【後発薬供給問題】「後発薬→先発薬」の変更事例が前年比5倍に/日本保険薬局協会調べ

【後発薬供給問題】「後発薬→先発薬」の変更事例が前年比5倍に/日本保険薬局協会調べ

【2022.03.10配信】日本保険薬局協会は3月10日に定例会見を開き、後発医薬品の調剤状況に関する調査結果を公表した。その結果、後発薬から先発薬への変更事例は前年比で489.4%となり、供給不安定や患者意向の変化などにより後発薬使用割合へのマイナス影響が大きいとした。


後発薬使用割合へのマイナス影響が大きく

 同調査は、本部にてデータが抽出できる薬局の処方データを用いて、2020年8月〜2021年1月末と、2021年8月〜2022年1月末の期間において、処方変更状況の比較を行った。8月以降の最初に調剤した処方データを1回目として、患者IDと医薬品データを紐づけて比較したもの。

 解析結果では、前年比で「先発→後発」は151.1%、「後発→後発」は332.3%となった。これに対し、協会では、「薬局における後発薬使用促進の努力が解析結果からも見て取れる」と総括。
 一方で、「後発→先発」が前年比489.4%となっており、「供給不安定や患者意向の変化等による マイナス影響が大きいことが伺える」(協会)とした。

 また、「後発→先発」となっている医薬品を抽出するため、変更頻度順のリストを作成(下表、50位まで)。

 供給が不安定になっている後発薬については、後発医薬品調剤体制加算から除外する特例が設けられており、旧リストから新リストでは品目数が倍増しているというが、協会では「品目拡大は大変ありがたいが、一方で、今回調査の変更上位品目の中にも除外対象となっていない品目が多くある」と課題を提示した。

 協会では、引き続き、除外品目の影響について注視していくとともに、行政にも現場の状況や努力について情報発信していきたい考えだ。
 

この記事のライター

関連する投稿


【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【2024.07.19配信】日本保険薬局協会は7月19日に開かれた厚労省「第7回 薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で意見書を提出した。「健康サポート薬局、地域連携薬局、地域支援体制加算届出薬局が描く薬局像は、小異こそあれ、分立させるほどの違いはない」とした。


【厚労省】長生堂製造の医薬品、品質等に問題がなければ「出荷は差し支えない」

【厚労省】長生堂製造の医薬品、品質等に問題がなければ「出荷は差し支えない」

【2024.06.11配信】厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課は6月10日、事務連絡を発出した。一部の医薬品で製造販売承認書から逸脱した製造方法により医薬品の製造が行われ、出荷停止を行っている長生堂製薬。同社製造の医薬品に関して、製造販売業者により性状、品質等に問題がないことが確認された場合、出荷して差し支えないとした。


【厚労省】「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」発出

【厚労省】「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」発出

【2024.06.04配信】厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課は5月31日、各地域の衛生主管部事宛に事務連絡「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」を発出した。過剰な発注は厳に控えることなどを依頼している。


【医薬品の安定供給へ】後発薬業界ができること/東和薬品が講演

【医薬品の安定供給へ】後発薬業界ができること/東和薬品が講演

【2024.05.28配信】5月25日に名古屋で開かれた「日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会 学術大会」で、東和薬品執行役員の田中俊幸氏が「ジェネリック医薬品産業のあるべき姿の構築に向けて」と題して講演した。


【日本保険薬局協会】会長に三木田慎也氏続投/専務理事に柳樂 晃洋氏

【日本保険薬局協会】会長に三木田慎也氏続投/専務理事に柳樂 晃洋氏

【2024.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定時総会を開催。次期会長には三木田慎也氏(総合メディカル株式会社)が続投するなど、役員体制を報告した。


最新の投稿


【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【2024.07.25配信】厚生労働省は7月25日に「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催し、体外診断用医薬品の特性を踏まえた制度の見直しについて議論した。その中で「研究等の医療以外の用途を標榜する試薬の提供業者への対応」を議題とした。


【日薬】オーバードーズ問題でマニュアル作成を検討中

【日薬】オーバードーズ問題でマニュアル作成を検討中

【2024.07.24配信】日本薬剤師会は7月24日、都道府県会長協議会を開催した。


【厚労省】処方箋保存期間の検討を提示/薬局検討会

【厚労省】処方箋保存期間の検討を提示/薬局検討会

【2024.07.19配信】厚生労働省は、現在3年間となっている処方箋の保存期間について見直す方針を示した。「第7回薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で提示した。診療録の保存期間が5年となっている中、電子処方箋については処方箋を調剤済みとなった日から5年間保存するサービスを提供しているなどの環境変化を挙げている。今後、制度部会で議題とする方針。


【コンソーシアム】大阪市から調剤外部委託で4社8薬局が確認通知受領を公表

【コンソーシアム】大阪市から調剤外部委託で4社8薬局が確認通知受領を公表

【2024.07.19配信】薬局DX推進コンソーシアムは7月19日、大阪市から調剤業務一部委託事業の確認通知を受け取ったと公表した。


【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【2024.07.19配信】日本保険薬局協会は7月19日に開かれた厚労省「第7回 薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で意見書を提出した。「健康サポート薬局、地域連携薬局、地域支援体制加算届出薬局が描く薬局像は、小異こそあれ、分立させるほどの違いはない」とした。


ランキング


>>総合人気ランキング