【紙の添付文書の段階的終了】アストラゼネカ、8月2日から電子化対応開始/8月からの改正薬機法対応で

【紙の添付文書の段階的終了】アストラゼネカ、8月2日から電子化対応開始/8月からの改正薬機法対応で

【2021.08.03配信】アストラゼネカは8月2日から製品への紙の添付文書の同梱を段階的に終了し、電子化対応を開始することを告知した。電子化することにより、製品の最新情報を提供するとともに、紙の削減にも貢献するとしている。


 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム氏)は、2021年8月1日に改訂された薬機法に基づき、同社が製造販売を行っている製品への紙の添付文書の同梱を8月包装分より段階的に終了し、添付文書は電子的な方法で閲覧してもらうことになると告知した。

 紙の添付文書から電子化された添付文書(以下、電子添文)への移行期間は、2021年8月1日から2023年7月31日までと定められているが、同社では医療従事者に添付文書の改訂などがあった際にも最新の情報をいつでも見てもらえるよう、また紙資源の削減も行うべく、業界内でもいち早く電子添文への移行をスタートするとしている。

 2021年8月より紙の添付文書の同梱を終了した製品について、医療機関等ではスマートフォンやタブレットで製品の外箱や容器に印字されたGS1バーコードを専用のアプリケーション「添文ナビ」で読み取ることで、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されている電子添文や関連文書を閲覧してもらうことになるとしている。

 具体的なスケジュールとしては、8月包装分の「シナジス」「ファセンラ」から始め、2022年中にはアストラゼネカで製造する全製品について対応していく予定。医療機関への周知は、MRによる案内やダイレクトメールなどを通じて行っていく考え。

 医薬品・医療機器等の用法、用量、使用方法、使用上の注意等は、容器・被包に記載できない場合は、添付文書として医薬品・医療機器などに同梱することがこれまで定められていたが、紙の添付文書を同梱した場合では、改訂がなされた場合に、卸売販売業者や医療機関等の在庫品に同梱されている添付文書は改訂前のままとなり、最新の添付文書が同梱された製品が医療従事者に届くまでにタイムラグが生じていることが課題となっていた。
 また、同一の医薬品等が医療機関や薬局に納品されるたびに、添付文書が一施設に重複して納品されることから、紙資源の浪費につながることも指摘されていた。
 このことから、2021年8月1日に施行される薬機法改正後の制度では、原則的に添付文書は電子的な方法で提供することが決められている。

 同社では、「先駆者としてイノベーションで患者さんの人生を変えるNo.1企業になることを目指すアストラゼネカでは、今後も積極的に新たなイニシアチブに取り組んでまいります」としている。

 なお、関連通知およびPMDAウェブサイトは以下の通り。
「医薬品等の注意事項等情報の提供について」(薬生安発0219第1号、令和3年2月19日付): https://www.pmda.go.jp/files/000239067.pdf
「添付文書の電子化について」: https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/0003.html

 また、添文ナビの操作に関する事項は一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)へ問い合わせてほしいとしている。https://www.dsri.jp/standard/healthcare/tenbunnavi/app/index.html

この記事のライター

関連する投稿


【日本保険薬局協会】薬機法改正、「議論過程に入りたい」

【日本保険薬局協会】薬機法改正、「議論過程に入りたい」

【2024.04.11配信】日本保険薬局協会は4月11日、定例会見を開いた。


【日本薬剤師会】調剤録(または薬歴)の法的義務を解説/「医療安全にかかる法的知識の基礎(第2.1 版)」

【日本薬剤師会】調剤録(または薬歴)の法的義務を解説/「医療安全にかかる法的知識の基礎(第2.1 版)」

【2022.06.29配信】日本薬剤師会は6月29日に会見を開き、「医療安全にかかる法的知識の基礎(第2.1 版)」を作成したことを報告した。先般の改正薬機法に対応したもの。調剤録(または薬歴)の法的義務を解説している。日本薬剤師会のホームページから誰もが閲覧することができる。https://www.nichiyaku.or.jp/assets/uploads/pharmacy-info/chisiki_2022.p


【日本保険薬局協会調査】管理薬剤師の実務経験「5年」の実態は89.3%

【日本保険薬局協会調査】管理薬剤師の実務経験「5年」の実態は89.3%

【2021.10.14配信】日本保険薬局協会(NPhA)は10月14日会見を開き、会員企業を対象に行った法令遵守に関する調査の結果を公表した。今年6月25日に発出された「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」(以下ガイドライン)に沿って、法令遵守の現状を把握および課題を抽出し、調査を通じて現状の体制を見直す目的で行ったもの。それによると、管理薬剤師の実務経験5年以上の実態は89.3%だった。一方、選任基準に「5年以上」を含めている割合は45.5%だった。


【地域連携薬局】大阪府の認定取得薬局一覧/ドラッグストアではマツキヨとココカラファインが取得

【地域連携薬局】大阪府の認定取得薬局一覧/ドラッグストアではマツキヨとココカラファインが取得

【2021.08.21配信】大阪府が公表している8月1日時点の認定薬局を掲載する。ドラッグストアではマツモトキヨシとココカラファインが認定を取得している。


【薬局における法令遵守体制の手引き】日薬版で調剤録に注意喚起、改正薬機法で新たに調剤録に記載・保管管理する項目も

【薬局における法令遵守体制の手引き】日薬版で調剤録に注意喚起、改正薬機法で新たに調剤録に記載・保管管理する項目も

【2021.07.26配信】日本薬剤師会はこのほど、「薬局における法令遵守体制整備の手引き」を策定した。改正薬機法で薬局での法令遵守体制の整備が定められたことを受けたもの。


最新の投稿


【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【2024.07.25配信】厚生労働省は7月25日に「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催し、体外診断用医薬品の特性を踏まえた制度の見直しについて議論した。その中で「研究等の医療以外の用途を標榜する試薬の提供業者への対応」を議題とした。


【日薬】オーバードーズ問題でマニュアル作成を検討中

【日薬】オーバードーズ問題でマニュアル作成を検討中

【2024.07.24配信】日本薬剤師会は7月24日、都道府県会長協議会を開催した。


【厚労省】処方箋保存期間の検討を提示/薬局検討会

【厚労省】処方箋保存期間の検討を提示/薬局検討会

【2024.07.19配信】厚生労働省は、現在3年間となっている処方箋の保存期間について見直す方針を示した。「第7回薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で提示した。診療録の保存期間が5年となっている中、電子処方箋については処方箋を調剤済みとなった日から5年間保存するサービスを提供しているなどの環境変化を挙げている。今後、制度部会で議題とする方針。


【コンソーシアム】大阪市から調剤外部委託で4社8薬局が確認通知受領を公表

【コンソーシアム】大阪市から調剤外部委託で4社8薬局が確認通知受領を公表

【2024.07.19配信】薬局DX推進コンソーシアムは7月19日、大阪市から調剤業務一部委託事業の確認通知を受け取ったと公表した。


【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【2024.07.19配信】日本保険薬局協会は7月19日に開かれた厚労省「第7回 薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で意見書を提出した。「健康サポート薬局、地域連携薬局、地域支援体制加算届出薬局が描く薬局像は、小異こそあれ、分立させるほどの違いはない」とした。


ランキング


>>総合人気ランキング