公表された「≪医療≫国家戦略特区等提案検討要請回答」によると、大阪府・大阪市・薬局DX推進コンソーシアムの3者が提案した「薬剤師の地域における対人業務の強化(対物業務の効率化)に関して、厚労省は「ご提案について、国家戦略特区での実証の方向性で適 切に検討を進めてまいりたい」と回答した。
具体的な提案の実施内容は、「薬局の調剤業務の一部(一包化及びそのための薬剤の取り揃え)を他の薬局に委託する。なお、厚生労働省研究班のガイドライン(暫定版)に準拠して実施する」というもの。
こうした事業にあたり、「事業の実施を不可能又は困難とさせている規制等の内容」については、「薬局開設者に、調剤の求めがあった場合には、その薬局で調剤に従事する薬剤師にその薬局で調剤させるよう義務付けている」という「医薬品医療機器等法施行規則 第十一条の十一」。
これらの規制に対し、「処方箋を応需した薬局が、医薬品の調剤業務における調製業務の一部を、安全性を担保できる仕組みを明確化した上で、他の薬局で行わせることを可能にする」との規制・制度改革を求める内容。
同事業に関しては、今年4月にファルメディコが単独で特区提案、その際は厚労省は「事業に参加する薬局の所在地の地方公共団体の参画が前提になる」と回答していた。今回はファルメディコを中心に薬局企業でコンソーシアムをつくった上で、大阪府・大阪市を交えた共同提案となったため、厚労省も同事業の特区実証を検討する意向を示したとみられる。

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