【八戸薬剤師会】市の公式LINEから夜間の薬相談/「夜間受診」から市民をトリアージし医療現場の負担軽減にも

【八戸薬剤師会】市の公式LINEから夜間の薬相談/「夜間受診」から市民をトリアージし医療現場の負担軽減にも

【2023.10.26配信】八戸市(青森県)は、10月20日から市の統合スマホアプリを公式LINEアカウントとしてリニューアル。LINEメニューから八戸薬剤師会が提供している「くすりの電話」事業へ移動できるようになった。夜間・休日の体調変化に心配がある人向けのサービスで、市民にとっては不安の解消、薬剤師会としては職能発揮となっている。薬局のファーストアクセスとしての浸透にもなる。


 実際の画面としては、八戸市公式LINEのメニューの中に「夜間・休日の受診」がある。これを選ぶと、次に「発熱等の風邪の症状があるとき」などの選択肢が出る。これらを選択するとさらに、「強い症状がある」「緊急でないが症状が辛く受診したい」「軽い症状があり受診したい」「症状や薬のことを薬剤師に相談したい」の選択肢が表示されるようになっている。一番最後の「相談したい」を選ぶと、八戸薬剤師会が運営する「くすりの電話」の電話番号に飛べるようになっている(下画像参照。左からポスターと実際のLINE画面)。症状度合いによって薬の相談につなげることで、必ずしも医療リソースが潤沢ではない当該地域で医療現場の負担軽減にも貢献しているといえる。

 八戸薬剤師会は当該地域で会員が149薬局。今年9月に最後の1薬局が加盟したことで、地域での組織率は100%となった。ちなみに会員薬剤師数は394人。

 「くすりの電話」事業は市からの委託を受けて平成8年から取り組んできたもの。夜9時から12時までの夜間の不安な時間帯に、地域の薬局が輪番で携帯電話を持って地域住民の相談に365日対応している。現在協力しているのは51の会員薬局。休日夜間輪番に関しては平成16年から19時から23時まで地域のどこかの薬局が開いている体制をとり、処方箋調剤や相談に応じてきた。現在は24会員薬局が協力。会営薬局は365日・夜11時まで無休で会員のシフト協力によって対応するほか、無菌調剤室は地域の薬局が利用できる。

画像左から、リニューアルを知らせるポスターと実際のLINE画面

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