【日本チェーンドラッグストア協会】敷地内薬局“グループ一律引き下げ”見送りを歓迎/調剤報酬改定答申を受けて

【日本チェーンドラッグストア協会】敷地内薬局“グループ一律引き下げ”見送りを歓迎/調剤報酬改定答申を受けて

【2024.02.22配信】日本チェーンドラッグストア協会は2月22日に定例会見を開き、令和6年度調剤報酬改定の答申に対しての見解を示した。


 日本チェーンドラッグストア協会はこれまで、調剤報酬改定の議論に対して意見表明などを行ってきた。昨年1月には調剤報酬専門委員会(関口周吉委員長)を立ち上げ、同年5月に「2024 年診療報酬に向けた要望」を、その後12月には「特別調剤基本料の薬局を有する開設者の体制評価(イメージ)に対する意見」をとりまとめ国に提出(同時に公表)していた。

 このほど、令和6年度度調剤報酬改定に関する中央社会保険医療協議会の答申が示されたことから、これまでの協会要望も踏まえた協会の見解を示した。

 見解の文書ではまず、敷地内薬局の“グループ一律引き下げ”が見送られたことを歓迎するとの考えを示した。

 また歓迎している点として、在宅の評価、連携強化加算の増額を挙げた。在宅推進のための適切な評価や連携強化加算の増額などは協会要望の数多くが実現したとし、これについては歓迎するとした。一方、「ただし、連携強化加算については、災害時に果たす重大な役割に鑑みなお一層の評価が必要である」と付け加えている。

 また疑問の残る点として、「地域支援体制加算の一律減額」を指摘。「地域支援体制加算について要件の厳格化に加え一律大幅な減額措置が講じられたことは、国が推進する地域包括ケアシステムの構築に逆行するものであり、まことに遺憾である」とした。「今回の措置は加算取得率の高いチェーン薬局への打撃となることは間違いなく、他の薬局に先駆けて意欲的に地域支援体制の構築に取り組んできた立場からは、到底納得できないものである」とした。加えて、「地域医療連携に不可欠な、在宅の推進を始めとする高機能薬局の今後の展開・普及に深刻なマイナスの景響が予想され、政策的にも得策とは考えられない」とした。

  「賃上げ原資に対する不公平な取扱い」として、「地域支援体制加算の減額分が(7点)は賃上げ原資とされる調剤基本料の増額分(3点)を上回るため、地域支援体制の構築に取り組んできた薬局にとっては、賃上げ原資の補填がない結果となっている。薬剤師等への賃上げが国の方針として示されていることからみて、このような結果は公平性の観点からは看過しえないものである」とした。

  「グループ規模による差別的評価の取扱い」も指摘。次のように指摘した。「そもそも薬局は個別に機能に応じて評価されるべきであり、当協会ではグループの規模による差別的な取扱いと、これに関連する調剤基本料の区分と地域支援体制加算の連動の廃止を昨年来要望してきた。いまだ実現していないばかりか、中央社会保険医療協議会で議論もされていないことは、まことに遺憾である。特に地域支援体制加算については、早急に調剤基本料の区分に関係のない一元的な要件とする必要がある」とした。

 さらに、「医療経済実態調査の集計バイアス」を指摘。協会では、医療経済実態調査の調査対象薬局は1/25の無作為抽出で行われる一方で、専門医療機関連携薬局は全数が調査対象となっているにもかかわらず、集計分析において補正の形跡はなく、そのためグループ規模別の平均値等においてバイアスのある集計となっていることが懸念されるとの意見を表明してきた。しかし、「これまでのところ何の説明もない」とし、「薬局を対象とする医療経済実態調査とその集計分析は調剤報酬の議論の前提となるものであり、その透明性と公平性の担保を強く求める」とした。

 最後に「決定プロセスへの疑問」を挙げた。前述のような問題が出てくる根本原因について、「中央社会保険医療協議会の決定プロセスからチェーン展開する薬局事業者が排除されていることにある」とし、早急な是正を求めるものである」とした。

 協会の関口周吉委員長は、決定プロセスについて会見で説明し、日本薬剤師会や日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会の3団体で「意見を出し合う場」や、「中医協としての議論の流れなどを聞く時間」を設けたいとの意向を示した。この方針については協会の理事会でも決議されたという。

この記事のライター

関連する投稿


【松本清雄氏】ドラッグストア協会・次世代部会の展望にコメント

【松本清雄氏】ドラッグストア協会・次世代部会の展望にコメント

【2026.06.15配信】日本チェーンドラッグストア協会は6月15日、総会後の会見を開いた。この中で松本清雄氏(マツキヨココカラ&カンパニー代表取締役社長)が協会の次世代部会についてコメントした。


【日本保険薬局協会】調剤報酬の解説を作成/正会員限定で会員のメリット訴求

【日本保険薬局協会】調剤報酬の解説を作成/正会員限定で会員のメリット訴求

【2026.06.11配信】日本保険薬局協会は6月11日、定例会見を開いた。この中で「調剤報酬等に係る解説」を作成したことを報告。協会正会員限定への提供とすることで、協会会員のメリットも訴求したい考え。


【大木ヘルスケアHD】“門前薬局減算”に備える売り場充足を提案

【大木ヘルスケアHD】“門前薬局減算”に備える売り場充足を提案

【2026.06.04配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングス(代表取締役社長:松井秀正氏)は6月4日、6月16・17日に開催を予定している「2026秋冬カテゴリー提案商談会」の事前説明会を開催した。今回の調剤報酬改定で新設された「門前薬局等立地依存減算」(調剤基本料の15点マイナス)を取り上げ、減算に備える売り場充足を提案するとした。


【調剤報酬通知訂正】在総加算2イ100点を施設でも一部算定可能に/要介護3以上の状態など

【調剤報酬通知訂正】在総加算2イ100点を施設でも一部算定可能に/要介護3以上の状態など

【2026.05.29配信】厚生労働省は5月29日、「令和8年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について」を発出した。調剤報酬では、個人宅の在宅訪問時を想定して新設した「在宅薬学総合体制加算2」イ100点について、要介護3以上の状態の患者などの要件を満たせば施設患者であっても算定可とした。令和8年度調剤報酬改定では「在宅薬学総合体制加算1」を30点に増点するとともに、「在宅薬学総合体制加算2」について、 単一建物診療患者が1人又は単一建物居住者が1人の場合「イ」を新設し、 100点とした。またイ以外の場合で50点を設けていた。


【調剤報酬改定_疑義解釈6】電子的調剤情報連携体制整備加算の施設基準について

【調剤報酬改定_疑義解釈6】電子的調剤情報連携体制整備加算の施設基準について

【2026.05.25配信】厚生労働省は5月22日、令和8年度診療報酬改定の「疑義解釈(その6)」を発出した。「電子的調剤情報連携体制整備加算」の「電子処方箋を受け付け、当該電子処方箋により調剤する体制を有する」との施設基準について、機能拡張はされても、令和5年1月 26 日から稼働した基本機能に対応していることで要件を満たすとした。


最新の投稿


【日本病院薬剤師会】薬剤師のキャリア形成“ロードマップ”作成

【日本病院薬剤師会】薬剤師のキャリア形成“ロードマップ”作成

【2026.07.05配信】日本病院薬剤師会は薬剤師のキャリア形成における“ロードマップ”を作成していく方針を示した。6月20日に開かれた総会で武田泰生会長が会長演述の中で示した。


【東京都薬剤師会】資材不足「業務に影響」が94.8%

【東京都薬剤師会】資材不足「業務に影響」が94.8%

【2026.07.03配信】東京都薬剤師会(都薬)は7月3日に定例会見を開き、「調剤資材供給不安に関する緊急実態調査」の集計結果を公表した。


【パブコメ】セフトリアキソンナトリウム水和物を特定重要物資としての取組に追加

【パブコメ】セフトリアキソンナトリウム水和物を特定重要物資としての取組に追加

【2026.07.02配信】厚生労働省は6月30日、セフトリアキソンナトリウム水和物を安定確保の取組に追加することについて、パブリックコメントを開始した。医療法の特定重要物資に同成分が指定されたことを受けた改定。2027年に商用国内生産設備及び備蓄設備の構築を開始し、2032年までに国産原料由来の原薬の商用国内生産設備及び備蓄設備の構築を完了するとともに、国内で製造した原薬の販売先である製造販売業者による薬事上の手続等に要する期間等を考慮し、2033年までに供給途絶時においても、医療現場に切れ目なく安定供給できる体制を整備する旨を新たに定める。


【骨太原案】“OTC類似薬”、2027年度以降の対象範囲の拡大検討

【骨太原案】“OTC類似薬”、2027年度以降の対象範囲の拡大検討

【2026.07.01配信】政府は6月30日、「経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる“骨太方針”の原案をとりまとめ、公表した。医療保険関連では、OTC類似薬の保険給付の見直しに関して、施行とその状況等を踏まえた2027年度以降の対象範囲の拡大に向けた検討などを進めるとした。


【骨太原案】「薬価改定を実施」

【骨太原案】「薬価改定を実施」

【2026.07.01配信】政府は6月30日、「経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる“骨太方針”の原案をとりまとめ、公表した。診療報酬改定の中間年にあたる2027年度において薬価改定を実施すると明記した。


ランキング


>>総合人気ランキング