大木ヘルスケアHD社長の松井秀正氏は講演の中で、コロナ禍で本来は求められる正しいヘルスケア情報の伝達が難しくなってきている状況を指摘。
SNSなどではエコーチャンバーにより偏った情報だけに触れる状況が生まれることも一因とした。エコーチャンバーとは、自分の意見に近い情報が表示されやすくなり、自分とよく似た意見が返ってくることで、一つの考え方がより濃厚になっていく現象のこと。
こうした中、松井氏は、正しいヘルスケア情報を伝達するためにも、生活者とリアルなコミュニケーションを取れる生活基幹業態として、高い倫理観を持ったドラッグストアが情報伝達者として最適と指摘した。
同社では、例えば軽運動サポートとして、ノルディックウォーキングイベントなどをウイルス対策の徹底のもと実施しているが、店頭と顧客がコミュニケーションをとることにつながり、関係性構築に役立っているという。
また、認知症サポートとなる「シナプソロジー」の店頭での実施を支援している。
「シナプソロジー」は、2つのことを同時に行う 左右で違う動きをするといった普段慣れない動きで脳に適度な刺激を与え活性化をはかるもの。少人数から簡便に実施できるのも特徴。
これにより、普段は「お客さまと従業員」という関係性が、「お客さまと“先生”」という位置づけになることにも寄与し、正しい情報の伝達もスムーズになる可能性があると指摘した。
さらに、松井氏は「人口減少」「市場のシュリンク」という状況に改めて目を向けると、これまでの「競争」ではなく、「共創」領域を拡大することで明るい未来を描けるのではないかと提言。
パンデミック、異常気象、災害、少子高齢化、労働人口減少、介護、フレイル、認知症、ペットヘルスケアなど課題が山積する中、社会問題解決型の製品開発が必要になっており、問題の分析や細分化、出来ることの提案などは1社では限界があるのではないかと述べた。「共創」の領域を広げていくことで、ビジネスとしても、投資のリスクを分散することになるのではないかと語った。
コロナ禍でのワクチン接種を例にみても、これまで一律の国からの指示に基づく実施から、今後は国は指示は出しても実行は地域や民間である企業などが担っていくことが顕在化したと指摘。
「民間企業が将来起こる社会問題の解決策を準備しなくてはならない」として、協会や業界活動の活発化など、「共創」理念の共有を呼びかけていた。
【コロナ禍のヘルスケア情報伝達】“倫理観あるリアル店頭”が鍵/勉強会DMSで大木・松井社長が講演
【2021.08.27配信】ドラッグストアをはじめ卸やメーカーが参画して商品流通の在り方を話し合う勉強会の「ドラッグストアMD研究会」(DMS)は8月25日〜27日まで、「上半期政策セミナー」をオンライン配信で開催した。その中で講演した大木ヘルスケアホールディングス社長の松井秀正氏は、コロナ禍で正しいヘルスケア情報の伝達が難しくなっている状況を指摘し、“高い倫理観を持った”店頭が鍵になるとの考えを示した。同社では店頭と顧客の関係性を強化するためにイベントなどを活用する施策を講じている。
関連する投稿
【CBD製品】安心して利用できる環境の構築を目指して/業界協議会がセミナー
【2026.07.31配信】CBD製品の安全を確保し消費者が安心して利用できる環境を構築することを目的に設立された団体である一般社団法人カンナビジオール安全・安心協議会がセミナーを開催した。7月31日に開かれた「第26回JAPANドラッグストアショー」のビジネスセミナーとして開いたもの。
【大木ヘルスケアHD】“門前薬局減算”に備える売り場充足を提案
【2026.06.04配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングス(代表取締役社長:松井秀正氏)は6月4日、6月16・17日に開催を予定している「2026秋冬カテゴリー提案商談会」の事前説明会を開催した。今回の調剤報酬改定で新設された「門前薬局等立地依存減算」(調剤基本料の15点マイナス)を取り上げ、減算に備える売り場充足を提案するとした。
【大木ヘルスケアHD】 ADTANK社と業務提携/セールスプロモーションで協業
【2026.02.26配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングス株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:松井秀正氏)は2月19日、セールスプロモーションを手掛けるADTANK株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役 CEO:菅野健一氏)と業務提携契約を締結したと公表した。なお、今回の業務提携に先立ち、大木ヘルスケアHDはADTANK による第三者割当増資を引き受け、出資している。
【大木ヘルスケアHD】“濫用防止薬”、市場にはマイナス/リテラシー向上貢献に意欲
【2026.02.26配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアHDは2月26日に会見を開いた。「2026OHKI春夏用カテゴリー提案商談会」を2月25日 (水)~2月26日 (木)まで開催しており、会期中に会見を行ったもの。
【大木ヘルスケアHD】SBI アラプロモと業務提携/「5-ALA」の市場拡大へ向けて
【2026.02.26配信】大木ヘルスケアホールディングス株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:松井秀正氏)は2月24日、健康食品等の製造・販売・OEM・原料供給等を行う SBI アラプロモ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:竹崎泰史氏)と業務提携を行い、5-アミノレブリン酸リン酸塩(以下、「5-ALA」)を活用したヘルスケア市場の拡大に向けた戦略的協業を開始することと発表した。
最新の投稿
【2026.09.18配信】 “零売薬局”を経営する薬局などが、国を相手取り地位確認等を争った裁判が9月18日、東京地裁で開かれた。
【神奈川県薬】薬局で健診申込をサポート/鎌倉市薬で実証試験へ
【2026.09.17配信】神奈川県薬剤師会は9月17日、定例会見を開き、鎌倉市薬を中心としつつ薬局で健診申し込みをサポートする実証試験を開始するとの計画を説明した。
【OTC類似薬】一部保険外療養の創設に伴う見直しを答申/中医協
【2026.09.16配信】厚生労働省は9月16日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、OTC類似薬に関わる一部保険外療養の所要の見直しについて答申した。
【独自_3団体トップ鼎談②】在宅への評価、「われわれが目指す地域医療機能の強化と完全に一致」/日本チェーンドラッグストア協会
【2026.09.16配信】日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、令和8年度調剤報酬改定において「300店ルールの撤廃」や「基本料3-ハの2点加点」、「在宅機能評価」などについて評価する考えを示した。本紙が実施した日本薬剤師会、日本保険薬局協会とのトップ鼎談で、塚本厚志会長が見解を示したもの。今後、経営効率化や規模拡大は「ドラッグストアチェーンが今まで重ねてきた企業努力の結果、成果である」ことを訴え、1つ1つの薬局の質や機能での評価を求める。
【2026.09.15配信】KKR札幌医療センターの敷地内薬局整備を巡り、アインファーマシーズの元代表取締役社長と元取締役が公契約関係競売入札妨害の罪に問われ、1審有罪、2審無罪となり札幌高検が上告していた裁判で、最高裁は判決期日を決めた。