保険者における登録は、本来は個人番号の記載がない場合、氏名、生年月日、性別、住所の4情報が一致した場合のみ資格情報として登録することとなっている。しかし、このほど、ある保険者がそれとは異なる方法で作業を行ったために、別の人の情報を資格情報として誤って登録する事案が報道されたという。
今回の件については、事案判明後、直ちに誤った情報が閲覧されない措置がとられるとともに、すでに当該保険者においてデータ修正を行われたとの報告を受けているとする。
こうした資格情報の誤登録については、これまで、同様の事案(保険者において異なる情報が登録された結果、別の方の薬剤情報や医療費通知情報が閲覧された事案)について、件数を報告してきた。令和3年10月~11月末に1件、令和3年12月~令和4年11月末に4件あった。
2月17日にとりまとめられた「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会」の中間取りまとめにおいて、資格取得届における被保険者の個人番号等の記載義務を法令上明確化するほか、 保険者によるデータ登録時に、登録データの全件を住民基本台帳情報と照合(J-LIS照会)するなどのさらなる対策を決定。
4月14日には、通知を改正し、漢字氏名・カナ氏名・生年月日・性別・住所の5情報が一致した場合にのみ資格情報を登録することを保険者に徹底しているとしている。
厚生労働省では 「引き続き、保険者による迅速かつ正確なデータ登録を徹底していく」としている。
なお、「オンライン資格確認における迅速かつ正確なデータ登録の確保 お問い合わせQ&A」として以下を記載している。
Q.オンライン資格確認やマイナポータルにおいて別の方の情報が表示された場合、どこに問い合わせればよいですか?
A.万が一医療機関・薬局で別の方の情報が表示された場合は、国民の方は、
・国民向けマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)か※、
・ご自身が加入されている医療保険の保険者
にお問い合わせいただき、ご相談ください。
(※ 音声ガイダンスに従って「4→2」の順にお進みください)
いずれの場合も、オンライン資格確認等システムの実施機関である社会保険診療報酬支払基金・国保中央会に迅速に連携し、ご本人でない情報が登録されている疑いが高い場合には、直ちにオンライン資格確認等システムの閲覧を停止します。
その後、保険者において事実関係を確認し、誤ったデータが登録されていた場合には、登録データの是正作業を速やかに行います。

【厚労省】オンライン資格確認、保険者による登録方法を徹底周知/誤登録事例受け
【2023.05.16配信】厚生労働省は、オンライン資格確認における資格情報の誤登録事例を受け、保険者における登録方法の徹底を周知している。保険者による資格情報が本来の方法とは異なる方法で登録されたことが今回の事例の背景だと説明している。
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