【調剤の外部委託】狭間氏「処方箋を受けた薬剤師が全ての責任を負うことが重要」/規制改革推進会議議事録で

【調剤の外部委託】狭間氏「処方箋を受けた薬剤師が全ての責任を負うことが重要」/規制改革推進会議議事録で

【2022.03.01配信】内閣府の規制改革推進会議「医療・介護・感染症対策ワーキング・グループ」(WG)は3月1日までに、第1回の会議議事録を公開した。それによると、調剤業務の外部委託の議論の中で、説明者として参加したファルメディコ社長の狭間研至氏は「処方箋を受けた薬剤師が全ての責任を負うことが重要」と語っていた。会議は1月29日に開催されたもの。


 調剤業務の外部委託に関しては、令和3年4月にも規制改革推進会議「第12回 医療・介護ワーキング・グループ」でも議論されていた。その後、令和4年1月19日 に開催された「第1回 医療・介護・感染症対策ワーキング・グループ」でも議論された。このほど、1月の議事録が公開されたもの。

 調剤業務の外部委託は、厚労省が「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」の下に設置した「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」で議論されることも決まっている。議論の中では責任の所在の明確化が論点の一つにもなるとみられている。

 こうした中、公開された1月の会議議事録では、説明者として参加したファルメディコ社長の狭間研至氏は「処方箋を受けた薬剤師が全ての責任を負うことが重要」と語っていた。

 狭間氏は、スライドで「外部委託のスキーム案」を示しつつ、次のように述べていた。
 「スライドで御説明させていただきたい。A薬局というのはいわゆるパパママと言われるとこで、なかなか効率化が難しい。その一方で、その地区には調剤機器、薬局パートナーというのは薬剤師さん以外のトレーニングをした人ですけれども、そこを使わせてもらうという感じです。今、調剤のクリーンルームの共同利用というのが行われています。医療機関においてはCTやMRIを地区のドクターが共同利用するというスキームもございますけれども、重要なことは、薬剤師さんAが全部そこのことをする。もちろんこれは自分が行っていると効率化になりませんので、調剤機器とか薬局パートナーさんの仕組を自分でも定期的にチェックをしながら、薬剤師さんの管理監督の下、個別具体的な指示で行う。(中略)重要なことは薬剤師さんAが全責任を負うということ。そして、薬局Bも薬局Aも地域の医療品の供給拠点、特に災害時も含めて、そういったものとして機能するような仕組が要る。外部の委託ではあるのですけれども、委託という言葉ではなくて、この地域にあるリソースをうまく使うということが重要ではないかなと思います」(狭間氏)。

 また、外部委託以外にも手法はいろいろあるとした上で、重ねてその場合の責任も処方箋を受け付けた薬剤師が全て負うことが重要としていた。
 「外部委託と称されることが全てではなくていろいろなものがあります。いろいろなやり方があると思います。そして、重要なことは、やはり薬剤師さんで、今回、完全に委受託にしたときに、対人業務しかやらない人と対物業務しかしない人というように、1つの免許の中で2つの職種ができるようなことは、ちょっと違和感を覚えるところがございますので、その辺、やはり薬剤師さんは処方箋を受けた人が、全部その患者さんの責任を負う。ここの辺りは、きちんと法的な整備も要るのではないかなと思いました」(狭間氏)。

 加えて、配送中の品質管理についてはドローンの温度湿度管理技術が活用できるとした。
 「PTPの形から出して一包化しますので配送中の品質管理、これは重要だと思います。これは今、ドローンの医薬品輸送のガイドラインも出ておりますが、温度湿度の維持技術が応用できるでしょう」(狭間氏)。

この記事のライター

関連する投稿


【規制改革推進会議WG】スイッチOTC促進議論/令和8年末までOTC化目指す成分リスト公開

【規制改革推進会議WG】スイッチOTC促進議論/令和8年末までOTC化目指す成分リスト公開

【2024.03.29配信】内閣府規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ」(WG)が3月28日に開かれ、スイッチOTCの促進について議論された。


【規制改革会議議事録】佐藤WG座長「成分の規制の必要も」/“濫用薬”の販売制度問題で

【規制改革会議議事録】佐藤WG座長「成分の規制の必要も」/“濫用薬”の販売制度問題で

【2024.01.24配信】内閣府規制改革推進会議は、1月24日までに令和5年12月26日開催の会議議事録を公開した。その中で「健康・医療・介護ワーキング・グループ」(WG)の佐藤主光座長は濫用のおそれのある医薬品成分の規制などについて指摘している。


【規制改革推進会議】12月21日にWG開催/一般用医薬品の販売制度で/YouTube公開

【規制改革推進会議】12月21日にWG開催/一般用医薬品の販売制度で/YouTube公開

【2023.12.19配信】内閣府規制改革推進会議は12月21日に、「健康・医療・介護ワーキング・グループ」(WG)をYouTube公開形式で開催する。


【規制改革推進会議】YouTube公開開催/スイッチOTC拡大や在宅医療などテーマ/12月11日(月)16:00~

【規制改革推進会議】YouTube公開開催/スイッチOTC拡大や在宅医療などテーマ/12月11日(月)16:00~

【2023.12.07配信】内閣府規制改革推進会議は12月11日に、「第3回 健康・医療・介護ワーキング・グループ」をYouTube公開にて開催する。テーマはスイッチOTC拡大や在宅医療の環境整備などについて。


【規制改革推進会議YouTubeで一般公開】11月16日健康・医療WG/医薬品の販売分類・方法議題に

【規制改革推進会議YouTubeで一般公開】11月16日健康・医療WG/医薬品の販売分類・方法議題に

【2023.11.14配信】内閣府規制改革推進会議は11月16日(木)、14:00~17:00に「第1回 健康・医療・介護ワーキング・グループ」(WG)を開催する。同WG として、初めて議事をYouTube配信で一般公開する。


最新の投稿


【東京都】災害薬事コーディネーターを任命/都薬副会長の宮川昌和氏など

【東京都】災害薬事コーディネーターを任命/都薬副会長の宮川昌和氏など

【2024.04.24配信】東京都薬務課は4月24日、定例会見を開いた。


【東京都】市販薬の適正使用へ/小学生向け教材作成へ/乱用推進計画

【東京都】市販薬の適正使用へ/小学生向け教材作成へ/乱用推進計画

【2024.04.24配信】東京都薬務課は4月24日、定例会見を開いた。


【楽天三木谷氏】“濫用薬”の規制方向「撤回を」/デジタル社会構想会議で表明

【楽天三木谷氏】“濫用薬”の規制方向「撤回を」/デジタル社会構想会議で表明

【2024.04.24配信】デジタル庁は4月24日、第 9 回デジタル社会構想会議を開いた。この中で三木谷浩史氏(楽天グループ株式会社/一般社団法人新経済連盟)は厚労省の進める“濫用薬”の規制方向を撤回するよう意見した。


【たんぽぽ薬局】ミック・ジャパン(大阪市)のドラッグ事業など譲受へ

【たんぽぽ薬局】ミック・ジャパン(大阪市)のドラッグ事業など譲受へ

【2024.04.23配信】株式会社トーカイの連結子会社であるたんぽぽ薬局株式会社(岐阜市)は4月22日、株式会社ミック・ジャパン(大阪市)との間で、ミック・ジャパンが展開するリハビリデイサービス事業、ドラッグストア事業などの各事業の譲り受けについて基本合意に至ったと公表した。


【楽天グループ】薬局予約アプリ「楽天ヘルスケア ヨヤクスリ」の提供を開始

【楽天グループ】薬局予約アプリ「楽天ヘルスケア ヨヤクスリ」の提供を開始

【2024.04.22配信】楽天グループ株式会社は4月18日、「処方せん医薬品を薬局で迅速に受け取ることができる調剤薬局予約アプリ『楽天ヘルスケア ヨヤクスリ』の提供を開始した」と公表した。


ランキング


>>総合人気ランキング