【日薬連】中長期的に「薬価差が生じない仕組み」要望

【日薬連】中長期的に「薬価差が生じない仕組み」要望

【2023.07.05配信】厚労省は7月5日、中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会を開催し、関係業界からのヒアリングを行った。その中で日本製薬団体連合会(日薬連)は、中長期的に「薬価差が生じない仕組み」を要望した。さらに「薬価差が果たしている役割を明確にしたうえで、必要分を診療報酬・調剤報酬の中で評価することも検討が必要」とした。


 日薬連は、「薬価制度改革に関する意見」を陳述。

 まず、医薬品のカテゴリーに応じた薬価制度を構築する必要性を指摘。
 具体的には、新薬では「イノベーションの評価と薬価維持」、特許切れ品では「後発品置換え/長期収載品の撤退」といった区分と対策を提示。加えて「基礎的医薬品」との区分を提示し、「真に必要性の高い品目の薬価下支え」が必要だとした。中長期的には、製薬産業の役割が発揮される薬価制度の構築に向け、医薬品のカテゴリーに応じた制度のあるべき姿を見据え、薬価改定のあり方を含め検討を進める必要があるともした。

 特に次期薬価制度改革においては、足元で顕在化している“ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス”や“医薬品の供給問題”に対し、薬価上の対応策を打つことが急務とし、1つ目として「薬価を下支えする仕組みの充実化」を挙げた。医療上の必要性の高い医薬品の安定供給確保に向け、基礎的医薬品、不採算品再算定、最低薬価といった薬価を下支えする仕組みを充実化し、基礎的医薬品については対象となる範囲(品目要件、収載からの年数等)の拡充を要望した。加えて、不採算品再算定が柔軟に適用されるようルールの見直しが必要とした。

「薬価差が果たしている役割を明確にしたうえで、必要分を診療報酬・調剤報酬の中で評価することも検討が必要」

 次期薬価制度改革では、物価高騰等の影響を踏まえた対応についても要望。
 物価高騰等の影響により、依然として原材料等の調達コストが高騰しており、その影響は昨年よりも大きくなっている現状があると指摘。医薬品の安定供給に大きな影響を与える特殊な事情がある場合には、不採算が確実に解消されるよう、適時薬価を引き上げる仕組みを求めた。

 加えて、「中長期的な視点からの検討要望」として必然的に薬価差が生じる仕組みに言及。
 薬価差を理由にした毎年改定が日本市場の魅力低下や早期の採算性悪化につながり、革新的医薬品の早期アクセスや医療上必要性の高い医薬品の供給に影響を及ぼしていると問題視。過度な薬価差の偏在に対しては流通上の取組が検討されるものの、薬価差そのものが生じない仕組みを含めて、薬価改定のあり方について検討を進めていくべきだと指摘した。薬価差が果たしている役割を明確にしたうえで、必要分を診療報酬・調剤報酬の中で評価することも検討が必要であるとした。

この記事のライター

関連するキーワード


薬価改定 中医協

関連する投稿


【ウエルシアHD傘下の薬局不祥事】中医協の場で糾弾/日薬「報酬返還だけでなく薬事対応を」

【ウエルシアHD傘下の薬局不祥事】中医協の場で糾弾/日薬「報酬返還だけでなく薬事対応を」

【2026.03.11配信】厚生労働省は3月11日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。この中で日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、ウエルシアホールディングスのグループ会社であるコクミンの不祥事について特別にコメントし、「報酬返還だけでなく薬事上の対応を」と求めた。


【中医協】短冊修正点/服用薬剤調整支援料2の研修について追記

【中医協】短冊修正点/服用薬剤調整支援料2の研修について追記

【2026.01.30配信】厚生労働省は1月30日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、次期調剤報酬改定の個別改定項目、いわゆる短冊の修正点を議題とした。調剤報酬に関しては、服用薬剤調整支援料2の研修について追記した。


【中医協】後発薬調剤体制加算を廃止、医薬品の安定供給体制評価を新設

【中医協】後発薬調剤体制加算を廃止、医薬品の安定供給体制評価を新設

【2026.01.23配信】厚生労働省は1月23日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その1)」を議題とした。項目を列記するもので点数は未定。後発薬調剤体制加算を廃止し、医薬品の安定供給体制評価を新設するとした。


【中医協】オンライン診療施設を設置する薬局は「敷地内薬局」

【中医協】オンライン診療施設を設置する薬局は「敷地内薬局」

【2026.01.23配信】厚生労働省は1月23日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その1)」を議題とした。項目を列記するもので点数は未定。保険薬局と同一敷地内においてオンライン診療受診施設を設置する場合、当該保険薬局は敷地内薬局が算定する「特別調剤基本料A」を算定するとした。


【中医協】敷地内薬局“ただし書き”削除/遡求は「当面の間」適用外

【中医協】敷地内薬局“ただし書き”削除/遡求は「当面の間」適用外

【2026.01.23配信】厚生労働省は1月23日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その1)」を議題とした。項目を列記するもので点数は未定。敷地内薬局(調剤基本料の特別調剤基本料A)の除外規定である「建物内に診療所にが所在している場合を除く」との“ただし書き”規定を削除する。遡求適用については「当面の間」、該当しないとした。


最新の投稿


【日本薬剤師会】副会長候補者選挙、候補者全員が当選

【日本薬剤師会】副会長候補者選挙、候補者全員が当選

【2026.03.29配信】日本薬剤師会は3月29日、臨時総会にて次期副会長候補者選挙を行った。その結果、候補者全員が当選となった。正式な就任は6月の総会となる。


【日本薬剤師会】会長候補者選挙、現職の岩月氏が挙手多数で当選

【日本薬剤師会】会長候補者選挙、現職の岩月氏が挙手多数で当選

【2026.03.29配信】日本薬剤師会は3月29日、臨時総会にて次期会長候補者選挙を行った。その結果、唯一の立候補者となっていた現職の岩月進氏が挙手多数で当選した。正式な就任は6月の総会となる。


【チェーンドラッグストア協会】“門前減算”、「2年後に撤廃も検討」と受け止めている

【チェーンドラッグストア協会】“門前減算”、「2年後に撤廃も検討」と受け止めている

【2026.03.25配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月25日に定例会見を開いた。この中で副会長の横山英昭氏(コスモス薬品代表取締役社長)は、協会と厚労省との調剤報酬改定に関する話し合いの進捗についてコメントした。


【チェーンドラッグストア協会】デジタル通貨の研究分科会設置/決済手数料の逓減目指す

【チェーンドラッグストア協会】デジタル通貨の研究分科会設置/決済手数料の逓減目指す

【2026.03.25配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月25日に定例会見を開いた。この中でデジタル通貨の研究、検討を行う分科会を設置すると説明した。決済手数料の逓減を目指す。


【日本薬剤師会】ドーピング防止カードを作成

【日本薬剤師会】ドーピング防止カードを作成

【2026.03.25配信】日本薬剤師会は3月26日に会見を開いた。この中でドーピング防止カードを作成したことを報告。使用活用を促している。


ランキング


>>総合人気ランキング