【日本チェーンドラッグストア協会】調剤報酬改定要望を公表/「規模に着目することのない公正な評価を」

【日本チェーンドラッグストア協会】調剤報酬改定要望を公表/「規模に着目することのない公正な評価を」

【2023.05.19配信】日本チェーンドラッグストア協会は5月19日に定例会見を開き、2024年度診療報酬改定(調剤報酬改定)に向けた要望書を公表した。「規模に着目することのない公正な評価」などを求めている。


 協会が公表した要望書は以下の通り。
■2024年度診療報酬改定に向けた要望
ー地域包括ケアの理念の下、在宅を含めた地域住民の健康拠点を目指して ー

厚生労働省保険局長 伊原 和人 様
一般社団法人 日本チェーンドラッグストア協会会長 池野 隆光

 一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会は、2024年度診療報酬改定に関し、別紙のとおり要望します。 御高配方、何卒よろしくお願い申し上げます。

 ドラッグストアは、 地域包括ケアの理念の下、在宅を含めた健康拠点をめざします
 ドラッグストアが経営する薬局は、併設のドラッグストア (医薬品店舗販売業) と一体となることで、調剤による医療用医薬品の提供に加え、 一般用医薬品、 さらには療養・介護に必要な生活用品を取りそろえています。 特に、消費者一般にとって近く便利な場所に立地しており、地域の医療や療養・介護に幅広く貢献しています。 そして、地域支援体制の構築、 在宅医療の推進などの面で、診療報酬上も、また「薬機法」上も様々な機能強化に取り組んでいます。

※この結果、大手を中心に、 地域支援体制加算、かかりつけ薬剤師、無菌製剤処理加算、 特定薬剤管理指導加算等の件数割合は薬局の平均を上回っている。 また、健康サポート薬局数、 地域連携薬局数の割合も平均を大幅に超えている(日本保険薬局協会調査 =23年1月調査 による)。

 また、コロナ感染拡大の渦中にあっては、国や自治体の協力要請を受け、 様々な困難を克服しながらいち早く PCR検査の無料実施や検査キットの特例的販売に取り組み、地域の感染拡大阻止に協力して参りました。 さらに、オンライン資格確認、電子処方箋の導入など薬局DXにも積極的に取り組んでいます。

 日本チェーンドラッグストア協会は、引き続き、国の推進する「地域包括ケアシステム」確立に向け、地域の健康拠点となることを目指し努力してまいる所存です。

1. 薬局機能に基づく適正な評価
 薬局は本来、その果たしている機能に基づき評価されるべきである。 特に近年、「第8次医療計画」にみられるごとく、薬局の一層の機能強化が求められていることからも、医薬品を単に提供するためだけでなく、かかりつけ機能、 医療機関等との情報の連携、在宅医療などの機能を有するかどうかで評価されるべきである。同時に患者やその家族にとってわかりやすい調剤報酬体系が望ましい。

2. 規模に着目することのない公正な評価ー調剤基本料及び地域支援体制加算の是正ー
 しかしながら、現行の調剤報酬は調剤基本料及びこれと連動する地域支援体制加算にみられるごとく、薬局ごとの機能強化の取組とは無関係に、 グループの規模によって著しく異なる要件が設定され、 グループ規模が大きいほど不利益となる報酬体系となっている。

 すなわち、
 地域支援体制加算において、 調剤基本料1以外の薬局では、9つの高い実績要件が設けられ、 調剤基本料 1における実績要件との間には大きな差がある。 実際に服薬情報等提供や在宅医療の機能を果たし、地域医療に貢献していても、 調剤基本料 1以外の薬局では算定できないが、 同水準の実績であっても、 調剤基本料1の薬局であれば算定できるというのは、著しく公正を欠いている。 特に、前回改定で導入された店舗数要件は、必ずしも処方箋枚数に直結しないことから受け入れがたい。

 このような調剤報酬のあり方は、 地域医療への貢献が同等であるにもかかわらず適切に評価されないこととなり、著しく不公正であるばかりか、 機能強化へのインセンティヴに悪影響を及ぼしかねず、また調剤業務の効率性に逆行するものであり、 早急な是正が必要である。

3. 経済状況に対する適切・迅速な措置
 昨今、光熱費を始め薬局経営に必要な諸経費の高騰が著しい。 また、 人手不足の中、従業員の賃金も上昇基調にある。 しかしながら、 保険薬局は、 公的医療保険制度の下で調剤報酬に価格転嫁できない。 このため、次期診療報酬改定においては、 薬局経営に支障が生じることのないよう適切で迅速な所要の措置が必要である。

Ⅱ具体的要望

1. 薬局機能に対する公正な評価
① 規模の大小による薬局評価の廃止(規模が大きい企業に対する差別的扱いの廃止)
② 調剤基本料の区分と地域支援体制加算の連動の廃止

2. 地域支援体制構築の一層の推進
① 処方箋応需に左右される麻薬管理指導実績の地域支援体制加算要件からの削除
② 無菌調剤室設置の評価
③ 医療機関への連絡を含め高度な薬学管理が必要なリフィル処方箋応需に対する評価
④連携強化加算の増額
⑤継続して1年以上在籍の管理薬剤師の育児休業について、数か月後の復帰が確実な場合には当該休業期間中も地域支援体制加算要件を満たしているとみなすこと
⑥ かかりつけ薬剤師不在時の服薬管理指導料の要件緩和
(かかりつけ特例) あらかじめ指名→同一薬局の薬剤師であれば算定可

3. 質の高い在宅医療の推進
①認知症患者に対する服薬指導の適切な評価(加算)
② 間隔が6日以上開かない訪問の評価
③ 医師の在宅訪問同行時の処方提案等の評価
④ 薬局所属の管理栄養士の居宅療養管理指導の評価

4. 後発医薬品の使用の促進
① 金額ベースでは依然として低調な後発医薬品の使用促進に対する適正な評価

5. その他
① 薬機法上の地域連携薬局及び専門医療機関連携薬局の支援
② 一般名処方の拡大
③ 処方箋における変更不可の廃止

Ⅲ 診療報酬決定プロセスの見直し
 診療報酬を事実上決定する中央社会保険医療協議会に関して、調剤を担う業態の幅広い意見が反映されるよう、意思決定の在り方を見直すべきである。

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