTC医薬品協会(会長:杉本雅史氏、OTC薬協)7月24日、生活者のヘルスリテラシー向上のための健康教育支援と環境整備を目的に、中学生と高校生の教育担当者に向けた「くすり教育教材」とその活用に関する「手引き」の提供を開始した。OTC薬協のWEB サイトに公開したもの。ヘルスリテラシー向上のための健康教育支援と環境整備に着手した。
関連する投稿
【OTC薬協】新会長に上原茂氏(大正製薬社長)/書面で就任所信表明
【2025.05.19配信】日本OTC医薬品協会は5月19日、新会長に上原茂氏(大正製薬社長、大正製薬ホールディングス社長)が就任したと発表した。就任会見は行わず、所信表明である「会長就任のご挨拶」を書面で配信した。
【2025.01.15配信】日本OTC医薬品協会は1月15日、小学校向けに「健康とくすり」の出前授業を行ったと公表した。
【OTC薬協】小学生向けの「くすり教育教材」、今年度に公表へ/「第4回アドバイザリーボード」開催
【2023.12.1配信】日本OTC医薬品協会(OTC薬協)はこのほど、「第 4 回アドバイザリーボード」の開催概要を公表した。小学生向けの「くすり教育教材」について、今年度の公表を目標に準備を進めていくこととしたという。
【OTC薬協】「2040年問題」へ、OTC薬活用を/今後の活動方針など公表/高血圧関連調査も公表
【2023.08.23配信】日本OTC医薬品協会は8月23日に記者会見を開き、このほど策定した協会ポリシーや今後の活動方針などを公表した。「2040年問題」へ向けてOTC薬活用を提言していくことなどが大きな柱。今後、厚労省「医薬品販売制度検討会」など、多彩な場を通して、協会の理念を伝えていく方針。
【OTC薬協】新体制公表/会長に杉本雅史氏 (ロート製薬)/協会会長2度目の登板
【2023.05.22配信】日本OTC医薬品協会は5月22日に会見を開き、正副会長ほかの新体制を公表した。会長に杉本雅史氏 (ロート製薬)が就く。
最新の投稿
【2025.06.16配信】グラクソ・スミスクラインは6月16日、同社が販売する「フルナーゼ点鼻液」について、年内を目途に販売を中止することを公表した。
【大木ヘルスケアHD】“推し活”キーに医薬品需要に気付き/目薬や喉ケア/秋冬商品提案で
【2025.06.15配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングスは6月11日に、事業部説明会を開催した。来る6月17日(火)~6月18日(水)にTRC 東京流通センターで開く「2025OHKI秋冬用カテゴリー提案商談会2025 年 OHKI 秋冬用カテゴリー提案商談会」の事前説明会の位置付け。OTC医薬品に関しては、“推し活”市場の拡大を背景に、“推し活”をきっかけに需要に気付きを与える提案を実施することを説明した。
【骨太方針_閣議決定】「高齢化の伸び」に経済・物価動向の増加分を加算
【2025.06.13配信】政府は6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針 2025」、いわゆる骨太方針を閣議決定した。医療・介護に関連しては、「高齢化による増加分に相当する伸びにこうした経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算する」と記載した。これまでは、社会保障関係費の伸びを高齢化の範囲内に抑える方針がとられてきた。薬剤師で参議院議員の神谷政幸氏はXで「税収増を踏まえた経営の安定化や確実な賃上げに繋がる対応がついに反映」と投稿。医療介護業界の声が届いたとの考えを示唆した。
【奈良県薬剤師会】「健康ハートの日 2025」に協賛/気になる“nara”測ろう血圧ポスター作成
【2025.06.12配信】奈良県薬剤師会(後岡伸爾会長)は、「健康ハートの日 2025」に協賛する。
【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査
【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。