【コロナワクチン接種後の抗体検査】福岡県のタカラ薬局や⽩⼗字薬局で販売開始

【コロナワクチン接種後の抗体検査】福岡県のタカラ薬局や⽩⼗字薬局で販売開始

【2021.08.30配信】九州のベンチャー企業であるKAICO 株式会社(福岡市⻄区、代表取締役︓⼤和建太氏)は、新型コロナウイルスに対する⾎液中の抗体量が測定できる抗体測定サービスを開始すると公表した。2021 年 9 ⽉ 1 (⽔)より、タカラ薬局や⽩⼗字薬局などの福岡県内の⼀部調剤薬局およびドラッグストアにて販売を開始するという。


 同品は、新型コロナウイルスに対する抗体価を測定することを⽬的としている。現在新型コロナウイルスに罹患しているかを確認する PCR 検査や抗原検査とは異なり、ワクチン接種後に抗体がどれくらい保持できているかを確認するもの。⾃宅・会社で⾃⼰採⾎し郵送することにより簡易に抗体価を数値で評価できるという。医療品医療機器法に基づく体外診断薬用医薬品として承認されておらず、診断には利用できない。

 継続的に複数回利⽤することにより個⼈の抗体の保持状況が時間を追って確認できることも⼤きな利点とする。ワクチン接種後の抗体の保持状況には個⼈差があるため、⾃⾝で管理できることが⼤きなメリットだと説明している。

 「KAICO 抗体測定サービス」の概要は以下の通り。
 仕様: 1)輸送採⾎ろ紙セット、2)返信⽤チャック袋、3)返信⽤封筒、4)説明書
 価格: オープン価格
 販売場所:タカラ薬局、⽩⼗字薬局などの福岡県内主要店舗(9 ⽉ 1 ⽇より)。今後全国のドラ
ッグストアおよび調剤薬局への展開を検討中。
 条件:検査情報の登録および確認には、PC またはスマートフォンで WE B を使⽤。

 KAICO は、難発現タンパク質の医薬品・診断薬・試薬を開発することを⽬的に、2018 年 4 ⽉に設⽴した九州⼤学発のベンチャー。KAICO のコア技術は、カイコを利⽤した組換えタンパク質発現の技術であり、本抗体測定サービスでは新型コロナウイルスに対する抗体をスパイクタンパク質で挟みこみ発⾊させ検出する、プロテックス社と共同開発した抗体検査キットを⽤いて測定する。

 検査はイムノクロマト法ではなく E L I S A 測定法を採⽤している。
 測定結果は、イムノクロマト法の抗体の保持有無を提⽰するのではなく、E L I S A 法によって得られた詳細数値を5段階のレベル表⽰として開⽰する。このレベル表⽰は、販売に先⽴って⾏われた製品性能試験のデータを元にした平均値を⽬安としている。
・レベル1 未接種の⼈が多いレベル
・レベル2 ワクチンを1回接種した⼈が多いレベル
・レベル4 ワクチンを2回接種した⼈が多いレベル
(同社調べ)

 同社は発売前に製品の性能試験のために 155 の検体を試験。同社の試験結果によるとワクチン接種により⼤幅に抗体価が上がる⼈もいる⼀⽅で、未接種者に⽐べると上昇はするもののあまり上がらない⼈もいることが実際の数値で確認され、論⽂等で⾔われている個⼈差があることが、同社の事前試験でも判明しているとしている。また今後、社内試験で継続的な経過を把握し、同品の性能をより良いものにすることを⽬指していく方針。

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