令和2年4⽉〜9⽉の医療費の伸び率(対前年同⽉⽐)を⾒ると、4⽉に-8.8%、5月に-11.9%と、10%程度の減少がみられた。その後、6月は-2.4%にとどまり、7⽉は-4.5%と拡大したが、8月には-3.5%、9月は-0.3%と減少幅は小さくなった。
診療種類別では、9⽉になり、⼊院、⼊院外、調剤は減少幅は減少、⻭科は増加幅が拡⼤した。種類別によって異なった動きがみられる。
未就学者、医科診療所の⼩児科や⽿⿐咽喉科は9⽉においても依然20%程度の減少となっており、都道府県間の減少幅の差異はわずかに拡⼤した。
種類別では、「入院」は4月に-6.5%、5月に-10.1%、6月に-4.0% 、7月に-4.3%、8月に-3.0%、9月にー0.2% の減少。
「入院外」は4月に-13.7%、5月に-15.4%、6月に-2.6% 、7月に-5.8% 、8月に-4.7%、9月にー1.0% の減少。
「⻭科」は、 4月に-15.3%、5月に-15.8%、6月に-0.2% 、7月に-4.0% の減少、8月に 0.9%、 9月に 5.0% の増加。
「調剤」は、4月に-3.1%、5月に-8.7%の減少、6月に0.1% の増加、7月に-3.6% 、8月に-5.3% 、9月に-1.7% の減少。
ただし、上記は稼働日を考慮しない数値。9月は1日稼働日が多かった(日曜・祭日が少なかった)ため、稼働日を補正すると、例えば調剤医療費では令和元年度+4.6%のところ、4月に-7.1%、5月に-10.5%と大きくマイナスとなり、6月に-5.3%、7月に+0.6%、8月 -1.3%と回復傾向がみられたが、9月が -5.9%と再びマイナス幅が大きくなっている。
医療側の委員からは「不安の声が現場にはある」として、第4波の可能性を含めて、医療経営の対策を打つことへの要望が出された。
日本薬剤師会の森昌平副会長も、「薬局は小児科・耳鼻科などの区分に分けてみることはできないが、6割減などの薬局も少なくなく、細かくみて対応をいただきたい」と述べた。
毎年、自然増を5000億円程度におさめてきた医療費だが、来年4月の診療報酬・調剤報酬改定では、たとえプラス改定となったとしてもコロナの影響をどの程度織り込んでいるのか、読みづらい展開になりそうだ。
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