【中医協】病院薬剤師の卒後研修への評価が俎上に

【中医協】病院薬剤師の卒後研修への評価が俎上に

【2023.11.15配信】厚生労働省は11月15日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。この中で病院薬剤師の卒後研修への評価が俎上にのぼった。


 同日の中医協では「働き方改革(その2)について」も議題となっていた。この中で事務局は【医療機関における薬剤師の業務について】に関連する論点として、「病院薬剤師のさらなるチーム医療の推進と医療の質の向上の観点から、病棟を含む幅広い業務を習得させる教育研修体制とともに、地域の病院へ出向して地域医療を経験させる取組を行っている医療機関の評価についてどのように考えるか」と提示した。

 
 すでにレジデント制度を導入している医療機関があり、そういった取り組みを評価するとの論点を示した格好。事務局は、近年、チーム医療の進展や薬物療法の高度化・複雑化等に対応するため、薬剤師免許を取得した直後の薬剤師を対象にした数年間のプログラムによる教育・研修(レジデント制度など)が、一部の医療機関で実施されていると現状を指摘。特に、病床規模の大きい病院における実施割合が高いといった状況を示した。その上で、そういった取り組みが医療計画にも記載された薬剤師の確保につながる可能性があることを指摘。事務局資料では、「教育研修の一環として、地域の病院へ出向する仕組みを導入している病院もあり、周囲の医療機関等と連携して地域医療を経験することで広い視野を身につけることができ、出向経験者のスキルアップや、基幹病院として目指す指導的な人材の育成機能の強化につながり、基幹病院における質の高い薬物療法の提供に寄与するだけでなく、地域の病院の薬剤師確保に資する取組となっている」とした。

日医からは実効性問う声も/「保険薬局に多くの薬剤師が流れている現状においてどの程度の実効性があるのか」

 ただ、医療関係者からは実効性を疑問視する声も出た。
 日本医師会常任理事の長島公之氏は、「病院薬剤師がさらなるチーム医療の推進と医療の質の向上を図るために 病棟を含む幅広い業務を習得させる教育研修体制と地域医療の経験を提供する取り組みは重要と考えますので、論点に示されている方向性は理解できるところではありますが、現実には論点に記載されているような対応ができる医療機関は大学病院とごく一部の医療機関に限られるように思います。またそういった病院であっても病棟で勤務する薬剤師が少なく、保険薬局に多くの薬剤師が流れている現状においてどの程度の実効性があるのかという疑問もあります」と述べた。

この記事のライター

関連するキーワード


中医協 卒後研修

関連する投稿


【中医協】日本薬剤師会森昌平副会長が委員退任挨拶

【中医協】日本薬剤師会森昌平副会長が委員退任挨拶

【2026.06.24配信】厚生労働省は6月24、中央社会保険医療協議会(中医協)を開いた。この中で、同日付けで委員を退任する日本薬剤師会副会長の森昌平氏が退任に際し挨拶をした。


【ウエルシアHD傘下の薬局不祥事】中医協の場で糾弾/日薬「報酬返還だけでなく薬事対応を」

【ウエルシアHD傘下の薬局不祥事】中医協の場で糾弾/日薬「報酬返還だけでなく薬事対応を」

【2026.03.11配信】厚生労働省は3月11日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。この中で日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、ウエルシアホールディングスのグループ会社であるコクミンの不祥事について特別にコメントし、「報酬返還だけでなく薬事上の対応を」と求めた。


【中医協】短冊修正点/服用薬剤調整支援料2の研修について追記

【中医協】短冊修正点/服用薬剤調整支援料2の研修について追記

【2026.01.30配信】厚生労働省は1月30日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、次期調剤報酬改定の個別改定項目、いわゆる短冊の修正点を議題とした。調剤報酬に関しては、服用薬剤調整支援料2の研修について追記した。


【中医協】後発薬調剤体制加算を廃止、医薬品の安定供給体制評価を新設

【中医協】後発薬調剤体制加算を廃止、医薬品の安定供給体制評価を新設

【2026.01.23配信】厚生労働省は1月23日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その1)」を議題とした。項目を列記するもので点数は未定。後発薬調剤体制加算を廃止し、医薬品の安定供給体制評価を新設するとした。


【中医協】オンライン診療施設を設置する薬局は「敷地内薬局」

【中医協】オンライン診療施設を設置する薬局は「敷地内薬局」

【2026.01.23配信】厚生労働省は1月23日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その1)」を議題とした。項目を列記するもので点数は未定。保険薬局と同一敷地内においてオンライン診療受診施設を設置する場合、当該保険薬局は敷地内薬局が算定する「特別調剤基本料A」を算定するとした。


最新の投稿


【厚労省】過活動膀胱症状改善薬「バップフォー」の2類移行議論/安全対策調査会

【厚労省】過活動膀胱症状改善薬「バップフォー」の2類移行議論/安全対策調査会

【2026.08.23配信】厚生労働省は8月27日、薬事審議会医薬品等安全対策部会「安全対策調査会」を開催し、プロピベリン塩酸塩の一般用医薬品のリスク区分について議論する。プロピベリン塩酸塩は「バップフォーレディ」(第1類医薬品)などとして販売されている。


【薬剤師臨床研修】全国31グループで“病院間”連携で実施/日病薬

【薬剤師臨床研修】全国31グループで“病院間”連携で実施/日病薬

【2026.08.20配信】日本病院薬剤師会は8月19日に定例会見を開き、薬剤師臨床研修事業の実施について説明した。全国31グループを認定し、地域の複数の病院や薬局が連携して臨床研修を実施する。単独ではガイドラインに準拠した臨床研修の実施が難しい医療機関でも施設間連携により可能とし、実施施設の増加を目指す。関連する調査研究や指導薬剤師のe-ラーニングは厚労省委託事業として採択された。


【厚労省】ビラノアNとアレジオン点眼薬を要指導薬に指定へ

【厚労省】ビラノアNとアレジオン点眼薬を要指導薬に指定へ

【2026.08.19配信】厚生労働省は8月19日、要指導・一般用医薬品部会を開催。ビラノアNとアレジオン点眼薬を要指導薬に指定する要否について議論し、両剤ともに要指導医薬品に指定する方針とした。


【病院薬剤師会】熊本の医療機関へ累計7名の薬剤師派遣/県と病薬の契約なく厚労省から派遣要請受託

【病院薬剤師会】熊本の医療機関へ累計7名の薬剤師派遣/県と病薬の契約なく厚労省から派遣要請受託

【2026.08.19配信】日本病院薬剤師会は8月19日に開いた定例会見で熊本地震への対応について説明した。


【日本総研レポート】「社会保険料負担軽減の焦点は医療保険制度改革」/成瀬道紀氏

【日本総研レポート】「社会保険料負担軽減の焦点は医療保険制度改革」/成瀬道紀氏

【2026.08.18配信】日本総研は8月12日、経済・政策レポート「社会保険料負担軽減の焦点は医療保険制度改革」を公表した。執筆は成瀬道紀氏。レポートでは骨太の方針に現役世代の社会保険料率引き下げが明記されたこと触れ、医療保険料率をどこまで引き下げられるかが焦点となると指摘。医療費への税投入増加を展望しにくい財政環境だとし、OTC類似薬など患者自己負担の増加の政策がとられているものの大きな財政効果は見込みにくいとし、医療の必要性に応じた給付のメリハリや供給側における効率的な医療サービス提供を促す改革が求められるとしている。


ランキング


>>総合人気ランキング