JACDS政治連盟は、来年3月で終了する消費税の特措法延長(いわゆる総額表示問題)に関してロビー活動を展開してきたが、両方併記を認める方向で決着したことを報告。今後も自民党のヘルスケア議員懇話会(林芳正会長)と公明党のドラッグストア振興議員懇話会(石田祝稔会長)と連携していく考え。
その上で、今後の活動として、「セルフメディケーション税制の利用促進」「医薬品販売の資格者常駐堅持」「スイッチOTC化の促進」「類似市販薬のある医薬品の保険適用からの除外」――の4つを挙げた。
このうち、スイッチOTC化の促進に関して根津氏は「一丁目一番地だ」と述べた。「手強いが引き続き注力していく」とした。
政治連盟としてはスイッチOTCに関して、「保険財政上、有効な手段であるとともに、セルフメディケーション実施における選択の幅を広げ、より効果を発揮する医薬品を提供できる施策」との立場を明確化。「規制改革推進会議の提言は閣議決定された。それに則って厚労省が進めていくことを注視したい」とし、そこに向けては「日本一般用医薬品連合会や日本OTC医薬品協会との連携を一層、緊密にしていきたい」とした。
セルフメディケーション税制に関しては、「具体的にどういった内容になっていくのか注視しながらメーカー団体とも連携して実績の積み上げにつなげていく」とした。
「医薬品販売の資格者常駐堅持」については当メディア既報の通り、山本厚労副大臣に文書を提出した。
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JACDS政治連盟が「スイッチOTC医薬品は一丁目一番地」と述べたのは印象的だ。ほかの2つの「セルフメディケーション税制」と「OTC類似薬の保険適用除外」も、ある面でスイッチOTCを側面支援する課題といえる。
過去にはセルフメディケーション税制に関連して、「本来は軽減税率の対象にOTC医薬品をすべきだ」と主張したこともあったJACDSだが、最近ではその主張を引っ込めてでもOTC産業との協調路線を選択しているように映る。これは現実的なスイッチOTC化の促進のためには、実際に上市を進めるメーカーとの連携が欠かせない側面があるといえよう。
さらには、池野隆光会長が就任当初から掲げてきた他団体との連携という方針が協会に浸透してきている証なのかもしれない。池野会長は当メディアのインタビューで「どちらが正論かを議論するつもりはない。共有できる課題があるのであれば共有していく」との考えを述べていた。
【ドラッグストア協会】「スイッチOTCは一丁目一番地」「医師会を攻める」/根津副会長
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は12月11日に会見を開き、副会長の根津孝一氏(日本チェーンドラッグストア協会政治連盟幹事長)は「スイッチOTCは一丁目一番地だ」と語り、今後、日本一般用医薬品連合会などとの連携を密にしていく方針を語った。会見の前日に決着したセルフメディケーション税制に関しても、「具体的にどういった内容になっていくのか注視していく」とした上で、「メーカー団体とも連携して実績の積み上げにつなげていく活動をしていく」と述べた。また、医師会に攻めていく姿勢も示した。
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