【スイッチ評価検討会議】「専門家対面不要論とスイッチの厳正な基準の整合性は」/国民生活センターの宗林氏

【スイッチ評価検討会議】「専門家対面不要論とスイッチの厳正な基準の整合性は」/国民生活センターの宗林氏

【2021.03.30配信】厚生労働省は3月29日、「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開いた。この中で国民生活センター理事の宗林氏が「専門家対面不要論とスイッチの厳正な基準の整合性はどうなっているのか」と事務局に質す場面があった。


宗林氏「整合性についての議論も」

 国民生活センター理事の宗林さおり氏が念頭に置いているのは、体制省令の改正が検討されているOTC医薬品販売の「2分の1ルール」撤廃の動きと推察される。現在は営業時間の2分の1以上、専門家を置いた医薬品販売の時間とすることを規定している。これはコンビニエンスストア業界からの要請を受けたものだが、コンビニエンスストア業界では医薬品の実地管理と情報提供を遠隔でも可能とする「遠隔管理販売」も併せて要望している。

 宗林氏は、「評価検討会議ではスイッチの条件として、セルフチェックシートやお薬手帳の活用など、厳正なチェックをして専門家の関与を前提として議論しているが、一方ではデジタル化という観点から専門家が店舗にいなくてもいいのではないか、という声も聞こえてくる。全体像としてどうなっているのか、事務局に説明いただきたい」と発言した。

 これに対し事務局は、「規制改革推進会議での事項に関して、この場で申し上げることは適切かどうかはわからないが、私どもがスイッチの議論をする際は薬剤師さんと対面でということを前提として、ステップとしては議論するのだろうと考えている。その後にネット販売などの議論になっていく」と説明した。

 宗林氏は「オンラインでの管理もよくて店舗にいなくて良いとなるのであれば、その辺りの整合性の議論もあればと思う」と要望した。

 

この記事のライター

関連するキーワード


スイッチ検討会議

関連する投稿


【規制改革推進会議WG】スイッチOTC促進議論/令和8年末までOTC化目指す成分リスト公開

【規制改革推進会議WG】スイッチOTC促進議論/令和8年末までOTC化目指す成分リスト公開

【2024.03.29配信】内閣府規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ」(WG)が3月28日に開かれ、スイッチOTCの促進について議論された。


【緊急避妊薬のOTC化】試験的運用、地域限定しない方針示す

【緊急避妊薬のOTC化】試験的運用、地域限定しない方針示す

【2023.06.26配信】厚生労働省は6月26日に「第25回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開き、緊急避妊薬のOTC化について議論した。前回から懸案になっていた試験的運用について事務局は、「地域の一部薬局における試験的運用」との資料を提出。試験的運用の実施について「一部地域の薬局」か「地域の一部薬局」とするかで議論になっていた。「地域の一部薬局」の書きぶりはエリアを限定しない方向といえる。議論では試験的運用自体には異論は出なかった。ただ薬局数を拡大すべきとの意見も出て、引き続き検討することとなった。


【緊急避妊薬のスイッチOTC化】短期的・長期的な対応策を整理へ

【緊急避妊薬のスイッチOTC化】短期的・長期的な対応策を整理へ

【2022.10.04配信】厚生労働省は9月30日に「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」(検討会議)を開き、緊急避妊薬のスイッチOTC化について議論した。


【緊急避妊薬のスイッチOTC化検討会】薬剤師の説明要する「BPC」創設も論点に/次回、パブコメ原案を提示へ

【緊急避妊薬のスイッチOTC化検討会】薬剤師の説明要する「BPC」創設も論点に/次回、パブコメ原案を提示へ

【2022.05.02配信】厚生労働省は4月28日に「第20回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催し、緊急避妊薬のスイッチOTC化について議論した。この中で、事務局は夏に開催予定の次回検討会議の場でパブリックコメント募集の原案を提示したい考えを示した。論点案にはすでにBPC(Behind the pharmacy Counter)の仕組み創設の検討も記載されており、今後、論点の1つとなる可能性があるといえそうだ。


【スイッチ検討会議】“コンバントリン錠”(蟯虫の駆除薬)のスイッチ、家族への予防的投与などが課題に

【スイッチ検討会議】“コンバントリン錠”(蟯虫の駆除薬)のスイッチ、家族への予防的投与などが課題に

【2022.01.31配信】1月14日に開かれた厚生労働省「第18回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」(転用会議)では、「コンバントリン錠/ドライシロップ」(成分名;ピランテルパモ酸塩、蟯虫の駆除薬)のOTC化が議論された。この中で、「診断」や「家族への投与」をどうするのかという課題が挙がった。いつ飲むべきなのかは、OTC医薬品に関しては「基礎的なヘルスリテラシーの蓄積で乗り越えられる」といった意見も出た。さらに「予防投薬」が問題になるのは主に保険上でありOTC医薬品の場合には違った視点になるとの見方も示された。


最新の投稿


【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【2024.07.25配信】厚生労働省は7月25日に「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催し、体外診断用医薬品の特性を踏まえた制度の見直しについて議論した。その中で「研究等の医療以外の用途を標榜する試薬の提供業者への対応」を議題とした。


【日薬】オーバードーズ問題でマニュアル作成を検討中

【日薬】オーバードーズ問題でマニュアル作成を検討中

【2024.07.24配信】日本薬剤師会は7月24日、都道府県会長協議会を開催した。


【厚労省】処方箋保存期間の検討を提示/薬局検討会

【厚労省】処方箋保存期間の検討を提示/薬局検討会

【2024.07.19配信】厚生労働省は、現在3年間となっている処方箋の保存期間について見直す方針を示した。「第7回薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で提示した。診療録の保存期間が5年となっている中、電子処方箋については処方箋を調剤済みとなった日から5年間保存するサービスを提供しているなどの環境変化を挙げている。今後、制度部会で議題とする方針。


【コンソーシアム】大阪市から調剤外部委託で4社8薬局が確認通知受領を公表

【コンソーシアム】大阪市から調剤外部委託で4社8薬局が確認通知受領を公表

【2024.07.19配信】薬局DX推進コンソーシアムは7月19日、大阪市から調剤業務一部委託事業の確認通知を受け取ったと公表した。


【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【2024.07.19配信】日本保険薬局協会は7月19日に開かれた厚労省「第7回 薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で意見書を提出した。「健康サポート薬局、地域連携薬局、地域支援体制加算届出薬局が描く薬局像は、小異こそあれ、分立させるほどの違いはない」とした。


ランキング


>>総合人気ランキング