【厚労省】認定薬局の基準Q&Aを一部改正/地域ケア会議等3会議以外も認める

【厚労省】認定薬局の基準Q&Aを一部改正/地域ケア会議等3会議以外も認める

【2023.04.03配信】厚生労働省は3月31日、「地域連携薬局及び専門医療機関連携薬局の認定基準に関するQ&Aについて」を一部改正した。下記、厚労省HPの中の「認定薬局について」の中の事務連絡(令和5年3月31日一部改正)で詳細を確認できる。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakkyoku_yakuzai/index.html


 主な改正箇所は以下の通り。

 【地域包括ケアシステムの構築に資する会議への参加】
(問1)規則第10条の2第2項第1号における「地域包括ケアシステムの構築に資する会議」として、通知第2の2(1)では地域ケア会議等の3会議を示しているが、その他に認められる会議はあるか。
(答)地域包括ケアシステムの構築においては、医療・介護に係る地域の課題の把握と社会資源の発掘、地域の関係者による対応策の検討、対応策の決定・実行というPDCAサイクルを回すことが重要である。地域包括ケアシステムの構築に資する会議とは、このサイクルの各段階の実施過程において、地域の関係者が主体的に参加する会議であり、通知に示した3会議と同様の趣旨の会議であれば、地方公共団体が定める条例・規則等に位置づけられる、地域課題の抽出や対応策の検討を行う会議も含めることとして差し支えない。なお、継続的に開催されない会議や、研修会・講演会等は含まないことに留意いただきたい。

【地域包括ケアシステムの構築に資する会議への参加】
(問2)規則第10条の2第2項第1号における「地域包括ケアシステムの構築に資する会議」について、「継続的に参加」とあるが、具体的にはどの程度の頻度で参加する必要があるか。
(答)やむを得ない場合を除いて、会議が開催されるごとに参加することが望ましい。なお、会議への参加に当たっては、単に会議を傍聴すれば良いというものではなく、地域における他の医療提供施設との連携体制を構築するに当たって必要な情報を薬局から主体的に提供する等、積極的に関与する必要がある。

【地域における医療機関に勤務する薬剤師等に対して随時報告及び連絡することができる体制】
(問3)通知第2の2(2)において、地域における医療機関に勤務する薬剤師等に対して随時報告及び連絡することができる体制について、「地域における他の医療提供施設に広く周知するとともに、薬局に来局する利用者に対して十分理解されるよう、実施できる内容の掲示や必要に応じた説明など積極的な周知を行うこと」とあるが、具体的にどのような内容を周知するべきか。また、どのような方法で周知するべきか。
(答)ハイリスク薬等を服用する外来の利用者の服薬状況に関する情報提供や、退院時カンファレンスを含めた入退院時の情報連携、在宅医療における服薬状況や必要となる薬剤・医療材料に関する情報提供等の対応が実施可能であることについて、地域の医療機関に勤務する医師、薬剤師等にあらかじめ広く積極的に周知し、必要な際に速やかに連携を図ることができるようにしておく必要がある。
 また、これらの報告及び連絡をするタイミングや用いる文書の様式について、地域の医療機関とあらかじめ協議しておくことが望ましい。周知の方法としては、地域の薬剤師会や自治体等を通じて行うことが考えられる。
 さらに、薬局に来局する利用者に対しても、これらの対応が実施可能なことについて十分理解されるよう、自局内の見やすい場所及び自局の外側の見やすい場所に掲示することが必要である。加えて、自局のホームページ等にも見やすく表示することが望ましい。また、情報提供や服薬指導等の際に説明するといった対応を実施することも考えられる。

【地域における医療機関に勤務する薬剤師等に対して報告及び連絡した実績】
(問4)通知第2の2(3)において、報告及び連絡した実績に含まれないものとして、検査値等のみの情報提供や、利用者の情報を含まない医療機関及び薬局の施設等に係る情報提供、お薬手帳への記載、疑義照会が示されているが、どのような内容であれば実績に含めることができるか。
(答)「地域における医療機関に勤務する薬剤師等に対する報告及び連絡」は、利用者の服薬状況に対する当該薬局の薬剤師による主体的な情報収集及び薬学的評価を踏まえた、処方した医師への行動提案を主とした、利用者の適切な薬物療法に資する情報である必要がある。
 こうした趣旨を踏まえると、報告及び連絡に用いる文書の様式に返信欄を設けること等により、その後の対応を把握するとともに、調剤録等に記録しておくことが望ましい。
 当該報告及び連絡によって、必ずしも処方変更等がされていなくとも実績に含めることとして差し支えないが、薬剤師法(昭和35年法律第146号)第24条に基づく疑義照会を行うべき内容の報告や、当該薬剤師による薬学的評価を記載せず、単に利用者の服薬状況に問題がないことを伝える報告、居宅等を訪問して薬剤を交付したことのみを伝える報告、後発医薬品への変更調剤等、情報提供する意義が明らかでないものは実績に含まない。
 また、専門医療機関連携薬局における通知第3の3(3)の規定も同様である。

【地域における医療機関に勤務する薬剤師等に対して報告及び連絡した実績】
(問5)規則第10条の2第2項第3号に規定する実績については、例えば、文書で医療機関へ情報提供を行い、以下のような調剤報酬を算定した場合を含むと考えてよいか。
① 利用者の入院に当たって情報共有を行った実績として「服薬情報等提供料1」、「服薬情報等提供料2」、「服薬情報等提供料3」
② 医療機関からの退院に当たって情報共有を行った実績として「退院時共同指導料」
③ 外来の利用者に関して医療機関と情報共有を行った実績として、「服用薬剤調整支援料1」、「服用薬剤調整支援料2」、服薬管理指導料における「吸入薬指導加算」、「調剤後薬剤管理指導加算」
(答)貴見のとおり。

【地域における医療機関に勤務する薬剤師等に対して報告及び連絡した実績】
(問6)地域における医療機関に勤務する薬剤師等に対する報告及び連絡について、通知第2の2(3)において、その実績に含めるものとして、入院時、退院時、外来受診時、在宅訪問時の情報共有が示されているところ、それらについて「いずれかのみを行うのではなく、満遍なく実施することが望ましい」とされているが、それぞれの情報共有について具体的な回数の規定はあるか。
(答)具体的な回数を規定するものではないが、地域連携薬局は、服薬情報の一元的・継続的な情報連携において重要な役割を果たすことを求められることから、いずれの情報共有も実施できる体制が必要である。

多岐にわたる改正

 そのほか、休日・夜間の調剤応需体制では土曜日または日曜日のいずれかの曜日で4時間以上の開局を示すなど複数の改正を行っている。

 専門医療機関連携薬局に関しても連携先の例示など多岐にわたる改正を行なっている。
 下記で参照できる。
https://www.mhlw.go.jp/content/001082832.pdf

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