【ウエルシアHD】九州への出店方針固める/決算説明会開催/地元農業・料理家と連携する“医食同源P J”も

【ウエルシアHD】九州への出店方針固める/決算説明会開催/地元農業・料理家と連携する“医食同源P J”も

【2021.04.12配信】ウエルシアホールディングスは、4月12日に2021年2月期決算説明会を電話会議で開催した。池野隆光会長は「今と同じことをやっていては5年後に会社はなくなるとも言われている」と変化のスピードが速まっているとの認識を示し、九州への出店や“医食同源プロジェクト”など、新たな取り組みを拡充していく意欲を示した。「できれば新規事業が売上の10%を占めるような状況を作れれば」と語った。


新規事業で10%の構成比になれば

 決算説明会の冒頭で池野会長があいさつし、「今と同じことをやっていては5年後に会社はなくなるとも言われている」とし、変化のスピードが速くなっているとの認識を示した。その上で、「松本社長の強力なリーダーシップがある今ならできるという状況が生まれている」として、新しい取り組みを強化していく方針を示した。
 
 具体的には九州の出店や“医食同源”などだ。

 出店に関して池野会長は、「九州への出店方針を決めた」と話した。
 始まっている今期の出店計画には九州の出店が記載がないため、参加したアナリストから状況に関して質問が出ると、池野会長は「現在、詰めているところ。下期には何らかの形が出てくるのではないか」と話した。

 さらに「競合他社が九州の出店戦略で都市型出店の余地が少ないとして出店がもたついた例もあるのでは」と聞かれると、池野会長は「郊外型や都市型を問わず出店を検討していく」と話した。

 “医食同源プロジェクト”に関しては、「地元の医師や農業、料理家と連携して医療と予防、健康を届けていく」と構想を語り、「まずは宮城県石巻から始める」とした。

 「新規事業が10%の構成を占めるようになると良いのではないか。地方創生の活力になっていく」とした。

今年6月新たなP B発売/業務効率化でカウンセリング対応強化を創出

 松本忠久社長は、今期の取り組みに関して、今年6月に満を持して新たなP B(プライベートブランド)発売を計画していることを明かした。

 食品を含めた自動発注のほか、例えば医薬品は毎日発注していたものから週に2回発注への切り替えなどを行うことで、業務効率化を図り、それにより創出された時間でヘルスケアの売り場づくりや専門的なカウンセリング力を拡充し、新たなP Bの価値最大化への基盤も整える考え。

 医師の開業を支援する目的で昨年10月に新設した「医療開発部」では、期末時点で17件が成約したという。

 採用を前倒し併設を推進した調剤に関しては、ウエルシア薬局では前期で併設率が8割を超えた。H D全体でも併設率は75.6%。引き続き、調剤併設を進める。S N S等のデジタル販促も強化方針で、アクティブユーザー拡大を図る。


 次期(2022年2月期)の業績予想は、売上高1兆210億円(前期比+7.5%)、営業利益443億円(同+3.1%)、経常利益476億円(同+3.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益270億円(同−3.6%)を見込む。
 純利益が前期比減少となるのは、2021年2月期だけの要因として法人税特別控除適用により法人税減少に伴う増加があっため、その反動となる。

この記事のライター

関連する投稿


【ウエルシアHD】市から受託した特定保健指導を店舗で実施/愛知県蒲郡市など

【ウエルシアHD】市から受託した特定保健指導を店舗で実施/愛知県蒲郡市など

【2024.03.18配信】ウエルシア薬局は3月18日、2024年時点で山形県上山市、埼玉県坂戸市、鶴ヶ島市、静岡県伊豆の国市、愛知県蒲郡市、滋賀県近江八幡市から受託している特定保健指導をドラッグストア店舗において行っているとリリースした。


【ツルハHD】ウエルシアHDとの経営統合報道でコメント公表

【ツルハHD】ウエルシアHDとの経営統合報道でコメント公表

【2023.02.26配信】ツルハホールディングスは2月26日、ウエルシアホールディングスとの経営統合に関する報道があったことを受け、コメントを公表した。


【ウエルシアHD】店舗のブースでオンライン健康相談開始/まずは2店舗で/看護師が対応

【ウエルシアHD】店舗のブースでオンライン健康相談開始/まずは2店舗で/看護師が対応

【2024.02.20配信】ウエルシアホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松本忠久氏)は2月19日から、グループのウエルシア薬局イオンタウン幕張西店・ウエルシア薬局田町グランパークにおいてオンライン健康相談(遠隔健康医療相談)サービスの提供を開始した。医療法人社団ゆみの(本社:東京都豊島区、理事長:弓野大氏)との協働で実施するもの。


【ウエルシアHD】食料品やカイロ提供/能登半島地震支援で

【ウエルシアHD】食料品やカイロ提供/能登半島地震支援で

【2024.01.09配信】ウエルシアホールディングスは1月9日、2024年2月期 第3四半期決算の説明会を開催し、その中で能登半島地震への支援状況についても説明した。


【ウエルシアHD】調剤、地域⽀援体制加算の経過措置終了も粗利率維持/各種加算の取り組みにより

【ウエルシアHD】調剤、地域⽀援体制加算の経過措置終了も粗利率維持/各種加算の取り組みにより

【2023.07.10配信】ウエルシアホールディングスは7月10日、2024年2月期 第1四半期連結業績(2023年3月1日~2023年5月31日)を公表した。調剤報酬においては地域支援体制加算の経過措置の終了があったが、同社調剤事業では、各種加算の取り組みにより粗利率は維持したという。


最新の投稿


【規制改革推進会議WG】スイッチOTC促進議論/令和8年末までOTC化目指す成分リスト公開

【規制改革推進会議WG】スイッチOTC促進議論/令和8年末までOTC化目指す成分リスト公開

【2024.03.29配信】内閣府規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ」(WG)が3月28日に開かれ、スイッチOTCの促進について議論された。


【薬局の夜間・休日対応】日本薬剤師会、リスト化の周知(その3)を発出

【薬局の夜間・休日対応】日本薬剤師会、リスト化の周知(その3)を発出

【2024.03.28配信】日本薬剤師会は3月28日に定例会見を開き、3月15日付けで「地域における夜間・休日の医薬品提供体制(在宅含む)の構築、リスト化及び周知等について【重要】(その3) 」を発出したと説明した。リスト様式を示し活用を促したもの。リスト項目に不足がある場合は差分情報のリスト化はすでに公表している地域でも必要となる。


【令和7年度の薬価“中間年改定”】岸田首相「関係者の意見も聞き検討進める」/参議院予算委員会で神谷政幸氏の質問に答える

【令和7年度の薬価“中間年改定”】岸田首相「関係者の意見も聞き検討進める」/参議院予算委員会で神谷政幸氏の質問に答える

【2024.03.28配信】参議院予算委員会が3月28日午前から開かれ、神谷政幸参議院議員が質問に立った。


【調剤報酬改定_要注意】電子版お薬手帳利用の場合の服薬管理指導料の要件はGL遵守が前提/OTC薬情報など“最低限”の項目機能装備の確認を

【調剤報酬改定_要注意】電子版お薬手帳利用の場合の服薬管理指導料の要件はGL遵守が前提/OTC薬情報など“最低限”の項目機能装備の確認を

【2024.03.28配信】厚生労働省が3月26日に発出した令和4年度診療報酬改定における「疑義解釈資料の送付について(その 64)」。電子版お薬手帳のマイナポータルのAPI連携機能について、「現に手続き開始」なら服薬管理指導料の要件として問題ないとしたものだが、この通達では「電子版お薬手帳ガイドライン」の遵守が前提。GLで定めているOTC薬情報など“最低限”の項目確認が含まれていない場合、服薬管理指導料の要件を満たさない可能性があるため、薬局薬剤師は改めて確認が求められる。


【厚労省_調剤報酬改定_疑義解釈】電子版お薬手帳のマイナAPI連携機能、「現に手続き開始」なら服薬管理料の要件として問題なし

【厚労省_調剤報酬改定_疑義解釈】電子版お薬手帳のマイナAPI連携機能、「現に手続き開始」なら服薬管理料の要件として問題なし

【2024.03.27配信】厚生労働省は3月26日、診療報酬(調剤報酬)改定の疑義解釈を発出した。


ランキング


>>総合人気ランキング