すでに昨年12月1日に開催された厚労省「薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会」で「濫用等のおそれのある医薬品」の範囲拡大が了承されていた。
具体的な見直し内容は以下の通り。
現行→改正
1.エフェドリン→エフェドリン
2. コデイン (鎮咳去痰薬に限る。)→コデイン
3. ジヒドロコデイン (鎮咳去痰薬に限る。)→ ジヒドロコデイン
4.ブロムワレリル尿素→ブロモバレリル尿素
5.プソイドエフェドリン→プソイドエフェドリン
6. メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、 内容液剤に限る。)→ メチルエフェドリン
コデイン、ジヒドロコデイン及びメチルエフェドリンについては「鎮咳去痰薬に限る」という制限を、メチルエフェドリンについては「内用液剤に限る」 という制限を削除するというのが骨子。
これにより、かぜ薬(総合感冒薬)が対象となり、日本チェーンドラッグストア協会では、対象品目は456から1275に大幅に拡大するという試算を出していた (品目数は9月現在)。
「濫用等のおそれのある医薬品」については、この成分を含む一般用医薬品等について、リスク区分に応じた情報提供等に加えて販売ルールが課されている。
購入者が若年者である場合の氏名・年齢の確認のほか、他店舗での購入状況や購入理由等の確認、販売時の数量の制限(原則として一人一包装 単位)などを求めている。
今回の対象拡大は、厚生労働科学特別研究事業によって一般用医薬品のうち主たる依存の対象として、ジヒドロコデイン及び/又はメチルエフェドリンが含まれる鎮咳去痰薬のみならず、同成分を含んだ総合感冒薬の依存症例が報告されたことへの対応。
なお、ブロモバレリル尿素に成分表記が変更になっているのは第十八改正日本薬局方(令和3年厚生労働省告示第 220号)に合わせたもので、成分自体に変更はない。

【厚労省告示】「濫用のおそれのある医薬品」の範囲の拡大を告示/適用は4月1日から
【2023.01.13配信】厚生労働省は1月13日、「濫用のおそれのある医薬品」の範囲の拡大を告示した。適用は4月1日から。
関連する投稿
【青少年の市販薬乱用対策で】小学生向けくすり教育ショート動画を制作・公開/くすりの適正使用協議会/日本薬剤師会監修
【2023.02.02配信】青少年の市販薬の乱用増加が問題となっていることを受けて、くすりの適正使用協議会は、小学生向けくすり教育ショート動画を制作・公開した。小学校からの「くすり教育」を促したい考え。
最新の投稿
【コロナ禍の薬局】時間外に抗原検査キット販売協力/八戸薬剤師会(青森県)の事例/会員146薬局中62薬局が対応
【2023.05.31配信】5類移行となったコロナ。これまでの間、薬剤師会、薬局、薬剤師はどのような活動をしてきたのか。ワクチン接種会場での協力や患者自宅への治療薬のお届けなど、その貢献は数多いが、本稿では八戸薬剤師会の事例から抗原検査キット販売協力への対応を取り上げたい。社会からの要請に応える形で、会員薬局の4割がイレギュラーな営業時間外で販売対応した。
【医療機関起点の処方箋送信アプリやくばと】本庄総合病院(埼玉県)で導入/「FAX分業の機能をより簡便に」
【2023.05.31配信】メドピア株式会社は、医療機関起点の薬局予約サービス「やくばと」について、6月1日から本庄総合病院(埼玉県本庄市)が運用開始すると公表した。「やくばと」については、「従来から設置されている処方箋FAXコーナーが果たしていた機能を、より簡便に使いやすい形で提供する」ものとしている。
【デジタル臨調】管理薬剤師の常駐見直し、「完了済み」/コロナ下のテレワーク許容通知で
【2023.05.30配信】デジタル庁は5月30日に「デジタル臨時行政調査会」を開き、2023年3月までを見直し期限としていたアナログ規制見直しのフォローアップ状況を公表した。薬局に関わる事項としては、「薬局における管理薬剤師の常駐」の見直しがあり、「完了済み」とした。コロナ下のテレワークを許容した通知が発出されていることを受けたもの。
【薬PTPシート回収】実証実験で反響大きく/第一三共HCが中間結果公表/目標の3倍
【2023.05.30配信】第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区、社長:吉田勝彦氏)は5月30日、「おくすりシート リサイクルプログラム」実証実験の中間結果を公表した。「おくすりシート」は医薬品包装資材のPTPシートのこと。結果によると、反響が大きく、実施期間の約半分で目標回収量の約3倍を達成したという。
【大木ヘルスケアHD】ヘルスケア商品開発で合弁会社設立/リアルとネットのノウハウ融合
【2023.05.29配信】ヘルスケア卸の大木ヘルスケアホールディングスは5月29日、業界専門紙向けの説明会を開催した。その中でオーイズミ(所在地:神奈川県厚⽊市、代表者:代表取締役社⻑ ⼤泉秀治氏)との間で、合弁会社「株式会社Onff(オンフ)」を設⽴したことについて説明。オーイズミは、グループ⼦会社を通じてオンライン主体で化粧品や健康⾷品の販売を⾏っており、オンラインの流通ノウハウを有するオーイズミ社と、オフラインの流通ノウハウを有する大木ヘルスケアHDの連携によって、価値のある商品開発を手掛けていきたい考え。