【緊急避妊薬と薬局】八戸薬剤師会、応需マニュアル作成へ/応需リストは9軒増の33薬局に

【緊急避妊薬と薬局】八戸薬剤師会、応需マニュアル作成へ/応需リストは9軒増の33薬局に

【2022.07.22配信】八戸薬剤師会(青森県)はこのほど、緊急避妊薬の調剤を応需できる薬局リストを更新。昨年の24薬局から9軒増となる33薬局を掲載した。現在、オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤については、研修を受けた薬剤師による調剤が可能となっている。八戸薬剤師会では地域インフラである地域薬剤師会の活動の一環として、応需可能な薬局リストをホームページで公開している。また、今後、薬局の円滑な業務に資するため、応需マニュアルを作成、周知していきたい考えを示している。


 八戸薬剤師会は「緊急避妊薬の処方せん応需態勢リスト」を更新した。
 地域の33薬局(昨年は24薬局)を掲載した。

 緊急避妊薬の調剤に対応可能な薬局のリストに関しては、厚労省も研修修了者の情報収集とともに、ホームページで対応薬局のリストを掲載しているほか、民間サービス事業者やNPO法人、あるいはチェーン薬局企業などが対応可能薬局に関して情報発信している。それぞれが労力をかけて何とか情報を発信していこうとしている最中ではあるが、課題もある。
 厚労省のホームページでは研修修了薬剤師が1万2000人を超える中、更新作業に多大な労力がかかることが挙げられる。民間サービス事業者のホームページでは、営業色が強くなってしまう可能性も否定できない。NPO法人ではあくまで活動に参加・賛同している薬局の情報しか集まらない。薬局チェーン企業のサイトでは、その企業の店舗の情報しか分からない。

こうした課題もある中で、地域薬剤師会からの情報発信は、地域での取り組みの一環の中で地域住民が情報に触れられる機会を増やすことにつながると考えられる。そのほかにも情報を介した地域の人へのエンパワーメントにもつながるほか、地域のネットワークにつなげられる利点も生かせる。

 さらに、八戸薬剤師会のホームページでは単純な応需可能薬局の掲載にとどまらず、「薬局の営業時間」「緊急避妊薬の処方箋応需連絡先(電話番号)」「緊急避妊薬の在庫状況」「対応薬剤師の性別」「緊急避妊薬の処方せん応需時間」「緊急避妊薬の処方せん応需に係る患者負担金(価格帯)」などの項目を掲載している。
 これらの項目は、市民の声も反映しながら、必要とされていて、かつ開示できる情報を会内で検討した結果となっている。

 なお、今後は緊急避妊薬の処方せん応需マニュアルを作成し、共有していく予定という。

この記事のライター

関連するキーワード


八戸薬剤師会 緊急避妊薬

関連する投稿


【緊急避妊薬】調査事業で購入できたのは15%のみ/市民団体調査

【緊急避妊薬】調査事業で購入できたのは15%のみ/市民団体調査

【2024.06.10配信】市民団体の「緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト」は6月10日、衆議院第一議員会館内で「院内勉強会」を開催した。


【東京都薬剤師会】緊急避妊薬の研究協力薬局を追加募集

【東京都薬剤師会】緊急避妊薬の研究協力薬局を追加募集

【2024.06.07配信】東京都薬剤師会(都薬)は6月7日、定例会見を開いた。


【八戸薬剤師会】調剤実績情報の共有サービスを開始へ/薬局間医薬品融通スムーズに

【八戸薬剤師会】調剤実績情報の共有サービスを開始へ/薬局間医薬品融通スムーズに

【2024.04.17配信】八戸薬剤師会(青森県)は4月17日の夜、八戸市内のホテルで「薬局会員間の調剤実績共有サービスの導入について」との説明会を会員薬局・薬剤師向けに開催した。同サービスは調剤実績情報を共有することで薬局間の医薬品融通をスムーズにすることを目的とするもの。同薬剤師会は会員薬局数149薬局だが、説明会には100名以上が参加し、関心の高さがうかがえた。


【東京都薬剤師会】緊急避妊薬の“研修”、申し込み増

【東京都薬剤師会】緊急避妊薬の“研修”、申し込み増

【2024.02.09配信】東京都薬剤師会は2月9日の会見で、同会が主催する緊急避妊薬の調剤に関する研修申込が増加している状況を明かした。


【24年度調剤報酬改定】「緊急避妊薬」の備蓄・相談体制が地域支援体制加算の施設基準に/薬局の貢献向上に期待感

【24年度調剤報酬改定】「緊急避妊薬」の備蓄・相談体制が地域支援体制加算の施設基準に/薬局の貢献向上に期待感

【2024.01.30配信】厚生労働省は1月26日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目(その1)」を提示した。点数なしの、いわゆる「短冊」だ。地域支援体制加算の施設基準には、緊急避妊薬の備蓄・相談体制が施設基準になった。女性の健康やSRHR(性と生殖に関する健康と権利)への薬局の貢献度の高まりに期待が寄せられている。


最新の投稿


【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【2024.07.25配信】厚生労働省は7月25日に「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催し、体外診断用医薬品の特性を踏まえた制度の見直しについて議論した。その中で「研究等の医療以外の用途を標榜する試薬の提供業者への対応」を議題とした。


【日薬】オーバードーズ問題でマニュアル作成を検討中

【日薬】オーバードーズ問題でマニュアル作成を検討中

【2024.07.24配信】日本薬剤師会は7月24日、都道府県会長協議会を開催した。


【厚労省】処方箋保存期間の検討を提示/薬局検討会

【厚労省】処方箋保存期間の検討を提示/薬局検討会

【2024.07.19配信】厚生労働省は、現在3年間となっている処方箋の保存期間について見直す方針を示した。「第7回薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で提示した。診療録の保存期間が5年となっている中、電子処方箋については処方箋を調剤済みとなった日から5年間保存するサービスを提供しているなどの環境変化を挙げている。今後、制度部会で議題とする方針。


【コンソーシアム】大阪市から調剤外部委託で4社8薬局が確認通知受領を公表

【コンソーシアム】大阪市から調剤外部委託で4社8薬局が確認通知受領を公表

【2024.07.19配信】薬局DX推進コンソーシアムは7月19日、大阪市から調剤業務一部委託事業の確認通知を受け取ったと公表した。


【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【2024.07.19配信】日本保険薬局協会は7月19日に開かれた厚労省「第7回 薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で意見書を提出した。「健康サポート薬局、地域連携薬局、地域支援体制加算届出薬局が描く薬局像は、小異こそあれ、分立させるほどの違いはない」とした。


ランキング


>>総合人気ランキング