【厚労省】令和5年度薬価改定は薬剤費3100 億円の削減(国費722億円削減)

【厚労省】令和5年度薬価改定は薬剤費3100 億円の削減(国費722億円削減)

【2022.12.21配信】厚生労働省は12月21日に中央社会保険医療協議会 薬価専門部会を開き、令和5年度薬価改定の骨子案を提示した。同日の大臣折衝事項により令和5年度薬価改定は薬剤費3100 億円の削減(国費722億円削減)とすることを報告した。


 大臣折衝事項(令和4年 12 月 21 日厚生労働省)(抜粋)として、以下のように記載した。

■薬価改定

(1)薬価
 令和5年度薬価改定については、令和4年薬価調査に基づいて、以下のとおり実施する。
・ 改定の対象範囲については、国民負担軽減の観点から、平均乖離率 7.0%の 0.625 倍(乖離率4.375%)を超える品目を対象とする。

(2)薬価制度関連事項
 薬価算定ルールについては以下の通りとする。
・ 令和3年度の改定時に適用したルール(新薬創出等加算、最低薬価等)は令和5年度改定においても適用する。更に、令和5年度改定においては、イノベーションに配慮する観点から、新薬創出等加算の加算額を臨時・特例的に増額し、従前の薬価と遜色ない水準とする対応を行う。
・ 不採算品再算定については、令和5年度改定において適用する。急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、令和5年度改定に限り不採算品再算定について臨時・特例的に全品を対象に適用する。
・ 収載後の外国平均価格調整については、令和5年度改定において適用する。
・ 新薬創出等加算の累積額控除及び長期収載品に関する算定ルールについては、令和5年度改定において適用しない。その上で、令和6年度改定において、「国民皆保険の持続可能性」と「イノベーションの推進」を両立する観点から、新薬創出等加算や長期収載品に関する薬価算定ルールの見直しに向けた検討を行う。
・ その他の既収載品の算定ルールについては、評価に一定の時間を要することなどから、令和5年度改定において適用しない。

 これらにより、薬剤費は▲3,100 億円(国費▲722 億円)の削減とする。

この記事のライター

関連するキーワード


薬価改定

関連する投稿


【令和7年度の薬価“中間年改定”】岸田首相「関係者の意見も聞き検討進める」/参議院予算委員会で神谷政幸氏の質問に答える

【令和7年度の薬価“中間年改定”】岸田首相「関係者の意見も聞き検討進める」/参議院予算委員会で神谷政幸氏の質問に答える

【2024.03.28配信】参議院予算委員会が3月28日午前から開かれ、神谷政幸参議院議員が質問に立った。


【武見厚労相】薬剤自己負担の議論、「イノベーション推進」のために「長期収載品等の自己負担の在り方の見直しを検討」

【武見厚労相】薬剤自己負担の議論、「イノベーション推進」のために「長期収載品等の自己負担の在り方の見直しを検討」

【2023.10.03配信】厚生労働相の武見敬三氏は10月3日、10時20分から省内で会見し、薬剤自己負担の議論について、「イノベーション推進」のために「長期収載品等の自己負担の在り方の見直しの検討」を進めていると述べた。


【座談会】「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」を振り返る

【座談会】「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」を振り返る

【2023.07.09配信】ある意味で業界が一喜一憂しながら見守ってきた厚労省「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」。10カ月にわたり13回の会議が開催され、6月12日に報告書がとりまとめられた。ドラビズon-lineでは検討会を総括する目的で厚労省医政局医薬産業振興・医療情報企画課長(医薬産業振興・医療情報企画課セルフケア・セルフメディケーション推進室長併任)安藤公一氏や青山学院大学名誉教授の三村優美子氏、 日本保険薬局協会医薬品流通・OTC検討委員会副委員長の原靖明氏を交えた座談会を実施した。


【日薬連】中長期的に「薬価差が生じない仕組み」要望

【日薬連】中長期的に「薬価差が生じない仕組み」要望

【2023.07.05配信】厚労省は7月5日、中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会を開催し、関係業界からのヒアリングを行った。その中で日本製薬団体連合会(日薬連)は、中長期的に「薬価差が生じない仕組み」を要望した。さらに「薬価差が果たしている役割を明確にしたうえで、必要分を診療報酬・調剤報酬の中で評価することも検討が必要」とした。


【令和5年度改定】安川孝志薬剤管理官インタビュー(厚生労働省 保険局 医療課)

【令和5年度改定】安川孝志薬剤管理官インタビュー(厚生労働省 保険局 医療課)

【2023.01.05配信】令和5年度の薬価改定においては診療報酬(調剤報酬含む)においても特例措置を講じることとなった。今回の改定について、本紙では主に調剤に関わる内容について、厚生労働省 保険局 医療課 薬剤管理官の安川孝志氏にインタビューした。安川氏は地域支援体制加算の加点について、安定供給の課題に関しては議論の余地が大きいものとした上で、今回の対応は「地域に目を向けた取り組みをさらに促す」ことを目的としたものであり、「財政影響を考えた上」での対応であったと語った。


最新の投稿


【東京都】災害薬事コーディネーターを任命/都薬副会長の宮川昌和氏など

【東京都】災害薬事コーディネーターを任命/都薬副会長の宮川昌和氏など

【2024.04.24配信】東京都薬務課は4月24日、定例会見を開いた。


【東京都】市販薬の適正使用へ/小学生向け教材作成へ/乱用推進計画

【東京都】市販薬の適正使用へ/小学生向け教材作成へ/乱用推進計画

【2024.04.24配信】東京都薬務課は4月24日、定例会見を開いた。


【楽天三木谷氏】“濫用薬”の規制方向「撤回を」/デジタル社会構想会議で表明

【楽天三木谷氏】“濫用薬”の規制方向「撤回を」/デジタル社会構想会議で表明

【2024.04.24配信】デジタル庁は4月24日、第 9 回デジタル社会構想会議を開いた。この中で三木谷浩史氏(楽天グループ株式会社/一般社団法人新経済連盟)は厚労省の進める“濫用薬”の規制方向を撤回するよう意見した。


【たんぽぽ薬局】ミック・ジャパン(大阪市)のドラッグ事業など譲受へ

【たんぽぽ薬局】ミック・ジャパン(大阪市)のドラッグ事業など譲受へ

【2024.04.23配信】株式会社トーカイの連結子会社であるたんぽぽ薬局株式会社(岐阜市)は4月22日、株式会社ミック・ジャパン(大阪市)との間で、ミック・ジャパンが展開するリハビリデイサービス事業、ドラッグストア事業などの各事業の譲り受けについて基本合意に至ったと公表した。


【楽天グループ】薬局予約アプリ「楽天ヘルスケア ヨヤクスリ」の提供を開始

【楽天グループ】薬局予約アプリ「楽天ヘルスケア ヨヤクスリ」の提供を開始

【2024.04.22配信】楽天グループ株式会社は4月18日、「処方せん医薬品を薬局で迅速に受け取ることができる調剤薬局予約アプリ『楽天ヘルスケア ヨヤクスリ』の提供を開始した」と公表した。


ランキング


>>総合人気ランキング