すでにできてしまっている敷地内薬局「地域でどう活かしていくかも課題」
厚労省では認定薬局や健康サポート薬局のあり方について、これまで「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」(検討会)で9回にわたり議論を重ね、そのとりまとめを次期薬機法改正を議論する「厚生科学審議会 医薬品医療機器制度部会」の10月3日の会で報告、議論している。
検討会のとりまとめを受けた薬機法改正議論への受け止めについて聞かれると、協会会長の三木田慎也氏は、機能が明確化されていくことに対して「有り難い」との認識を示した。
「不鮮明で分かりづらい面があった機能が、今回、薬機法の中で位置付けられることで鮮明になっていくことは、再度現場でも求められていることでもあるので、大変有り難いことだ」(三木田会長)と述べた。
中でも、健康サポート薬局については研修を受けて届出を進めてきたものの、「どういう位置付けなのか」という声は出てきていたとし、「国もそう感じておられるんだと思う」と、現場の感覚と議論の方向に違和感はないとの感触を示した。
三木田会長は地域でそれぞれの薬局が連携していく必要性をこれまでも指摘してきた。
制度部会で薬局間連携についても議論されている中、三木田会長は「大病院前の薬局などそれぞれに機能・役割はあるんだろうと思う。敷地内薬局にしても、いろんな見方があるんだろうとは思うが、役割や機能が与えられていないのであれば、すでにできてしまっている薬局を地域でどういうふうにして活かしていくのかは課題だと思っている」述べた。
「医薬品供給拠点というカードもあるわけなので、これはエヌファ(NPhA)の会員企業が果たすべき役割の1つだと思っている」(三木田氏)とした。
規模の大きな薬局法人では認定薬局増加傾向
法制化されている認定薬局である「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」、および届出制の「健康サポート薬局」に関しては、同日の会見でも協会加盟社における整備状況調査結果も出ていた。
回答薬局中の認定・届出率が24年1月には地域連携薬局28.7%、専門医療機関連携薬局1.2%、健康サポート薬局18.3%だったものが、24年8月にはそれぞれ、35.7%、1.5%、20.5%と上昇している(Nはそれぞれ5413薬局と5982薬局)。
今回の回答薬局の所属グループの規模では81%が「300薬局以上」となっており、規模の大きな法人の母数が多いことも見受けられる。
全国的には認定薬局の申請が踊り場になっている傾向がある中で、規模の大きな薬局法人では依然として申請が増加しているとも読み取れる。
三木田会長も「(アンケート回答は)規模の大きな法人がシェアを占めているので、やはり大きい会社が(認定薬局申請増加の)中心になっている結果ではないか」との見方を示していた。
薬剤師の配属数でも地域連携薬局では平均値が4.4人、専門医療機関連携薬局では7.6人、健康サポート薬局では4.5人となっており、店舗規模でも一禎の規模の薬局が多いことが見受けられた。
今後、こうした実態もふまえ、有効な地域での薬局間連携のあり方の議論が進められる必要があるといえる。