【コロナ自宅療養患者向けデカドロン】東京都薬剤師会、適切量の確保へ東京医薬品卸業協会と連携/基幹薬局へ出荷→地域の薬局へ分割販売

【コロナ自宅療養患者向けデカドロン】東京都薬剤師会、適切量の確保へ東京医薬品卸業協会と連携/基幹薬局へ出荷→地域の薬局へ分割販売

【2021.09.04配信】東京都薬剤師会は9月3日に定例会見を開き、コロナ自宅療養患者へのデカドロン(成分名デキサメタゾン)などのステロイド剤に関して、東京医薬品卸業協会と連携して地区薬剤師会での適切量を確保していく方針を示した。都内に33ある医薬品・情報管理センターのうち、16で分割販売を行っており、こうした基幹施設を中心に適切量を確保。地域の薬局からの入手要請に対して分割販売することで、応えられる体制をとりたいとの考えを示した。


 会見した東京都薬剤師会会長の永田泰造氏は、デカドロンなどのステロイド剤に関して、東京医薬品卸業協会(理事長:長福恭弘氏)と連携して、地域で適切量を確保していく方針を示した。

 8月26日に東京都薬剤師会から東京医薬品卸業協会へ、安定確保に関して要請の文書を発出。コロナの自宅療養者が急増する中、中等症Ⅱの治療に用いられるステロイド薬(デキサメタゾン、プレドニゾン)についても出荷調整が行われているとして、「適切な出荷」への「特段の配慮」を依頼していた。具体的には都内に33ある医薬品・情報管理センターのうち、16で分割販売を行っており、こうした基幹施設を中心に卸から出荷してもらい、地域の薬局が必要な時に困らない体制を整備する。

 依頼文書の翌日8月27日には、東京医薬品卸業協会から都内の卸会員企業に対し、東京都薬剤師会からの協力要請通知を周知。「当該通知を踏まえ、安定供給の観点から各地区の状況等を配慮しつつ、必要とする患者に医薬品がいきわたるよう、適切な供給体制の維持・確保をお願い申し上げます」と会員各社へ連絡した。

 また、9月2日には東京都薬剤師会と日医工との間で情報交換を行い、患者への薬剤供給の観点から、デカドロン錠に関して医薬品・情報管理センターおよび基幹薬局に対して、できる限り優先的に納入してもらえるよう東京都薬剤師会から要請し、日医工側から「可能な限りの対応をする」との回答を得たという。

 当然、通常の薬局業務でデカドロンなどのステロイド薬の調剤は各薬局で行っているものであり、今回のスキームはコロナ自宅療養者などへ処方箋が出て対応が必要であるにもかかわらず薬局での入手ができなかった場合に地域で備えておくという、いわばセーフティーネットの対応となる。
 
 一方、会員薬局に関しては、医薬品・情報管理センター等の分割販売業務の周知を行うと同時に、会員薬局が過度な在庫を抱えないよう説明していくとしている。

この記事のライター

関連する投稿


【薬局の休日当番】「自治体から補助金届いているか」/東京都薬剤師会が調査

【薬局の休日当番】「自治体から補助金届いているか」/東京都薬剤師会が調査

【2025.06.09配信】東京都薬剤師会は6月6日に定例会見を開き、薬局が休日当番をしている際に対価が自治体から手当てされているかどうか、状況を調査することを明らかにした。


【東京都薬剤師会】独自eラーニングに連携強化加算対応コンテンツを追加

【東京都薬剤師会】独自eラーニングに連携強化加算対応コンテンツを追加

【2025.04.04配信】東京都薬剤師会(都薬)は4月4日、定例会見を開いた。この中で、都薬独自eラーニングであるt-MYLSに連携強化加算対応のコンテンツを追加したと説明した。


【東京都薬剤師会】髙橋会長「若い人がやってくれたら嬉しいと思っていた」/会長選で

【東京都薬剤師会】髙橋会長「若い人がやってくれたら嬉しいと思っていた」/会長選で

【2025.03.07配信】東京都薬剤師会(都薬)は3月7日に定例会見を開いた。この中で髙橋正夫会長は、2期目続投を決めた都薬会長選挙について語った。


【東京都薬剤師会】賃上げと物価高騰の状況調査実施/骨太方針や改定基礎資料に

【東京都薬剤師会】賃上げと物価高騰の状況調査実施/骨太方針や改定基礎資料に

【2025.03.07配信】東京都薬剤師会(都薬)は3月7日に会見を開き、「薬局経営における賃金引き上げ状況及び物価高騰の影響に関する調査」を実施することを明らかにした。薬局の賃上げ対応については令和6年度調剤報酬改定で調剤基本料に含める形で対応されたが、十分な評価になっていないとの指摘も上がっている。


【東京都薬剤師会】緊急避妊薬調査事業、協力医療機関数が250に

【東京都薬剤師会】緊急避妊薬調査事業、協力医療機関数が250に

【2025.02.07配信】東京都薬剤師会は2月7日に定例会見を開いた。この中で、緊急避妊薬販売にかかる環境整備のためのモデル的調査事業の協力医療機関リストを公開した。250の医療機関から協力を得た。


最新の投稿


【エフィエント錠】PTPシートのGS1コード誤表示/第一三共

【エフィエント錠】PTPシートのGS1コード誤表示/第一三共

【2025.09.30配信】このほど、抗血小板剤「エフィエント錠3.75㎎」のPTPシートに印字されたGS1コード(調剤包装単位コード)に誤りがあったとして、製造販売元の第一三共より報告がされている。それを受け、日本薬剤師会でも注意喚起の文書を発出した。


【日薬学術大会】ブース出展/災害備蓄や認知症の服薬支援で技術紹介/アルフレッサ

【日薬学術大会】ブース出展/災害備蓄や認知症の服薬支援で技術紹介/アルフレッサ

【2025.09.30配信】医薬品の流通を担う社会インフラ企業であるアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:福神雄介氏)は、2025年10月12日(日)~13日(月・祝)に国立京都国際会館にて開催される「第58回日本薬剤師会学術大会」に出展する。「かかりつけ薬剤師の新たな挑戦!健康・生活を支える商品と信頼」をテーマに、医療現場の業務効率化と患者様の満足度向上に貢献するソリューションを紹介する予定。


【日本薬剤師連盟】神谷まさゆき氏を組織内統一候補に選任

【日本薬剤師連盟】神谷まさゆき氏を組織内統一候補に選任

【2025.09.26配信】日本薬剤師連盟は9月25日に開催した臨時評議員会で、組織内統一候補に神谷まさゆき参議院議員を選任した。神谷氏が自身のSNSで報告した。


【健保連】OTC薬に代替可能な薬や簡易な検査「保険給付から除外」を/『「ポスト2025」健康保険組合の提言 』

【健保連】OTC薬に代替可能な薬や簡易な検査「保険給付から除外」を/『「ポスト2025」健康保険組合の提言 』

【2025.09.25配信】健康保険組合連合会は9月25日、新たな提言『「ポスト2025」健康保険組合の提言 』を公表した。OTC医薬品に代替可能な医療用医薬品や簡易な検査などについて、保険給付から除外あるいは給付割合の見直しを図ることなどを提言している。同種同効の医薬品のうち、正当な理由なく、より高額な医薬品を選択する場合に自己負担を増加させる選定療養の活用も提案している。


【日薬】緊急避妊薬のスイッチ化でパブコメ提出/「賛成」

【日薬】緊急避妊薬のスイッチ化でパブコメ提出/「賛成」

【2025.09.25配信】日本薬剤師会は9月25日、定例会見を開き、緊急避妊薬のスイッチOTC化に関して、パブコメを提出したことを説明した。


ランキング


>>総合人気ランキング