三輪会長「コロナで産業構造変化が予想以上に早く」
会の冒頭、挨拶した三輪会長は、昨今の新型コロナウイルス感染症による影響を総括し、「これまで指摘してきた産業構造の変化が予想したよりも早く訪れることになった」と指摘。「旧態依然の企業は大きな影響が出るか、自然淘汰されることになる」と予測した。協議会の活動については、「産・官・学の垣根を越えて横断的な情報交換を行い、健康寿命延伸につながる提言を行っていく」と話した。
講演を行った近畿経済産業局長の米村 猛氏は、同局ではスタートアップ企業への投資や、大企業とスタートアップ企業の契約の適正化、企業発オープンイノベーションの推進、産学官融合によるイノベーション・エコシステムの強化、大学改革等による知と人材の集積拠点としての大学の機能強化など、さまざまな施策を行っていく方針を説明した。こうした施策を通して、「イノベーションを推進するためのプラットフォームになれれば」との考えを語った。
ヘルスケア産業に関しては、公的保険外のサービスを産業化していくことの重要性を指摘。今年3月に閣議された「第2期健康・医療戦略」にも、「健康長寿社会の形成に資する新産業創出及び国際展開の促進」と記載されていることを紹介した。
参加者からデジタル庁への期待に関する質問が出ると、米村氏は「今の業務をデジタル化することはできるが、それが本来のデジタル化ではなく、業務自体を見直していくことが必要になる」との考えを表明。電子カルテを事例に出し、「例えばメーカーで違いを持たせて競争すべきところはどこで、共通させるべきところはどこかといった議論が併せて必要になる。こうした見直しを2~3年で急速に議論するということだと理解している。期待していただきたい」と述べた。
最後に、座長を務めた公益社団法人 日本WHO協会 理事長で甲南女子大学 教授(JSPA理事)の中村 安秀氏は、2025年に「大阪・関西万博」の開催を控える近畿エリアの関係者からの講演だったことに関連し、「日本型セルフケアを海外に発信していくこともJSPAの使命ではないかと感じた」との感想を述べた。