【日本保険薬局協会】伊佐厚生労働副大臣に改定要望書提出/地域支援体制加算の要件・点数同一に

【日本保険薬局協会】伊佐厚生労働副大臣に改定要望書提出/地域支援体制加算の要件・点数同一に

【2023.06.30配信】日本保険薬局協会は6月29日、「令和6年度診療報酬改定等に関する要望」を伊佐進一厚生労働副大臣に提出した。要望書では「地域支援体制加算」について、「調剤基本料」の区分に関わらず要件と点数を同一にすることを要望している。現在の調剤報酬では規模別等の基準で異なる調剤基本料の点数以外に、地域支援体制加算の要件が調剤基本料の算定区分で異なっている。協会はこれまでも、調剤基本料の違いには一定の理解を示す一方、加算である地域支援体制加算の要件が調剤基本料の区分で異なることに異論を示していた。


認定薬局の診療報酬上の評価も要望

 協会が提出した要望書の内容は以下の通り。

■令和6年度診療報酬改定等に関する要望
2023年5月 一般社団法人 日本保険薬局協会

【総論】
○ 公定価格制度のもと、価格転嫁のできない薬局経営の特性に鑑み、光熱費をはじめとする 物価高騰に対応し、賃上げを可能とするため、十分なプラス改定を行うこと
○ 薬局グループの規模にかかわらず、個々の薬局が果たしている機能を評価する公平な調 剤報酬改定を行うこと

【重点事項】
1. 地域支援体制加算と調剤基本料類型の分離
 調剤基本料 1 以外の薬局の地域支援体制加算は、要件が厳しく設定されている一方で 点数は抑えられている。この要件・点数を、調剤基本料の如何に関わらず同一にすることまた、地域の医療環境に左右される夜間・休日対応実績要件(400 回/1 万受付)の緩和

2. 薬機法による認定薬局を診療報酬上評価すること
1 地域におけるがん患者への支援に大きな役割を果たす専門医療機関連携薬局の評価
2 在宅医療における麻薬や無菌調剤実績のある地域連携薬局の評価

3. 医薬品の安定供給と後発医薬品の継続的な使用促進に対する評価
 薬局における後発医薬品の使用啓発活動や、安定供給のための取引先等との情報連携、 医薬品管理、供給不安定時における迅速かつ丁寧な対応等の負担を踏まえた評価

【個別事項】
4. かかりつけ薬剤師制度の見直し
・かかりつけ薬剤師の在籍期間1年以上の要件緩和
・服薬管理指導料(かかりつけ特例)の代わりの薬剤師を予め指定しておく要件の廃止

5. 特定の疾患における服薬フォローアップの推進
 糖尿病や認知症等の特定の疾病において、服用中のフォローアップを行い、処方医と情 報連携することで、進行予防・重症化予防に寄与するプロセスを評価すること

6. 患者にとって安心で質の高い在宅医療の推進
1医療機関から薬局への退院時サマリ等の情報提供等のシームレスな情報連携を推進、
2医師の在宅訪問同行の際の処方設計過程における処方提案、情報提供等を評価
3認知症の人・家族を支えるための多職種連携や薬物治療上の成果を評価
4緩和ケア、ターミナルケアにおける多頻度訪問や高度薬学管理が必要な業務を評価

この記事のライター

関連する投稿


【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査

【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査

【2025.07.10配信】厚生労働省は7月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催し、「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和7年度調査)の調査票案」を提示した。次期調剤報酬改定議論の基礎資料となるもの。


【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。


【日本保険薬局協会】「OTCセルフケア推進委員会」新設

【日本保険薬局協会】「OTCセルフケア推進委員会」新設

【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、今期、22期の活動計画を報告した。この中で、「OTCセルフケア推進委員会」を新設したと公表した。


【日本保険薬局協会】“処方箋40枚規定”にも提言を「挑戦」/医療制度検討委員会

【日本保険薬局協会】“処方箋40枚規定”にも提言を「挑戦」/医療制度検討委員会

【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、今期、22期の活動計画を報告した。この中で医療制度検討委員会は、“処方箋40枚規定”に関する提言も「挑戦したい」とした。


【日本保険薬局協会】2025年5月1日時点の会員数公表/正会員は362社

【日本保険薬局協会】2025年5月1日時点の会員数公表/正会員は362社

【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、5月1日時点での正会員数などを公表した。正会員は362社で、2024年度に21社の入会があった。


最新の投稿


【厚労省_令和6年度医薬品販売制度実態把握調査】“濫用薬”販売方法で改善みられる

【厚労省_令和6年度医薬品販売制度実態把握調査】“濫用薬”販売方法で改善みられる

【2025.08.26配信】厚生労働省は8月22日、「令和6年度医薬品販売制度実態把握調査」の結果を公表した。同調査は、薬局・店舗販売業の許可を得た店舗が医薬品の販売に際し、店舗やインターネットで消費者に適切に説明を行っているかどうか等について調べたもの。令和6年度の調査は、前年度に引き続き一般用医薬品のインターネットでの販売状況や要指導医薬品の店舗での販売状況を含めた調査を実施した。


【スギHD】セキ薬品の株式の取得/持分法適用会社化

【スギHD】セキ薬品の株式の取得/持分法適用会社化

【2025.08.19配信】スギホールディングス株式会社は8月19日、埼玉県を中心に調剤併設型ドラッグストアを展開する株式会社セキ薬品の株式(3万7929株、持株比率 34.8%)を取得し、持分法適用会社とすることについて決定し、同日、株式譲渡契約を締結したと公表した。


【薬局DXコンソーシアム】病院が新たに加盟/社会医療法人 仁厚会

【薬局DXコンソーシアム】病院が新たに加盟/社会医療法人 仁厚会

【2025.08.19配信】薬局DXコンソーシアムに病院が加盟した。社会医療法人 仁厚会が会員となった。


【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【2025.08.08配信】日本薬剤師会が公表した「地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト」。このうちの1つの事項である「地域の医薬品情報の把握・共有の取組」。この実践へ向けて情報共有のためのシステム選定の動きも活発化してきた。こうした中、メディカルシステムネットワーク(MSNW)では、もともと地域薬剤師会と共に開発を進めてきた「LINCLEちいき版」の提案を強化している。すでに10以上の都道府県薬剤師会への提案を進行中だという。


【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【2025.08.08配信】厚生労働省はこのほど、保険調剤「確認事項」(令和7年度改訂版)を公表した。2枚処方箋を受け付けることにより、投薬期間上限を超えるなどの不適切事例を指摘している。