【OTC購入者へのヘルスケアポイント付与】「ガイドライン策定の検討進む」/ドラッグストアの勉強会DMSが指摘

【OTC購入者へのヘルスケアポイント付与】「ガイドライン策定の検討進む」/ドラッグストアの勉強会DMSが指摘

【2021.02.17配信】ドラッグストアをはじめ卸やメーカーが参画して商品流通の在り方を話し合う勉強会の「ドラッグストアMD研究会」(DMS)は2月17日、「OTC販売規制緩和に関する緊急セミナー」をオンラインで開催した。その中で、OTC購入者へのヘルスケアポイント付与に関して、「ガイドライン策定の検討が進むのではないか」と指摘した。


「健保連からは活用しないということは考えられないとの声ある」

 DMSの横田 敏氏が講演した。
 薬剤の自己負担引き上げについては、2019年12月19日の経済財政諮問会議の改革工程表の中で、「市販薬と医療用医薬品との価格のバランス、医薬品の適正使用の促進等を踏まえつつ、対象範囲を含め幅広い観点から引き続き関係審議会において検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずる」ことが「取組事項」として、記載されていたことを紹介。
 1つ目は「医薬品を保険給付範囲から除外する方法」、2番目が「医薬品を保険収載したまま保険給付範囲を縮小する方法」の2つが議論されてきた。1番目の方法では医療関係者からの賛同が得られないということで、2番目の方法にシフトする傾向が強くなってきたと説明。
 2番目の手法の議論では薬剤の種類に応じた患者負担の設定、薬剤費の一定額までの全額患者負担などのやり方が検討されている。

 保険給付範囲から除外する方法では、2012年に栄養補給目的のビタミン、2014年に治療目的以外のうがい薬単体、2016年には70枚超の湿布薬が保険給付から除外されてきた。OTC化ではスムーズに医師との連携がいかないこともあり、医療用のまま医薬品だけを全額自己負担とする枠組み「保険外併用療法費制度」が活用されてきた。
 
 昨年の議論を経て提示されている主な論点は、市販品類似薬の保険給付の在り方のほか、「自己負担の引き上げ以外の方策による薬剤給付の適正化策(セルフメディケーションの推進等)」がある。これらは医療保険部会で了解されている。
 この「セルフメディケーションの推進」においては、上手な医療のかかり方の普及なども取り組み課題としてあげられている。 
 OTC薬の適切な選択・使用に関する助言を含む国民からの相談体制の構築については、健康サポート薬局やかかりつけ薬剤師・薬局の普及促進が重要となると指摘されている。横田氏は「これらと薬剤の自己負担比率の制度を絡めた検討が始まった」と指摘した。

 スイッチOTCの推進や更なる経済的インセンティブの付与の検討がされている。これには例えば、セルフメディケーション税制の延長・拡充等などが含まれる。横田氏は、OTCの適切な使用に関して、「大変重要だが、医療保険制度が充実していたために立ち遅れているのではないか」としたほか、「保険者の立場からセルフメディケーションを推進すると、保険者の役割が記載されたことの意味が大きい」と指摘した。
 保険者の具体的な取り組み案として、「スイッチOTCを使用した場合やセルフメディケーション税制を利用した場合の医療費負担の削減効果について個別に通知」することや、「被保険者に対するOTC薬購入等のセルフメディケーションに対するインセンティブ付与」などが提案されている。

 例えば花粉症薬(フェキソフェナジン)60g・14日分では、保険者は保険医療の場合は4270~4998円を負担しており、これをOTC薬購入した場合に1000円(ヘルスケアポイント1000ポイントなど)を被保険者に付与したとしても、保険者にとっての削減効果は大きいのではないかとの試算がある。

 昨年12月18日の改革工程表では、「2020年の関係審議会のとりまとめを踏まえ、医療資源の効率的な活用を図る観点から、薬剤給付の適正化へ向けて、保険者の上手な医療のかかり方およびセルフメディケーションの推進策の具体化について関係審議会において、早期の結論を得るべく引き続き検討するとともに、その他の措置についても検討」との記載になった。

 2013年の日本再興戦略でセルフメディケーション推進が記載されてから、7年以上が経過しているが、健康サポート薬局が設けられるなど、「一つ一つ取り組みが具現化されてきている」(横田氏)。

 ヘルスケアポイントを活用したOTC購入のインセンティブに関して今後想定されるシナリオについては、厚労省に関しては、「保険者に検討してもらうのが基本としつつも、一定のガイドラインの見直し等は必要かどうかなどを検討している」と分析。
 健保連の反応に関しては、「国が方針を示してくれたことは大きい。それを活用しないということは考えられない」との声があるという。ただし、「ヘルスケアポイントは歴史が浅く、なじんでいない」という感触もあるそうで、「厚労省と相談しながら進めていきたい」との意向があるという。
 協会けんぽ(全国健康保険協会)に関しては、「健保連での仕組みづくりで実績をつくってもらいたい」との意向という。

 こうした要請を受け、「今後、厚労省でもガイドラインの見直しを検討するのではないか」と横田氏は分析する。

 横田氏は「健保連などの財政状況が厳しく、今後は予防・保健事業に財源をシフトしていくのではないか。それがセルフメディケーションの推進にもつながっていくと思う」と予測した。

 セミナー動画は2月17日から2月26日まで配信している(要申し込み)。

この記事のライター

関連する投稿


【薬食審一般用部会】3成分のOTC化了承。イトプリド塩酸塩、プロピベリン塩酸塩、オキシメタゾリン塩酸塩/クロルフェニラミンマレイン酸塩。効能は胃もたれ、尿意切迫感、鼻づまり等

【薬食審一般用部会】3成分のOTC化了承。イトプリド塩酸塩、プロピベリン塩酸塩、オキシメタゾリン塩酸塩/クロルフェニラミンマレイン酸塩。効能は胃もたれ、尿意切迫感、鼻づまり等

【2021.03.04配信】厚生労働省は3月3日に、「薬事・食品衛生審議会 要指導・一般用医薬品部会」を開催し、審議した3成分全てのOTC化を了承した。了承されたのは、イトプリド塩酸塩、プロピベリン塩酸塩、オキシメタゾリン塩酸塩/クロルフェニラミンマレイン酸塩の3つ。効能は胃もたれ、尿意切迫感、鼻づまり等となっている。


【規制改革会議】スイッチ促進の目標を設定へ。ジェネリック薬のような数量目標なるか

【規制改革会議】スイッチ促進の目標を設定へ。ジェネリック薬のような数量目標なるか

【2021.02.24配信】内閣府の規制改革推進会議は2月24日、医療・介護ワーキング・グループを開催し、「一般用医薬品(スイッチOTC)の選択肢の拡大」を議論した。その中で、厚労省は、「スイッチ化を進めうる分野や目標の在り方等について検討を進めたい」と回答。規制改革推進会議では「進捗をKPIとして管理する」ことを求めていたが、いまだKPIが定まっていないとの批判が出たようだ。ジェネリック医薬品ではKPIとして数量ベースでの目標値などが定められたことから推進した経緯があり、KPI設定には政策推進力があることが知られている。こうした数値目標が設定されるのかどうか、注目される。


【注目の薬食審一般薬部会3月3日に開催】イトプリド塩酸塩、プロピベリン塩酸塩、オキシメタゾリン塩酸塩/クロルフェニラミンマレイン酸塩の3つのOTCを審議

【注目の薬食審一般薬部会3月3日に開催】イトプリド塩酸塩、プロピベリン塩酸塩、オキシメタゾリン塩酸塩/クロルフェニラミンマレイン酸塩の3つのOTCを審議

厚生労働省は、3月3日に「薬事・食品衛生審議会 要指導・一般用医薬品部会」(薬食審一般薬部会)を開催することを告知した。企業の知的財産等が開示され、特定の者に不当な利益もしくは不利益を与えるおそれがあるため非公開の開催。イラクナ(有効成分:イトプリド塩酸塩)、バップフォーレディ、ユリレス(有効成分:プロピベリン塩酸塩)、ナシビンメディ(有効成分:オキシメタゾリン塩酸塩/クロルフェニラミンマレイン酸塩)の3つが審議される。


【緊急避妊薬と薬剤師】研修を受けて在庫も置いた荒川区の薬剤師の話

【緊急避妊薬と薬剤師】研修を受けて在庫も置いた荒川区の薬剤師の話

緊急避妊薬のアクセスを高めるために薬局での販売を求める声が市民から大きくなっているのは周知の通りだ。こうした動きの中、受け皿としての期待が高まっている薬剤師側の声は必ずしも大きくはない。しかし、緊急避妊薬に限定した知識だけでなく、女性特有の健康に関する知識、地域の機関へつなげられるスキルなど、生活者の要望に応えられる力を着々とつけ始めている薬剤師は少なくない。荒川区の薬剤師・鈴木怜那氏もその一人だ。


【スイッチ検討会議中間とりまとめ】「自覚症状のないスイッチ」への慎重意見併記

【スイッチ検討会議中間とりまとめ】「自覚症状のないスイッチ」への慎重意見併記

【2021.02.10配信】厚生労働省は、「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」の「中間とりまとめを」公表した。焦点であった「医師の管理下での処方で長期間状態が安定しており、対処方法が確定していて自己による服薬管理が可能な医薬品等」に関しては、「自覚症状がないものに使用する医薬品については、スイッチ OTC 化すべきではないとの意見もあった」との慎重意見が併記となった。


最新の投稿


【薬剤師の取り組み】S N Sアカウントを「性教育と薬物専門講師」にした薬剤師の活動

【薬剤師の取り組み】S N Sアカウントを「性教育と薬物専門講師」にした薬剤師の活動

【2021.03.08配信】緊急避妊薬を薬局で販売する議論がきっかけの一つではあると思う。薬局薬剤師の中に、「性」に関する相談能力を拡充しようとする動きがある。ヒルマ薬局(東京都板橋区)の比留間康二郎氏もその一人だ。S N Sのアカウントを「性教育と薬物専門講師」とし、学校への講演活動などを展開している。今回、比留間氏から活動への思いをご寄稿いただいた。その中に込められていたのは、難しいテーマだからこそ、悩んでいる若い世代に寄り添えることのやりがいではないかと思う(編集部)。


「ブルーゾーンプロジェクト」始動、薬局が地域と連携して健康寿命延伸に寄与

「ブルーゾーンプロジェクト」始動、薬局が地域と連携して健康寿命延伸に寄与

【2021.03.08配信】健康寿命が長い地域の通称として知られる“ブルーゾーン”。このブルーゾーンや健康で長寿な人の研究が進んでおり、体を動かしていることや食事、社会との関わりを持ち続けているなどの共通点も分かってきている。そうであるなら、人工的に地域をブルーゾーンにする取り組みができないのか――。そんな発想から始まったのが「ブルーゾーンプロジェクト」だ。


【2月月次】薬王堂HD、全店−7.8%、既存店−11.8%

【2月月次】薬王堂HD、全店−7.8%、既存店−11.8%

【2021.03.08配信】薬王堂ホールディングスは2月月次業績を公表した。それによると、全店−7.8%、既存店−11.8%だった。


【2月月次】ココカラファイン、全店-12.1%、既存店-17.3%

【2月月次】ココカラファイン、全店-12.1%、既存店-17.3%

【2021.03.08配信】ココカラファインは2月月次業績を公表した。それによると、全店-12.1%、既存店-17.3%だった。


【コロナワクチン薬剤師研修_詳細レポート】2月27日に実施された東住吉区薬剤師会の内容

【コロナワクチン薬剤師研修_詳細レポート】2月27日に実施された東住吉区薬剤師会の内容

【2021.03.05配信】大阪市の東住吉区薬剤師会は2月27日に、新型コロナワクチンの希釈・薬液充填に関する手技講習を実施した。同会の執行部、そして同会に協力した東住吉森本病院薬剤科や訪問看護ステーション湊が力を合わせて当日のテキストや準備品を用意したものだ。注射の扱いに必ずしも慣れていない薬剤師が希釈や充填などの作業を習得するための情報は多くない。「これから実施する薬剤師の参考になれば」と、詳細を記事にすることを了解いただいた同会に感謝したい。


ランキング


>>総合人気ランキング

最近話題のキーワード

ドラビズ on-line で話題のキーワード


GoTo コロナ ツルハホールディングス ツルハ 従業員感染 訃報 店員 従業員