JACDS政治連盟は、来年3月で終了する消費税の特措法延長(いわゆる総額表示問題)に関してロビー活動を展開してきたが、両方併記を認める方向で決着したことを報告。今後も自民党のヘルスケア議員懇話会(林芳正会長)と公明党のドラッグストア振興議員懇話会(石田祝稔会長)と連携していく考え。
その上で、今後の活動として、「セルフメディケーション税制の利用促進」「医薬品販売の資格者常駐堅持」「スイッチOTC化の促進」「類似市販薬のある医薬品の保険適用からの除外」――の4つを挙げた。
このうち、スイッチOTC化の促進に関して根津氏は「一丁目一番地だ」と述べた。「手強いが引き続き注力していく」とした。
政治連盟としてはスイッチOTCに関して、「保険財政上、有効な手段であるとともに、セルフメディケーション実施における選択の幅を広げ、より効果を発揮する医薬品を提供できる施策」との立場を明確化。「規制改革推進会議の提言は閣議決定された。それに則って厚労省が進めていくことを注視したい」とし、そこに向けては「日本一般用医薬品連合会や日本OTC医薬品協会との連携を一層、緊密にしていきたい」とした。
セルフメディケーション税制に関しては、「具体的にどういった内容になっていくのか注視しながらメーカー団体とも連携して実績の積み上げにつなげていく」とした。
「医薬品販売の資格者常駐堅持」については当メディア既報の通り、山本厚労副大臣に文書を提出した。
********
JACDS政治連盟が「スイッチOTC医薬品は一丁目一番地」と述べたのは印象的だ。ほかの2つの「セルフメディケーション税制」と「OTC類似薬の保険適用除外」も、ある面でスイッチOTCを側面支援する課題といえる。
過去にはセルフメディケーション税制に関連して、「本来は軽減税率の対象にOTC医薬品をすべきだ」と主張したこともあったJACDSだが、最近ではその主張を引っ込めてでもOTC産業との協調路線を選択しているように映る。これは現実的なスイッチOTC化の促進のためには、実際に上市を進めるメーカーとの連携が欠かせない側面があるといえよう。
さらには、池野隆光会長が就任当初から掲げてきた他団体との連携という方針が協会に浸透してきている証なのかもしれない。池野会長は当メディアのインタビューで「どちらが正論かを議論するつもりはない。共有できる課題があるのであれば共有していく」との考えを述べていた。
【ドラッグストア協会】「スイッチOTCは一丁目一番地」「医師会を攻める」/根津副会長
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は12月11日に会見を開き、副会長の根津孝一氏(日本チェーンドラッグストア協会政治連盟幹事長)は「スイッチOTCは一丁目一番地だ」と語り、今後、日本一般用医薬品連合会などとの連携を密にしていく方針を語った。会見の前日に決着したセルフメディケーション税制に関しても、「具体的にどういった内容になっていくのか注視していく」とした上で、「メーカー団体とも連携して実績の積み上げにつなげていく活動をしていく」と述べた。また、医師会に攻めていく姿勢も示した。
関連する投稿
【2025.06.02配信】エーザイは6月2日、国内 OTC 医薬品として初めて製造販売承認を取得したプロトンポンプ阻害薬(PPI)である「パリエットS」を発売した。
【日本薬剤師会】緊急避妊薬の調査事業を報告/「世の中の流れはスイッチ化と理解」
【2025.05.22配信】日本薬剤師会(日薬)は5月22日に定例会見を開催した。その中で緊急避妊薬の薬局販売にかかる調査事業について報告した。
【2025.05.15配信】あすか製薬は5月15日、 緊急避妊薬のスイッチ OTC について、製造販売承認申請を行ったと公表した。
【ドラッグストア協会】森副会長、「200店舗」などへの波及警戒/調剤報酬改定要望
【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日に定例会見を開いた。
【ドラッグストア協会】調剤額伸び率鈍化、「まだ併設出店意欲ある」/今後の伸び率維持に自信
【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日、定例会見を開いた。
最新の投稿
【2025.06.16配信】グラクソ・スミスクラインは6月16日、同社が販売する「フルナーゼ点鼻液」について、年内を目途に販売を中止することを公表した。
【大木ヘルスケアHD】“推し活”キーに医薬品需要に気付き/目薬や喉ケア/秋冬商品提案で
【2025.06.15配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングスは6月11日に、事業部説明会を開催した。来る6月17日(火)~6月18日(水)にTRC 東京流通センターで開く「2025OHKI秋冬用カテゴリー提案商談会2025 年 OHKI 秋冬用カテゴリー提案商談会」の事前説明会の位置付け。OTC医薬品に関しては、“推し活”市場の拡大を背景に、“推し活”をきっかけに需要に気付きを与える提案を実施することを説明した。
【骨太方針_閣議決定】「高齢化の伸び」に経済・物価動向の増加分を加算
【2025.06.13配信】政府は6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針 2025」、いわゆる骨太方針を閣議決定した。医療・介護に関連しては、「高齢化による増加分に相当する伸びにこうした経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算する」と記載した。これまでは、社会保障関係費の伸びを高齢化の範囲内に抑える方針がとられてきた。薬剤師で参議院議員の神谷政幸氏はXで「税収増を踏まえた経営の安定化や確実な賃上げに繋がる対応がついに反映」と投稿。医療介護業界の声が届いたとの考えを示唆した。
【奈良県薬剤師会】「健康ハートの日 2025」に協賛/気になる“nara”測ろう血圧ポスター作成
【2025.06.12配信】奈良県薬剤師会(後岡伸爾会長)は、「健康ハートの日 2025」に協賛する。
【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査
【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。