首藤会長は会見の冒頭で挨拶し、来年1月に開始が迫っている電子処方箋のコスト問題について言及した。
「イニシャルコスト(初期費用)だけでなく、ランニングコストがかかることが分かってきた。1薬局あたり年間7万円という話も出ていると聞いている」と指摘した。価格については「これから交渉が始まると思う」としつつも、コスト問題への対応も課題になっている現状を説明した。
首藤会長はこうしたコストに関して、「われわれも努力をして効率を上げることで解消をしなければいけないコストだとは思う」とした上で、電子処方箋が普及されないと「効率化にならない可能性がある」と指摘。「われわれもできるだけ早く普及するよう努力するが、(国などにも)あらゆる手段を使って普及してほしいと切に願っている」と述べた。
また、コスト問題への対応として、薬剤師資格の電子証明の柔軟性も求めた。
「(コスト問題への一環として)薬剤師資格確認をHPKI一択しかないところを柔軟な対応をしていただきたい」と要望した。
具体的には民間での証明を挙げ、例として「病院などの施設で管理している資格を用いた形で、(システムに)アクセスする時点で代替できないか」と提案。「ここにきて病院団体からもそのような要望が出てきている。(国も)検討いただいている最中だとは思うが、こういったことを含めて検討していただきたい」と述べた。
また、「薬局が電子処方箋を活用することでメリットを生むよう努力していることもご理解いただきたい」とした。

【日本保険薬局協会】電子処方箋、初期費用だけでなくランニングコストの問題も浮上/「1薬局年7万円との話も」
【2022.12.15配信】日本保険薬局協会は12月15日に定例会見を開き、その中で首藤正一会長は開始が目前に迫る電子処方箋におけるコスト問題に言及した。初期費用だけでなく薬局でランニングコストがかかることが分かってきたとし、「1薬局年7万円という話も出ている」と話した。価格に関しては今後、業者との交渉が進むとしつつ、コスト負担の問題から薬剤師の資格に関する電子認証を柔軟にすることでコスト軽減効果も得られるのではないかと提案した。
関連する投稿
【電子処方箋】院内処方への対応を検討へ/電子カルテ情報共有との整理も課題に
【2023.03.30配信】厚生労働省は3月29日、「第12回健康・医療・介護情報利活用検討会」を開催し、この中で電子処方箋の今後の予定も報告された。主に「リフィル処方箋への対応」「患者からの口頭同意による薬剤情報を取得」「院内処方への対応」という3つの機能改修の予定について報告されたもの。院内処方への対応については電子カルテ交換サービス(仮称)の整備が進む中、電子カルテ情報共有との整理も課題とされた。
【電子処方箋】患者からの口頭同意で過去の薬剤情報を取得できるよう機能改修へ/重複チェックアラートの実効性高める
【2023.03.30配信】厚生労働省は3月29日、「第12回健康・医療・介護情報利活用検討会」を開催し、この中で電子処方箋の今後の予定も報告された。主に「リフィル処方箋への対応」「患者からの口頭同意による薬剤情報を取得」「院内処方への対応」という3つの機能改修の予定について報告されたもの。患者からの口頭同意によって薬剤情報取得を可能とする機能改修を行い、重複チェックアラートの実効性を高める考え。
【調剤基本料1】NPhA会員薬局での算定率が3分の1に急減/日本保険薬局協会調査
【2023.03.09配信】日本保険薬局協会は3月9日、定例会見を開き、調剤報酬の算定状況に関する会員調査結果を公表した。それによると、22年1月調査では61.5%あった「調剤基本料1」の算定比率が、23年2月調査では、19.5%へ、3分の1程度に急減していた。
【オンライン服薬指導】薬局での導入率は81.0%も、実施実績は13.1%の薬局にとどまる/日本保険薬局協会調査
【2023.03.09配信】日本保険薬局協会は3月9日、定例会見を開き、オンライン服薬指導に関する会員調査結果を公表した。それによると、システムを導入している薬局は81.0%と高い比率と違なったが、実施実績があるのは13.1%の薬局にとどまっていた。
【在宅医療対応】「認定薬局の方が実績が高い」/日本保険薬局協会調査
【2023.03.09配信】日本保険薬局協会は3月9日、定例会見を開き、在宅訪問や無菌調剤、麻薬応需の現状に関する会員調査結果を公表した。それによると、在宅訪問や無菌調剤、麻薬応需に関しては全体平均と比べ、認定薬局の方が実績が高い傾向が見られた。在宅訪問に関しては薬剤師配属人数とも相関している傾向が見られ、薬剤師2人未満の薬局においては在宅訪問を増やす余裕がない割合が高い結果となった。麻薬応需においては、実績が高いほど廃棄金額も膨らんでいく傾向が見られた。協会では「本調査結果を協会内で共有し、地域医療のニーズに応じた薬局機能の整備に貢献していきたい」としている。
最新の投稿
【2023.03.31配信】トモズは、2023年4月1日付で德廣英之氏の後任として、代表取締役社長に角谷真司氏が就任することを内定したと公表した。
【日本薬剤師会】公明党厚労部会に要望/医薬品の安定供給で/「薬価差のみに焦点でなく広く提供体制への影響を踏まえた議論を」
【2023.03.30配信】日本薬剤師会は3月30日に定例会見を開き、3月28日に公明党厚労部会に医薬品の安定供給に係る現状と課題について要望を行ったことを説明した。同テーマに関するヒアリングを公明党から受けた格好。
【2023.03.30配信】スギ薬局グループは3月30日、さくら薬局グループとの業務提携することで合意したことを公表した。
【電子処方箋】院内処方への対応を検討へ/電子カルテ情報共有との整理も課題に
【2023.03.30配信】厚生労働省は3月29日、「第12回健康・医療・介護情報利活用検討会」を開催し、この中で電子処方箋の今後の予定も報告された。主に「リフィル処方箋への対応」「患者からの口頭同意による薬剤情報を取得」「院内処方への対応」という3つの機能改修の予定について報告されたもの。院内処方への対応については電子カルテ交換サービス(仮称)の整備が進む中、電子カルテ情報共有との整理も課題とされた。
【電子処方箋】患者からの口頭同意で過去の薬剤情報を取得できるよう機能改修へ/重複チェックアラートの実効性高める
【2023.03.30配信】厚生労働省は3月29日、「第12回健康・医療・介護情報利活用検討会」を開催し、この中で電子処方箋の今後の予定も報告された。主に「リフィル処方箋への対応」「患者からの口頭同意による薬剤情報を取得」「院内処方への対応」という3つの機能改修の予定について報告されたもの。患者からの口頭同意によって薬剤情報取得を可能とする機能改修を行い、重複チェックアラートの実効性を高める考え。