新規事業で10%の構成比になれば
決算説明会の冒頭で池野会長があいさつし、「今と同じことをやっていては5年後に会社はなくなるとも言われている」とし、変化のスピードが速くなっているとの認識を示した。その上で、「松本社長の強力なリーダーシップがある今ならできるという状況が生まれている」として、新しい取り組みを強化していく方針を示した。
具体的には九州の出店や“医食同源”などだ。
出店に関して池野会長は、「九州への出店方針を決めた」と話した。
始まっている今期の出店計画には九州の出店が記載がないため、参加したアナリストから状況に関して質問が出ると、池野会長は「現在、詰めているところ。下期には何らかの形が出てくるのではないか」と話した。
さらに「競合他社が九州の出店戦略で都市型出店の余地が少ないとして出店がもたついた例もあるのでは」と聞かれると、池野会長は「郊外型や都市型を問わず出店を検討していく」と話した。
“医食同源プロジェクト”に関しては、「地元の医師や農業、料理家と連携して医療と予防、健康を届けていく」と構想を語り、「まずは宮城県石巻から始める」とした。
「新規事業が10%の構成を占めるようになると良いのではないか。地方創生の活力になっていく」とした。
今年6月新たなP B発売/業務効率化でカウンセリング対応強化を創出
松本忠久社長は、今期の取り組みに関して、今年6月に満を持して新たなP B(プライベートブランド)発売を計画していることを明かした。
食品を含めた自動発注のほか、例えば医薬品は毎日発注していたものから週に2回発注への切り替えなどを行うことで、業務効率化を図り、それにより創出された時間でヘルスケアの売り場づくりや専門的なカウンセリング力を拡充し、新たなP Bの価値最大化への基盤も整える考え。
医師の開業を支援する目的で昨年10月に新設した「医療開発部」では、期末時点で17件が成約したという。
採用を前倒し併設を推進した調剤に関しては、ウエルシア薬局では前期で併設率が8割を超えた。H D全体でも併設率は75.6%。引き続き、調剤併設を進める。S N S等のデジタル販促も強化方針で、アクティブユーザー拡大を図る。
次期(2022年2月期)の業績予想は、売上高1兆210億円(前期比+7.5%)、営業利益443億円(同+3.1%)、経常利益476億円(同+3.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益270億円(同−3.6%)を見込む。
純利益が前期比減少となるのは、2021年2月期だけの要因として法人税特別控除適用により法人税減少に伴う増加があっため、その反動となる。