八戸薬剤師会は「緊急避妊薬の処方せん応需態勢リスト」を更新した。
地域の33薬局(昨年は24薬局)を掲載した。
緊急避妊薬の調剤に対応可能な薬局のリストに関しては、厚労省も研修修了者の情報収集とともに、ホームページで対応薬局のリストを掲載しているほか、民間サービス事業者やNPO法人、あるいはチェーン薬局企業などが対応可能薬局に関して情報発信している。それぞれが労力をかけて何とか情報を発信していこうとしている最中ではあるが、課題もある。
厚労省のホームページでは研修修了薬剤師が1万2000人を超える中、更新作業に多大な労力がかかることが挙げられる。民間サービス事業者のホームページでは、営業色が強くなってしまう可能性も否定できない。NPO法人ではあくまで活動に参加・賛同している薬局の情報しか集まらない。薬局チェーン企業のサイトでは、その企業の店舗の情報しか分からない。
こうした課題もある中で、地域薬剤師会からの情報発信は、地域での取り組みの一環の中で地域住民が情報に触れられる機会を増やすことにつながると考えられる。そのほかにも情報を介した地域の人へのエンパワーメントにもつながるほか、地域のネットワークにつなげられる利点も生かせる。
さらに、八戸薬剤師会のホームページでは単純な応需可能薬局の掲載にとどまらず、「薬局の営業時間」「緊急避妊薬の処方箋応需連絡先(電話番号)」「緊急避妊薬の在庫状況」「対応薬剤師の性別」「緊急避妊薬の処方せん応需時間」「緊急避妊薬の処方せん応需に係る患者負担金(価格帯)」などの項目を掲載している。
これらの項目は、市民の声も反映しながら、必要とされていて、かつ開示できる情報を会内で検討した結果となっている。
なお、今後は緊急避妊薬の処方せん応需マニュアルを作成し、共有していく予定という。
【緊急避妊薬と薬局】八戸薬剤師会、応需マニュアル作成へ/応需リストは9軒増の33薬局に
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